いま僕がキーを叩いているMacBook Air(以下MBA)は,使い始めてからかれこれ4年半ほどになります。その間,アップルによってOSが何度かアップデートされましたが,僕はずっとこのコンピュータを,2015年秋にリリースされたEl Capitan (MacOS X 10.11) で運用してきました。このマシンを買った時には 同 10.10 Yosemite が乗っていたので,一度アップデートしたんですね。あんまりよく覚えていませんが。
El Capitanの後のOSアップデートを見送ってきたのは,Photoshop CS6を使い続けたかったからです。これより新しいOSだと,「裏技」を使わないとCS6が動かなくなるという話だったので…。(Photoshopを現行バージョンのCreative Cloudにすればいい話なのですが,CS6は高価なアプリケーションですし,そうそう簡単にはいきません…)
でもいろいろあって,半年くらい前にMBAのOSをSierra (MacOS X 10.12) に,さらに最近 Mojave (同10.14)にアップデートしました。この記事では,このOSアップデートの際に気づいたことと,新しいOSの上でPhotoshop CS6をはじめとしたアプリケーションが動くかどうか検証した結果を書きたいと思います。Mojaveはすでに最新OSではないので,ちょっと今更感はありますが。
- きっかけはα6400
- Sierraをインストール
- SierraでフォトショップCS6は動くかな?
- SierraでフォトショップCS6を使ってみた結果
- またアップデートが必要に…
- Mojaveを入れる
- MojaveでフォトショップCS6は動くかな?
- MS Officeをインストールします
- 他のソフトの稼働状況
- おわりに
きっかけはα6400
今年の春先に,新しいミラーレスカメラSony α6400を買いました。α6400の画質や機能にはとても満足だったのですが,問題が一つ。Adobe Lightroom がこのカメラには対応していないので,RAW形式で撮影して現像することができないのです(まあこれもLRを現行バージョンにすればいいのですが…)。
じゃあフリーのRAW現像ソフト「RAW Therapee」を使ってみようかなと思ってダウンロードサイトに行ってみると,現行バージョンはEl Capitanに対応していない様子。
…仕方ないですね。それではとソニーから提供されているRAWデータ処理ソフト「Image Data Converter」を使おうとしたら,これも新しく「Imaging Edge」にアップデートされているようです。α6400のデータを取り扱うにはこのソフトが必要とのこと。
そんなわけで,Imaging Edgeをインストールしようとしたのですが,ここでもやはり「MacOS X 10.12以上が必要です」という非情のメッセージが (-_-;)
というわけで,OSをアップデートしないとα6400のRAWデータが取り扱えないことがわかりました。やるしかありません。
Sierraをインストール
アップルのサイトに行って,Sierraのインストーラをダウンロードします(インストーラはディスクイメージで提供されます)。インストーラの指示に従って操作すれば,アップデートは30分くらいで終了。これは特に問題なくできました。
続いてSonyのサイトに行ってImaging Edgeをダウンロードします。これも問題なく終了。このソフトはちょっと重いし,Lightroomほどの自由度はないんですけどね。ともあれ,これでα6400のRAWデータが現像できるようになりました。
SierraでフォトショップCS6は動くかな?
さて,問題のフォトショップが動くかどうかの検証です。ググってみると,Photoshop CS6は Java SE 6を必要とするけど,Sierraにはより新しいバージョンが入っているので,あらためて Java 6 を入れれば動くようになるとあります(Adobeのサポート外の使い方ですが)。
何はともあれ古いJavaを入れる前に,まず立ち上げてみましょう。フォトショップのアイコンをクリックすると…うんやっぱりそのままでは動かないですね。それで「システム」の中の「ライブラリ」フォルダの中にある「MobileDevice」というファイルを削除してみると,あれ?古いJavaを入れなくても立ち上がっちゃいました。これは拍子抜け。
一方,イラストレータCS6の方は,立ち上げようとすると
うん,こちらはJava 6を入れないと動かないようです。最近はイラレを使う機会が減っているので,必要になったら入れることにして,とりあえずこのままMBAを使うことにしました。
(なお,Java 6のmac版はここでダウンロードできるようです)
ダウンロード - Java for OS X 2017-001
SierraでフォトショップCS6を使ってみた結果
さて,Sierraの上でPhotoshop CS6をしばらく使ってみた結果,
- 一通りの機能は問題なく動く
- プラグインとして入れているNik Collectionもちゃんと機能する
- 時々写真の周りに意味不明の白い枠が表示される。ただ,写真そのものには影響を与えていない
- フォトショップを終了するとき,たまにクラッシュする
という感じでした。ちょっと不安定な感じもありますが,おおむね問題なく使えることがわかりました。
またアップデートが必要に…
そんなわけで,全くの無問題とはいかないものの,Sierraの上でフォトショップCS6を使ってきたのですが,最近になって別の問題が出てきました。
仕事でやり取りするMS Wordのファイルが開けないことが増えてきたのです。
その原因ははっきりしていて,僕がOffice 2008なんていう化石のようなアプリケーションを使っていたからです。流石にこれはまずいな…。
この状況は解消しないわけにはいかず,MS Office Home & Business 2019を買いました。そしてインストールしようとすると…
MacOS X 10.13以上が必要です
うがぁぁぁぁぁ!
Sierraの次(10.13)はHigh SierraというOSですが,もうこのバージョンは飛ばして,MacOS X 10.14 Mojaveにしたる!
…Mojaveの上でフォトショップCS6が動くかどうかは,やってみてから考えよう。
Mojaveを入れる
まず”Time Machine”を使って丸ごとバックアップを取ります。続いてMojaveのダウンロードサイトに行きました。
あとはこのサイトの指示に従って新しいOSをインストールするだけです。インストーラをダウンロードして,適当にクリックしていったら…
このMacOS Mojave 10.14.4インストールアプリケーションは破損しているため,macOSのインストールには使用できません
え?どういうこと?
ググってみると,Appleから「証明書の有効期限切れによりmacOSインストーラーが破損しているというエラーが出る問題が確認されている」というアナウンスが出ていて,インストーラの再ダウンロードをするように促しているとのこと。
でもインストーラをダウンロードし直して,もう一度開いてもやっぱり同じエラーが出ます。むむむ…
結局,以下の方法でインストールすることができました。
- Mojaveのインストーラを右クリックして「パッケージの内容を表示」を選択
- 開いたウインドウにある「Contents」をダブルクリックして開く
- その中の「SharedSupport」の中にある「InstallInfo.plist」を削除する(コンピュータのパスワードを要求されるので入力)
- あらためてインストーラを開いてセットアップ
Mojave,立ち上がりました!
MojaveでフォトショップCS6は動くかな?
さて,まずフォトショップCS6が動くかどうかを確かめてみます。アイコンをクリックしてみると…あっさり立ち上がりました。しばらく使ってみましたが,Sierraの時に時々出ていた意味不明の白い枠が出なくなり,終了時にクラッシュすることもなくなりました。全体としてSierraの時よりも安定した感じです。これは予想外,よかったよかった。ただ一つだけ問題が…。
- 「フィルター」メニューからNik Collectionを呼び出すと,フォトショップがクラッシュする
でもこれも,「ファイル」メニューの「自動処理」からNikを呼び出して使うことで回避できました。
MS Officeをインストールします
続いて「2008」なんて化石のようなバージョンを使い続けていたMS Officeの新しいバージョン(Home & Business 2019)をインストールしてみます。こちらは問題なく終了。さっそくWordとExcelを使ってみましたが,とても快適でいいですね。新しいインターフェイスに戸惑うこともたまにありますが,すぐに慣れるでしょう。
他のソフトの稼働状況
他に僕がよく使うソフトウェアもいくつか試しているところです。今のところ
- Sony Imaging Edge:ちゃんと動く
- ChemDraw Std:ちゃんと動く(ただしEl Capitanの時からですが,Undoが効きません)
- Parallels Desktop上でWindows 8.1:ちゃんと動く
- Apple純正のメールやKeyNoteなど:もちろんちゃんと動く
うむ。今のところほぼ問題ありません。Adobe Acrobat Pro (CS6に入ってたやつ) がうまく動かないのですが,今のところOS標準の「pdfとして保存」を使っています。
おわりに
そんなわけで,MBAのOSをMojaveに上げた話でした。いくつか懸念もあったのですが,一番心配していたPhotoshop CS6を含め,コンピュータが全体的に安定した感じで,アップデートしてよかったと思います。動作が重くなるかな?と思いましたが,そんなこともありません。かなり古くなってきたMacBook Airですが,もうしばらくこれで戦えそうです。MojaveのOSとしての新機能(アイコンのスタックとか ダークモードとか)もおいおい使っていきたいと思います。
現在,MacOS Xの最新バージョンは,Mojaveの次のMacOS X 10.15 Catalinaですが,これにすると今度こそフォトショップCS6が動かなくなるという話なので,次のアップデートは当面見合わせる予定です。
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