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【北アルプス】息子14歳と登る白馬岳 (4):白馬岳を越えて白馬大池へ

前回の記事「【北アルプス】息子14歳と登る白馬岳 (3):白馬の星空」の続きです。

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白馬頂上宿舎のテントの中で朝を迎えました。山の朝はいつも眠い目をこすりながらシュラフをたたむところから始まります。午前3時30分。下界ではまだ夢の中にいる時間です。

まず目を覚ますためにコーヒーを入れました。すると息子は「紅茶が飲みたいなあ」なんて言います。オケーィ,ちゃんと紅茶のティーバッグも持ってきてるぞ。なんなら緑茶もあるぞ。というわけで紅茶も一杯淹れました。

そして荷物をある程度まとめてから朝ごはんです。とは言ってもカップラーメンなんですけどね。山で食べるカップラーメンは異様に美味しいんですよ(本当です)。今日も筋肉達に頑張ってもらわなければならないので,たんぱく質補給のためにハムとチーズも食べます。

白馬岳に向かって出発!

朝食が済んだらテントをたたみます。いつもは一人で行なう作業ですが,今回はあえて息子にも手伝ってもらいます。フライシートは朝露でびっしょり濡れていたので,しばらく朝日に当てて乾かしてからパッキングしました。2人だと準備にちょっと手間取り,出発まで3時間近くかかってしまいましたが,時間的には問題ありません。6時30分,テント場を出て,白馬岳に向かって出発です!

途中にある白馬山荘で靴紐を結び直したりしながら歩いていきます。朝の光の中を登っていくと,頂上に近づくにつれて視界がぐんぐん開けてきます。

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朝の光の中を白馬岳へ登って行きます

そしてテント場を出発してから40分,白馬岳 2932 m に登頂しました!息子とハイタッチ!!

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白馬岳登頂です!

頂上からは旭岳〜清水岳に続く支稜がきれいです。その向こうには富山湾と能登半島。そして南西方向に目を向けると,剱岳が天を突き刺しています。遙か遠くには加賀白山も霞んで見えています。

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剱岳〜毛勝三山。遠くに加賀白山が霞んでいます

白馬の稜線を北へたどります

杓子岳〜白馬鑓ヶ岳方向には,残念ながらガスがかかっていたものの,ほぼ360°の眺望を堪能したら再び出発です。白馬大池に向かって稜線を北にたどるのです。

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白馬岳を下って稜線を北へ向かいます

白馬岳周辺は典型的な非対称山稜で,西面は緩やかな斜面,東面は断崖になっています。行く手には雪倉岳,朝日岳へと続く稜線がたおやかです。息子は時々東面の断崖を恐る恐る覗き込んだりしています。谷底には昨日登ってきた大雪渓が光っています。

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稜線の東側を覗き込んで息子が撮影しました。谷底に大雪渓が光っています

「馬の背」と呼ばれるやせ尾根を過ぎると,顕著な二重山稜になっているところがありました。豪雪地帯に特有の珍しい地形です。他には越後三山でも見ましたね。蝶ヶ岳にもあったかな?

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馬の背を過ぎると顕著な二重山稜がありました

稜線の砂礫地にはコマクサが咲いていました。高山植物の女王と言われる花ですが,「女王」というよりも可愛らしい印象を受けるのは僕だけでしょうか。

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コマクサ。砂礫地に咲いています

白馬岳から歩くこと40分,「三国境」という場所に着きました。ここは長野県,富山県,そして新潟県の三県の境です。そしてここで稜線はふた手に分かれます。左へ進むと雪倉岳,朝日岳を経由して親不知海岸へ続く長大な尾根,右へ進むと小蓮華山を経由して白馬大池に至ります。

小蓮華山〜船越の頭を越えていきます

三国境は右に進路をとります。するとほどなくして,いくつかのアップダウンを経て,小蓮華山への長い登りに差し掛かります。ここがこの日で最もきつかったところでしょうか。でも左側には,残雪をまとった雪倉岳〜朝日岳の稜線をずっと望むことができて,「天上の散歩」といった趣です。

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三国境を越えて,小蓮華山に向かいます

息子も途中休憩を挟みながらがんばって登っていきます。そして10時ちょうどに小蓮華山 2763 m に着きました!ここで再びハイタッチをして,大休止。乾燥パインを食べたりクッキーを食べたりチョコレートを食べたり。山頂に刺さっている大きな剣の横で記念写真を撮ったり。頂上からは白馬岳がすっきりと見えました。ピラミダルで端正な姿です。

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小蓮華山から白馬岳。端正な姿です

さて次に向かうのは「船越の頭」。小蓮華山から痩せた尾根を一旦下り,もう一度登り返しです。息子は「からだが悲鳴をあげてきた」なんて言いながらもがんばっています。

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船越の頭へ向かう息子14歳

強い日差しで日焼け止めを塗った顔もヒリヒリしてきた頃,この日最後のピーク,船越の頭に着きました。振り返ると小蓮華山が予想以上に貫禄のある姿を見せ,その向こうに白馬岳が頭を覗かせています。

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小蓮華山を振り返る。貫禄のある姿にちょっとびっくり

そして行く手には,今日の泊まり地である白馬大池が見えてきました!青々と澄んでいて,気持ちよさそうです。

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白馬大池が見えてきました!

白馬大池へ

最後の休憩をした後,白馬大池に向かって下っていきます。道はだんだん緩やかになり,大池が近づいてきます。これはまるでビクトリーロードのようではありませんか (^◡^)

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白馬大池が近づいてきます。まるでビクトリーロードです!

チングルマの群落も僕たちを迎えてくれているようです。荷物が重いのでコースタイムの割には僕も疲れてきましたが,歩きながらつい鼻歌を歌ってしまうような道です。

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白馬大池近くのチングルマ

そして13時30分,白馬大池山荘に到着しました。この日のうちに十分下山できる時間ですが,今日はここでのんびりテント泊して,山を満喫するのです。ここは大池の澄んだ水と山に囲まれた素晴らしいテントサイトです。平日のせいかテント場は意外に空いていましたが,大池に一番近い場所にテントを張りました。

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白馬大池テントサイトにて

白馬大池テントサイトにて

お昼は行動食でつなぎながら歩いてきました。結構お腹が空いています。テントを張ったらペンネを茹でてトマトソースをかけて遅めの昼食にしました。周りの景色を眺めながらペンネを食べていると,なんだかとても優雅な気分になります。食後,息子は大池のほとりに行き,しきりに水面を覗き込んでいました。サンショウウオがいるようです。

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息子はしきりに水面を覗いています。サンショウウオがいるようです

そのあとテントでお茶しているとパラパラっと雨。でもフライシートもしっかり張っているのでテントの中は快適です。雨の音を聞きながら,息子14歳「楽しいね」。おう,僕も最高に楽しいよ (^◡^)

雨はすぐに上がりました。再びテントから出てみると,白馬大池に虹がかかっていました。明日もいいことがありそうですね。

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白馬大池に虹がかかりました

入山してからずっと電波が圏外だったので,うちで妻が心配してるかな?と山小屋の衛星電話を借りて,順調に来てるよと報告しました。そしてテントの中を整頓して,20時30分に就寝しました。明日は栂池に下山です。

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