安達太良山に登りたい!
仕事で毎週福島に通っているのですが,仕事先から見る安達太良山がとてもきれいです。それでいつも「登りたいなあ」と思ってきました。
山が遠くから 人の心をとりこにする
人がその心を 探しにゆく
それで体ごと とりこになる(吉野弘「心の四季」から)
5月に入って,山肌に見える残雪も少なくなってきました。できれば雪のあるうちに登っておきたいなあ。
そんなわけで,登ってきました。天気予報は微妙だったんですけどね。
安達太良山の上の青い空
安達太良山へは公共交通で行きました。いろんなパターンを考えていたんですが,5月6日の夕方に二本松に行ってみると,翌日から奥岳登山口への直通バスが運行するとのこと。これはラッキー。
翌7日,二本松駅前から8時15分発のバスに乗り込みました。
バスは9時少し過ぎに奥岳に到着。続いてすぐにあだたら高原スキー場のゴンドラに乗り込みます。ゴンドラはあっという間に標高1300 mに到着しました。これは楽ちんすぎです!
さっそくゴンドラ山頂駅から歩き始めます。5分も歩けば薬師岳展望台。
ここには「この上の空がほんとの空です」の歌碑があります。
いうまでもなく,「智恵子抄」の中で高村智恵子が語ったとされる言葉です。
智恵子は東京に空が無いという ほんとの空が見たいという
(中略)
智恵子は遠くを見ながら言う 阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が 智恵子のほんとの空だという(高村光太郎「智恵子抄」から)
現東京都民の僕にとっては少し寂しい話ですが,この空はとても青くて,確かに「ほんとの空」であることには違いありません。
頂上へ…ガスがかかってきました
展望台から上は木道が敷かれた登山道。灌木を縫って続く道の上には風が吹く音,そして山の匂い,いやあ素晴らしい。
木道が終わると,雪解け水で登山道が小川のようになっているところもありましたが,問題なく通過。
さらに登ると雪田に差し掛かりましたが,ここも傾斜は緩かったのでそのまま登ります(チェーンスパイクを持って行きましたが,結局使わなかったな)。
ところでこの雪田を登ったあたりから,空に急速に雲が広がり始めました。
そして頂上近くまで登ると,ガスガスで何にも見えなくなってきた!(°o°;)
頂上直下,「乳首」と呼ばれる頂上ドームもガスに霞んでいます。
それでも最後の岩場を登って,11時ちょうどに安達太良山頂上到着!
何にも見えないけど,一応証拠写真を撮っておきましょうかね。
鉄山へ稜線を歩く
安達太良山頂にも立ったことだし,このまま下山してもいいのですが,ちょっと歩き足りないですね。鉄山まで往復してきましょうか。
稜線を歩いている間に晴れるんじゃないか?という淡い期待を持って,稜線を北にたどります。もしガスが切れれば,鉄山近くの沼の平火口の景観も見たいし。
強い風にガスが流れます。
最近は日頃の行いが良いせいか,山を歩くときはずっといい天気だったので,こういう尾根歩きは久しぶりです。実はこの雰囲気,わりと好きです。ワルなのでw
展望が利かない中,12時に鉄山到着。ここが今回の最高到達点(安達太良山本峰よりもわずかに高い1700 m)。三角点にタッチしておきます。
沼の平火口もぜんぜん見えなかったけど,まあ仕方がないですね。稜線をたどって安達太良山へ戻りましょうか。
安達太良山へ戻ります
歩いてきた稜線を,再び安達太良山へ戻ります。相変わらず視界が利かないので,時々地形図とGPSで現在位置を確認したり。
ところがもうすぐ安達太良山というところまで戻ると,ガスが薄くなってきました!このガスが微妙に揺れ動く感じ,GPV気象予報から予測した通りですね。
先行するグループの姿が見えます。今まで近くに人が歩いているのもわからなかったよー。
安達太良本峰の「乳首」も間近です。
このまま「乳首」の岩峰には登らずに下山するつもりでしたが,少し視界が効くようになってきたことだし,もう一度登っておきましょうか。
頂上から振り返った縦走路。赤茶けた岩の稜線と,残雪の斜面。この季節ならではの光景です。
こんな景色を見ると,この稜線を再び鉄山に向かって歩きたくなりますが,我慢ガマン(笑)。
下山します!
さて,下山です。あれれ?ますます晴れてきたなあ (^ ^;)
山の上にいるときにはガスっていて,下り始めると晴れてくる。…まあ登山あるあるですね。でもこの景色を見ることができただけでもヨシ!
雪田のところまで降りてくると,下界までくっきり見えます。
雪田をスリップしないように気をつけて下り,雪解け水で小川のようになった道を過ぎたら,あとは木道をゴンドラ乗り場までスタコラサッサと歩きます。
奥岳の湯
靴を洗ったらゴンドラに乗り込んで,またまた楽チンな空中散歩。あっという間に奥岳登山口に到着です。
バスの時間まで温泉に入りましょうかね。立ち寄るのは「奥岳の湯」。ゴンドラのチケットを持っていると割引料金で入れます。
安達太良山中腹を源泉とする硫黄泉。いいお湯でした!露天風呂もあって,新緑の山肌を眺めながら浸かるお湯は最高。この露天風呂が今日のハイライトだったかも(笑)。
帰りのバスは岳温泉で乗り換えて二本松へ。岳温泉の名店「成駒」さんでソースカツ丼を食べようと目論んでいたんですが,「準備中」で残念。
おわりに
稜線でガスに包まれたのは残念でしたが,ずっと登りたかった安達太良山を歩けて満足です。温泉も気持ちよかった!
ゴンドラを使えばチョー気軽に登ってこれるので,紅葉の時期にでも,またリベンジしたいですね。
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