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【ミツマタ咲く登山道】西丹沢・檜洞丸に登ってきました!

昨年9月に甲斐駒ケ岳に登ってから,なかなか登山に行けずにいました。だんだんうっぷんがたまってきます(笑)。

世間はちょっと大変な時期ですが,山を歩くのは問題なかろうと,天気の良さそうな3月18日,西丹沢の檜洞丸(ひのきぼらまる)に登ってきました。

東京で暮らしていて,奥多摩や奥秩父はホームグラウンドとしてよく歩いてきましたが,実は丹沢に行くのは初めてです。なんとなく遠いイメージがあったのですが,あらためて調べてみると,登山口までの所要時間は奥多摩とそんなに変わらないんですね。

西丹沢・檜洞丸へ

向かったのは西丹沢の檜洞丸(1601 m)です。この山は初夏のツツジが人気ですが,3月にはミツマタの花が咲くらしい…これは楽しみです。

小田急線で新松田まで行って,新松田駅から富士急バスで西丹沢ビジターセンターへ。ここが西丹沢の登山基地になります。

www.kanagawa-park.or.jp

ビジターセンターの前にはもうミツマタが咲いていて,期待が膨らみます。トイレに行って,靴紐を締めて,いざ出発。

西丹沢ビジターセンターのミツマタ

西丹沢ビジターセンターにて。さっそくミツマタがお出迎え

初めは車道歩きから始まります。天気は快晴。丹沢の稜線が青空をバックに映えています。山肌には雪も少し残っているようです。

丹沢の稜線

丹沢の稜線。雪も残っているようです

早くも道の両側にはミツマタが咲き乱れ,甘い香りを漂わせています。これはきれいだなあ。

ミツマタが満開!

ミツマタが満開!

ミツマタというと,和紙の原料になる植物として馴染みが深いですね。紙の製法が日本に伝わった後,日本ではコウゾ,ミツマタ,トロロアオイ等,多糖類の長い繊維を持つ植物が利用できることが見出され,和紙の文化が花開いていった…そんなことを考えると,この花に愛おしさを感じます。

ミツマタの咲き乱れる登山道

車道を5分も歩くと登山口が現れます。登山口から沢沿いに山へ入りますが,やがて道は沢を離れ,急激に高度を上げます。いきなり鎖場が出てきますが,ここは鎖を使わなくても大丈夫。でも登山道の沢側は切れ落ちているので要注意です。

その後,登山道は尾根の中腹をゆるやかに続きます。久しぶりの山歩き。そしていい天気。やっぱり気持ちいいですね。そしてしばらく歩いていくと…ミツマタの大群落!

ミツマタ咲く登山道

ミツマタ咲く登山道

登山道がミツマタのトンネルをくぐるようなところさえあります。薄暗い森の中で黄金色に輝くミツマタは幻想的でした。

ミツマタのトンネル

登山道はミツマタのトンネルをくぐって続きます

ミツマタの群落はしばらく続き,その中を歩いていると,だんだん夢の中のような気分になっていきます。

ミツマタ咲く登山道

夢の中のようなミツマタの群落

まだ登山は序盤なのですが,この辺りであっちを見たりこっちを見たり写真を撮ったりで,ずいぶん時間をとってしまいました。

高度を上げていきます

ミツマタの群落を抜けると登山道は一旦下り,「ゴーラ沢」を飛び石伝いに渡渉します。ここは橋がかかっているわけではないので,増水している時には要注意かもしれません。

ゴーラ沢を渡ると道は尾根に取り付きます。ここからは時々木の梯子などもかかる急な登りですが,道はよく整備されています。

息を切らしながら登っていきましたが,標高1000 m付近で一度休憩としましょう。ザックを下ろして周りを見渡すと…頭上に馬酔木(アセビ)の花が咲いているではありませんか。登っている時は足元を見てるので気づかなかったよー (^ ^) 春っぽくていいですね。

馬酔木

アセビの花も咲いています

朝作ってきたおにぎりを2個食べて,再び歩き始めます。この辺りから山肌に雪が出てきました。でも登山道自体には積もっていないので,アイゼンはつけずに進みます。だいぶ高度も上がってきて,木の間越しに稜線が見えるようになってきました。気がはやりますが,まだ先はあるのでペースを一定に保つように心がけます。

樹林越しに稜線

樹林越しに西丹沢の稜線

ところで,登りながら気づいたことが一つあります。この季節,奥多摩の山に登ると周りが杉林なので花粉がキツイのですが,この山は基本的に広葉樹林なので,それがないんです。これは楽でいいですね。実際,途中からマスクを外して歩きましたが,花粉に悩まされることもなく,その点では楽に歩けました。

なおも登っていくと傾斜は徐々にきつくなり,木の階段・梯子が頻繁に現れ始めます。そんな中,誰かが作った雪だるまセンパイが。思わず和むひと時です (^ ^)

雪だるま

登山道わきに雪だるまセンパイ

登山道わきの雪の量も徐々に多くなってきました。そして傾斜は一層急になってきます。この辺りがしんどい区間だったでしょうか。

最後のひと登り,鉄製の梯子や鎖がかかった岩場を乗越すと,頂上へ続く緩やかな木道となりました。周りの景色を見ながらのんびりお散歩気分…といきたいところでしたが,予定よりも時間が押しています。ちょっと急ぎ気味で頂上へ。

檜洞丸頂上にて

緩やかな斜面に敷かれた木道を歩き,檜洞丸の頂上に飛び出しました!頂上は広く,雪がけっこう積もっていました。

頂上台地の西側に立つと,予想以上に大きくフジッサーン! /^o^\

富士山

フジッサーン! /^o^\

富士山の右側には南アルプスも見えています。気温が高めの春の日なので,すこし霞んでいますが,胸のすくような眺めです。

そして頂上の東側に行くと,蛭ヶ岳,塔ノ岳へと続く丹沢の主脈稜線が存在を主張しています。うん,これは縦走してみたいですね。丹沢は稜線にテント場がないのが難点ですが(山小屋はありますが,星の写真を撮りたいので,できればテント泊したいんですよね)。

丹沢主脈

丹沢主脈稜線

ここで再びおにぎりを2個パクついて,下りに備えます。

下山します

さて,ミツマタ地帯で時間を使いすぎたせいで時間が押しています。下りは少し急ぎめでいきましょう。

最初の木道はずんずん下ります。続く鎖場は慎重に。やがて樹林帯に入っていきますが,木々の間から雪をまとった尾根が,午後の日差しに光っています。

光る尾根

木々の間から光る尾根

途中,風雪で変な形に曲がってしまった木を見つけました。この場所の自然の厳しさを伺うことができます。急いではいるのですが,写真を撮ったりします。

変な木

変な木

再びミツマタの群落へ

一度休憩を挟んで,だいぶ高度を下げてきました。そして尾根を下りきり,ゴーラ沢を渡ると道は緩やかになります。なおも進んでいくと…

おおっ,またミツマタ地帯に戻ってきました!ヤバイ,急がないと17時のバスに間に合わない。…でもここはやっぱり無視して進むことはできません (^ ^;)

森の中は薄暗くなってきているのですが,その中で夕日を浴びたミツマタの花は,いっそう黄金色に輝いて見えます。

夕日に輝くミツマタ

夕日に輝くミツマタ

また夢の中に迷い込んだみたい。思わず足を止めてしまいます。でも後ろ髪を引かれながら,群落をあとにして登山口へ向かいました。

ミツマタの群落をあとに

ミツマタの群落をあとに

西丹沢ビジターセンターへ帰還

ミツマタ地帯を抜けると,最後に急な下りがあります。ここでミスったらシャレにならないので,集中して…登山口に降り立ちました。無事下山です。

ここからバス停のある西丹沢ビジターセンターまで車道歩きです…が,バスの時間が迫っています。駆けるようにしてバス停へ向かいましたが,ギリギリで間に合いませんでした (^ω^;)

仕方がないので18時台のバスを待ちました。暮れてゆく空に星がきれいで,今度赤道儀を持ってここに来ようかなと考えたりしました。

 

おわりに

そんなわけで,ミツマタの群落で (^o^ 三 ^o^) てなって時間を使ってしまい,バスを逃すという結果になりましたが,それでも次のバスでちゃんと帰れたので良しとします。

ミツマタの山道の雰囲気がとても良かったので,また来年も来ようかなと思います。ビジターセンターの周りにはいくつか小さなキャンプ場もあるので,そこにテントを張って星空の撮影をして,次の日に登るのもいいなあ。

 

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