世間は夏休みを迎えています。去年の夏は,息子(当時14歳)といっしょに北アルプス白馬岳に登りました。「また登りたいね」と楽しみにしていましたが,今年はちょっと無理ですね(涙)。
でもせっかくの夏休み,なかなか友達と集まることができない息子を,どこか爽やかなところにに連れ出してやりたいとも思います。
そう思って近場でいくつかの行き先を候補にあげて,どこに行きたいか聞いてみたました。すると息子の答えは「東京都から出ないでいたい」。
都知事からの「都県境を越えないで」という要請を,彼なりにしっかり受け止めているようです。感心感心。
東京都内で爽やかな風景に出会えるところといえば,やっぱり奥多摩ですね!
妻と息子は,この間僕が三頭山に登ったときに渡った麦山浮橋(奥多摩湖の「ドラム缶橋」)に興味を示していたので,いっしょに浮橋を渡ってきましょうか。
そう思って計画を立てていたのですが,「先日の大雨の影響で麦山浮橋が当面の間通行不能」という情報が飛び込んできました。おっと…これは仕方がないですね。
それでは奥多摩湖にかかるもう一つの浮橋,麦山よりも上流にある留浦浮橋に行くことにしましょう。
そう思ってハッと気がつきました。留浦浮橋は東京都内だろうか?麦山浮橋よりもさらに奥なので,もしかしたらもう山梨県に入ってるのでは?
そう思って地図を見たところ,ギリギリ都内でした。セーフです*1。
↑地図中で「奥多摩湖」と書いてあるところの白い橋が留浦浮橋,破線が東京都・山梨県の境です
そんなわけで,天気が比較的安定していた8月13日,家族3人で奥多摩に出かけ,留浦浮橋,小河内ダム,そして鳩ノ巣渓谷を見てきました。
そしてこの時,僕には奥多摩でもう一つやってみたいことがありました。先日購入した Sony の標準ズームレンズ,SEL1670Z のテストです。
一度上野恩賜公園で試し撮りをしてみたのですが,この時は比較的近くのものを絞り開放付近で撮ることが多かったんですよね。「広大な自然風景を広角側で撮ったらどんな感じだろう?」。
奥多摩の風景を撮って,これを確かめてみたかったんです(以下,この記事の写真は全てα6400 + SEL1670Z で撮影しました。興味がある方は作例だと思って見てください)。
*1 もちろん「都県境を越えない」というのは1つの目安に過ぎないので,意図せずコロナウイルスの運び手になってしまわないように,都内であっても気をつけて行動しました。
留浦浮橋へ
奥多摩湖(小河内ダム)には麦山,留浦の2箇所に浮橋がかかっています。現在はプラスチック製のフロートで浮かんでいますが,以前はドラム缶を浮体として使っていたので,今も通称「ドラム缶橋」と呼ばれたりします。
今回向かうのは,より上流(山梨県寄り)にある留浦浮橋です。
留浦までは,東京都を出ないルートを取ろうと新青梅街道経由で行きました。75 kmくらいの道のりですが,途中渋滞しているところもあり,3時間近くかかっての到着となりました(留浦浮橋には駐車場とトイレがあります)。
ところで留浦ですが,これは「とずら」と読みます。教えてもらわないとちょっと読めませんね (^ ^;) バス停にもちゃんと書いてありました。
麦山および留浦浮橋の長さは,それぞれ 220 m および 212 m。ほぼ同じですが,留浦の方はダム湖が細くなっているところにあるので,体感としては麦山浮橋よりもずいぶん短く感じました。幅も留浦浮橋の方が少し広いので,そう感じるのかもしれません。
ともあれ,浮橋を向こう岸まで渡ってみます。ゆらゆら揺れてウヒョ〜!ってなるし,つなぎ目のところでガッコン!てなるのも,麦山浮橋と同じく面白ーい♪
浮橋は観光地としていくつかのサイトで紹介されていますが,この日は特に混雑しておらず,のんびりできました。
水面は周りの森と空の色を映してエメラルドグリーンに澄んでいます。また都心は猛暑でしたが,標高の高い奥多摩では涼しい風が吹いています。気持ちいいです (^◡^)
浮橋から湖を覗き込むと,魚がたくさん泳いでいました。こうやって水面をすぐ近くから見ることができるのは,浮橋ならではですね。
こちら側の岸に戻ってから,のんびり湖畔でお弁当を食べました。
小河内ダムへ
続いて東(都心側)へ少し戻って,小河内ダムへ行きました。湖は相変わらず空を映してきれいです。
ところが湖畔で景色を眺めていたら,ゴロゴロと雷の音が鳴り出しパラパラっと雨。でも山あいに雨雲がかかった光景も,夏らしく素敵だと思いました。
雨はすぐに止みました。このダム湖の水が多摩川を流れ下って,東京都を潤していることを思いながら移動です。
鳩ノ巣渓谷も見てきました
次に向かったのは鳩ノ巣渓谷。多摩川の両側に山が迫って,岩の間を流れる渓谷をなしているところです。沢の音が轟々と響きます。夏にはこういう場所も涼しくていいですね。
2つの大岩が通せんぼしている間を水が流れていくようなところがあったり↑。雨上がりで川面を霧が覆っているようなところもあったり↓。なかなか見ごたえがありました。
水の色はやはりエメラルドグリーンで,確かにこの水は奥多摩・留浦のあたりから流れてきているんだなと妙に実感しました。
こういうところは三脚を立ててスローシャッターで撮りたくなるのですが,今回は家族と一緒なので遠慮しました。
駐車場へ戻る道には小さな祠が。山から渓谷へ流れ落ちる「双龍の滝」を祀ったもののようです。滝を龍に見立てるって面白いですね。
SEL1670Zの写りには満足しました
話が変わりますが,今回の奥多摩小旅行では,先日購入した標準ズームレンズ,SEL1670Z の写りを確かめてみたいということも考えていました。ここまでの写真は全て,α6400にこのレンズをつけて撮影したものです。
ネット上ではやや評価が分かれているこのレンズですが,使ってみての印象は(先日の上野公園での撮影とも合わせて)
- 広い自然風景を撮ると,よく解像する(ただしカリカリ!という感じではない)
- 発色がとてもスッキリしている(抜けが良い)
- ボケがざわつかず,やわらかい
と感じました。僕としてはおおむね…いやかなり満足です。
もしかしたら否定的な評価をしている人は「カリカリではない」ところが気になるのかな,とも思いました。
発色は奥多摩湖の水のエメラルドグリーンや浮橋のフロートのオレンジ色など,とてもスッキリと出ていて,抜けが良いと感じました。
そして,ちょっとびっくりしたのがこの写真 ↓(妻の顔の部分はカットし,息子の顔も隠しましたw)
ブログサイズに縮小していますが,元の写真を見たとき,傘についた雨の雫の描写がきれいでハッとしました。一部を拡大するとこんな感じ ↓ です。
逆光ですがコントラストの低下がほとんどなく,雨粒が繊細に写っていて「おおっ!」と思いました。
賛否両論あるレンズですが,悪くないと思うなあ。ツァイスマークがかっこいいし。コンパクトだし。換算24–105 mmのズーム域も便利なので,山を歩く時などは基本的に付けっぱなしにして使えそうです。
おわりに
暑い日が続きますが,奥多摩は涼しく,山の緑とダム湖の水が爽やかでした。息子も「楽しかった」と言ってくれたので満足です。
また新しいレンズ SEL1670Z を試すこともできました。いい休日だったと思います。
奥多摩湖にかかる浮橋は面白いのでオススメです。それでは麦山と留浦,どちらがオススメかと言われたら…渡るのが面白いのは麦山の方かな。湖が広いところにかかっているので「渡ってる!」という実感があるし,橋がより細いので,歩いた時のユラユラ感が大きいです。また表面が木でできているので,歩いた時にポコポコ音がなるのもいいです(留浦浮橋は表面が鉄板でした)。
ただ麦山浮橋は駐車場に難があるので,車で行く場合は注意です。また橋の近くで涼んだりお弁当を食べたりするなら留浦の方が開けた場所があって過ごしやすいでしょうか。
…それとも「浮橋めぐり」として,両方行っちゃえば,「マイクロリツーリズム」として面白いかな?(先に書きましたが,今は麦山浮橋が通行止になっているので,行く前に確認してくださいね)
帰りはまた新青梅街道を通って一路都内へ。都内から出ずとも,こんな休日が過ごせます。東京って&奥多摩っていいところですね。
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