今年から仕事で福島に通っています。桜がとてもきれいなところです。この春,花見山や三春に行って,桜に酔うような日々を過ごしました。とても素晴らしい体験でした。
そして桜の季節が終わって,少し寂しいなと思い始めた5月。いろいろな情報に接していると,「福島は藤の花もきれいらしいぞ」ということがわかってきました。ツイッターで親しくしていただいている方からは,本宮の「蛇の鼻遊楽園」というところの藤がきれいだと教えていただきました。
もういてもたってもいられません。蛇の鼻遊楽園に行くタイミングは作れるだろうか?他に福島県で藤がきれいなのはどこだろうか?あの手この手で調べてみます (^ ^;)
二本松市・霞ヶ城公園に行きました
調べた結果,二本松の霞ヶ城公園に,高村智恵子の生家から移植した藤の花があり,池のほとりにきれいに咲いているということがわかりました。場所的にも,仕事の前に行って見てくることができそうです。
というわけで,福島で仕事がある日の朝,さっそく行ってきました。
公園に着くと,旧二本松城(霞ヶ城)の箕輪門と少年隊の像がお出迎え。城跡の中が公園になっているのです。さっそく階段を上って,城跡の中に入っていきます。ワクワク。
智恵子の藤棚
お城の中の公園を歩いて行くと,ほどなくして霞ヶ池に着きました。池を取り囲むように藤棚があり,藤紫,白,ピンクの藤の花が枝垂れて咲いています。
花の下に入ると甘い香りが。
この藤は「智恵子の藤棚」と名付けられていて,高村智恵子の生家に咲いていたものを移植したものなんだとか。薫風に吹かれてゆるやかに揺れる藤の花は,初夏の日差しによく合うと思います。
残雪の安達太良山が見えました
霞ヶ池のほとりをぐるっと回って,さらに公園の中に進みます。ここはもともと山城なので,天守台に向かって,道は緩やかな上り坂になっています。
少し歩くと西側の眺めが開けるところがあり,目の前に安達太良山の眺めがパーッと広がりました。
これはもう,文句なしに気持ちのいい眺めです。ほぉっ!と一息ついて,見入っていると,5月の風が気持ちよく吹き抜けます。
あれが安達太良山,あの光るのが…
実は霞ヶ城公園を訪ねるにあたって,藤の花のほかに目当てにしていたものがもう一つあります。それは「智恵子の碑」。
「あれが阿多多羅山 あの光るのが阿武隈川」という,智恵子抄の一節が歌われた歌碑を見ておきたいのです。
安達太良山を左手に,公園の道を登って行った先に,それはありました。歌碑の向こうには,木々で額縁のように囲まれて,安達太良山が見えていました。
「あれが阿多多羅山 あの光るのが…」思わず口ずさみながら,しばらくたたずんでしまいました。
奥の松も買っちゃいます
霞ヶ城公園はまだ上の方まで登って行くことができて,一番上が天守台なのですが,そろそろ仕事先に移動しなければなりません。でも目的だった智恵子の藤の花を見ることができて満足です。そして「あれが安達太良山…」と口ずさみながら景色を眺め,穏やかな気持ちで歩くことができました。いい時間だったと思います。
公園を出たら近くの酒屋さんで,地元のお酒「奥の松・あだたら吟醸」を買いました。僕はこのお酒が大好きなのです。地元で買った奥の松はまた格別です。
「ここはあなたの生まれたふるさと あの小さな白壁の点点があなたのうちの酒庫…」。
(それにしても酒瓶を抱えて仕事に行く僕はどうなん?)
おわりに
霞ヶ城公園は紅葉もきれいそうですね。霞ヶ池に映る紅葉はどんな風景を作るのでしょうか。有名な二本松の菊人形祭りもこの公園で行われるようですし,秋にまた訪れることができたらと思います。
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