八幡平は夏も楽しい
前記事で八幡平リゾートパノラマスキー場を紹介しました。実は八幡平が楽しいのは冬だけではありません。夏のトレッキングも素晴らしく,こちらも大変おすすめです。
八幡平は日本百名山に選定されています。標高こそ1700 mにも満たない山ですが,稜線上に広がる高層湿原は素晴らしく,下界の生活を忘れてしまうような体験をすることができます。
八幡平トレッキングコース
八幡平に登るには,東北自動車道を松尾八幡平ICで降りて約20分,八幡平アスピーデラインを走って登山口へ向かいます(盛岡からバスも出ています)。アスピーデラインを登っていくと,途中「八幡平登山口」,「黒谷地入り口」,「山頂レストハウス」等のポイントがあり,これらの場所を起点として,体力と時間に応じて長短のトレッキングコースを歩くことができます。
僕自身はこれらのコースを何度も歩いていますが,ここではアスピーデラインの最高点からの周回コースを,写真を交えて紹介します。コースタイムは休憩を除いて2時間半を見ておけば大丈夫でしょう。
ちなみに「アスピーデ」とは盾を伏せたような平べったい火山のことで,火山としての八幡平がアスピーデに分類されることから,この山岳道路もこう命名されています。
八幡平頂上を超えて八幡沼へ
アスピーデラインの最高点には駐車場があり,岩手県と秋田県の県境にもなっています。近くにはレストハウスがあり,少し南側に下ると山間の湯,藤七温泉もあります(ただしこの温泉は冬季は閉鎖になります)。
県境を示す標識のすぐ近くに,八幡平への登山口があります。道はよく整備されていて,大変歩きやすい道です。
登りの途中で「めがね沼」「鏡沼」を通過します。春先には部分的に雪解けした鏡沼が「ドラゴンアイ」となることで有名です。また振り返ると,岩手山へ続く山々がきれいです。
八幡平頂上へは30分程度で到着するでしょう。頂上は木々に覆われており,眺望はありません。ここは素通りする人が多いかと思います。けれどもこのコースの白眉となるのは,この先です。
頂上を過ぎて登山道を下っていくと,あたりが開けてきて,眼下に八幡沼とその周りの湿原が見えてきます。一気に開放的な眺めになり,思わず声をあげてしまうところです。
八幡沼は空を映し,そのほとりには避難小屋「凌雲荘」が建っています。
高層湿原を歩く
凌雲荘で少し休憩したら,湿原を歩きます。湿原は見渡す限り続いていて,ずっと木道が敷かれているので,大変気持ちよく歩くことができます。
また木道の周りには池塘が点在していて,独特の景観を作り出しています。「山の上にどうして水が溜まっているんだろう?」池塘を見るたびにいつもそんなことを考えてしまします。
またこの付近は高山植物が豊富で,花にも見入ってしまいます。
八幡沼を回り込んでレストハウスへ
木道をそのまままっすぐ進むと源太森,黒谷地方面で,こちらの湿原もきれいですが,気軽なトレッキングなら八幡沼の対岸へ回り込む道を通ってレストハウス方面へ戻ります。
こちらにも湿原が広がっていて,気持ちの良い木道が続きます。ところどころ小さな沼が現れ,水面が夏空を映す様子はなんとも言えず美しいです。
夏なら,もう少し進むとニッコウキスゲが咲き乱れる天国となります。
まだ息子が小さい頃にここを歩いた時は,あたりにガスがかかり,幻想的な光景となりました。
おわりに
湿原と花,湖と青空。八幡平は本当にきれいなところです。大きな街から離れているので,夜には大変きれいな星空を見ることもできます。
今回紹介したコースは気軽に回ることができるので(ただし山の上なので天候の急変には十分に注意してください),岩手方面にお越しの際にはぜひ!とおすすめしたいと思います。
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