福島市の荒川河畔に「荒川ホタルの森」という一角があります。福島フルーツライン「日の倉橋」の右岸です。
関東ではホタルの季節はもう終わっていますが,福島ではまだ川の水温が低く,7月上旬がホタルの季節のようです。
どうしてもホタルが見たくなり,行ってきました,荒川河畔。
荒川河畔「ホタルの森」
仕事を終えて,19時半頃ホタルの森に着きました。現地には「ホタル案内人」のYさんがいらっしゃって,どの辺にたくさんホタルが飛ぶかなどを教えてくださいました。地元民ではない僕にとって,これは大変助かりました。Yさんは毎日いらっしゃるのでしょうか。
この「ホタルの森」にいるのはゲンジボタルです。日本の固有種で,明るく光るのが特徴。
僕がここに着いてカメラの準備などをしていた時から,あちこちの草の上でホタルが光っていました。20時を過ぎるとこれが宙を舞い始めます。
明るく光りながらホタルが目の前を舞う光景は幻想的で,その光を眺めていると夢の中にいるような気分になりました。時には2匹のホタルが絡み合うように飛ぶことも。
ほたるは星になった
夭折の詩人,矢沢宰の詩に「ほたるは星になった」という作品があります。一部だけ抜粋します。
暗い川辺には
静かなほたるの宴があった
ささやき合うように
命が燃えて
夜露がひかりもつれて川面に散った二つの光が
あまりにも淡かったので
あまりにも清らかだったので
光は愛し合い
はるかなる旅へ去った(矢沢宰「ほたるは星になった」から)
こんな,あまりにも美しい詩です。
僕が荒川ホタルの森を訪ねた時は,空に雲がかかっていたのと,日の倉橋の街灯が思いの外明るかったので,星の瞬きを見ることはできなませんでした。それでもホタル達の舞を見ていると,彼らが空に昇って行き,満天の星となってきらめくような光景が本当に眼に浮かぶようでした。
おわりに
Yさんによると,この日は「気温が低いために,ホタルの飛びが良くない」とのことでしたが,夢の中のような情景を楽しむことができました。もっと飛ぶ時はどんなになっちゃうんでしょうか。機会があったらまた来年来たいと思います。
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