
前記事「【南アルプス】塩見岳〜北岳縦走 day2:塩見小屋から北岳山荘へ,長大な仙塩尾根を歩く」の続きです。
3日目は,まず中白根に登ってご来光を迎えようと思います。そのあとテントを撤収して北岳を越え,草すべりルートで広河原に下山する計画です。

縦走最終日は展望に恵まれて,素晴らしい景色を楽しむことができました。
3日目の朝を迎えました
山行3日目。3時半にシュラフから抜け出して,テントから顔を出してみます。東の空には,もうオリオンが昇ってきているようです。
「星座を目立たせるために,ソフトフィルターを持ってくればよかったな」と思いながら撮ってみたら,薄雲が天然のソフトフィルターになってくれました。

昨晩は夏の天の川を撮っていたのにね。明け方には冬の星座。そんな季節になりました。
さて,今日はまず中白根に登ってご来光を迎えたいと思います。カメラとおやつとレインウェアを持って,縦走路を間ノ岳方面に進みます。
左手には,日の出前の静かな空に富士山が浮かんでいます。

昨日の夕方,ヘロヘロになりながら30分かけて下った中白根山。今日は30分で登ってきました。朝だから元気だし,軽装だから足取りも軽いです。
穏やかな風の中で待っていると,北岳の向こうからご来光です!

いい天気&適度に雲があって,空がきれいに焼けてくれました。素晴らしい朝です!
中白根で迎えるゴールデンアワー
ご来光のあとはしばらくの間,世界が黄金色に輝く「ゴールデンアワー」が始まります。山々が最も美しく見える時間です。
朝日に染まる北岳。Good Morning, Southern Alps!

太陽を背にして立つと,正面には仙丈ヶ岳がモルゲンロートを迎えています。「南アルプスの女王」の名に相応しい,優美な姿です。

仙丈ヶ岳のカールの向こうには,遠く槍・穂高連峰が見えています。今日は北アルプスも素晴らしいお天気のようです。

南には間ノ岳。昨日の午後は,あの縦走路をひーこら言いながら下りてきました。でも朝日に輝く稜線を見ると,軽やかな足取りで駆け上れそうな気がしてきます…実際はそうはいかないんですけどね。

東側は見事な雲海。その上に富士山が頭を出しています。太陽がだんだん高くなっていきますよ。

中央アルプスも朝を迎えました。
南アルプスに登ると,いつも伊那谷を挟んで向かい合うこの山脈。木曽駒ヶ岳しか登ったことがないので,いつかちゃんと縦走したいです。

そしてしおみん〜!今日はスッキリとその姿を見せてくれました。
頂上付近が岩ゴツゴツなのは,実際に登った印象の通りです。うん,なかなかカッコいい姿じゃないか!

北東側。手前から池山吊尾根,鳳凰三山,そして奥秩父の山並みです。幾重にも折り重なった山ぎわ。やうやう白くなりゆく(笑)。

甲斐駒ヶ岳にも光が当たり始めました。どこから見ても端正な姿。「南アルプスの貴公子」の二つ名にふさわしい山容ですね。花崗岩の山肌が白く輝くのもカッコいい。

朝の山々を堪能しました。満ち足りた気分で北岳山荘のテントに戻ります。右手に富士山を見ながらね。

北岳に登っていきます!
北岳山荘に着いたら,テントを撤収します。そして荷物一式をザックに詰め込んだら,北岳に登っていきますよ。
北岳の頂上,すぐそこに見えるんでしょ? でもね,でっかい南アルプス,距離感がバグります。これでも標準CTはしっかり1時間半あるんです(汗)。

振り返ると間ノ岳。でっかい山です!南ア南部(赤石岳とか)から見ても,存在感がすごいからね。
右側のピークは中白根。さっきご来光を眺めていたのはあそこ。

道半ばまで登ってきました。北岳山頂が大きくなってきましたよ。

ここまで登ってくると,けっこう高度感を感じます。まるで北岳山荘を真下に見下ろしているようです。

頂上直下には,こんな岩稜が控えています。一瞬ビビりますが,ここは稜線の左側を巻いていくので問題ありません。

岩稜を巻く道では,眼下に南アルプスの深い谷が広がります。

最後の斜面を登り切って,日本で2番目に高い山,北岳 (3193 m) に登頂です。快晴だぜ,ヒャッホゥ!

北岳山頂で楽しむ南アルプスの絶景
北岳山頂から間ノ岳方面を振り返ります。累々たる南アルプスの山々。圧倒的なスケール感です。この山脈は,ずーっと静岡市の方まで連なってるんですよね。

南東側には,フジッサーン /^o^\ !
日本で2番目に高い山から見る,日本で一番高い山です。今日は雲海を従えて,いっそう優雅に聳えていますなあ。

間ノ岳の稜線の向こうには塩見岳。
一日ずれていたら,塩見岳からの展望を楽しむことができたのかな。でも北岳の眺めも素晴らしいからヨシ!塩見岳に行く機会は,またいつかあるでしょう。

ところでこの日は空気が澄んでいたんですね。遠くには,南ア南部の兎岳や中盛丸山までよく見えています。去年歩いたところが見えてうれしいです。
さっきまで北岳の影になっていた八ヶ岳もまるっと見えました。今日はどこの山に登った人っも大勝利だったでしょうね。

花の季節はそろそろ終わりかと思っていましたが,頂上の近くにタカネビランジが咲いていました。南アルプスだけに咲く清楚な花です。

あまりに盛りだくさんになるので写真を横並びにしたんですが(笑),白根南嶺の笊ヶ岳や中央アルプス最南端の恵那山もクッキリです。


頂上となりの岩のピーク。てっぺんに人が立ってますね。その向こうに仙丈ヶ岳。アルプスらしい光景です (^◡^)。

北岳頂上の眺めも満喫できましたよ (^◡^)。天気に恵まれてハッピーです。それでは下山にかかりましょう。
下山します!
下山路に踏み出すと,ずーっと続く尾根の先に,仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳。贅沢な眺めを楽しみながら,のんびりと行きましょう。
北岳肩の小屋の緑色の屋根も見えてきました。

ほどなくして,北岳肩の小屋に到着。この山小屋も素晴らしいロケーションですね。

肩の小屋からは,谷を挟んで鳳凰三山が間近に聳えています。花崗岩の白い稜線がよく見えます。そういえば,あっちからも北岳がよく見えていたっけ。

肩の小屋を過ぎると,こんな道が続きます。まるで縦走路が甲斐駒ヶ岳まで続いているようです。この道は伸びやかで,気持ちがいいとしか言いようがありません。

ここは道も平らで,すごく心穏やかに歩けるところです。標高3000 mのプロムナード。

ちょっとした岩場を下ると,小太郎山(写真左,甲斐駒ヶ岳の下のでっぱりです)に続く支尾根が,左に分岐します。この尾根を見送って,広河原へ向かいますよ。

小太郎尾根分岐を過ぎると,「草すべり」と呼ばれる斜面の下りに入ります。ここは急坂ですが,道はジグザグが切られているのでそんなに歩きにくくはありません。
この辺りから登りの人たちとのすれ違いが多くなってきました。土曜日だからね,今日は登ってくる人も多いでしょう。

狭い登山道では登りが優先。待ち時間が多くて時間がかかりますが,まあのんびり下りましょう。昨日がハードだった分ちょっぴり足にきていて,ペースも上がらないしね。
若いあんちゃん2人組とすれ違うときに「もう心が折れそうっす」なんて言ってるから,「上は素晴らしいですよ!」と声をかけてみました。すると「何て素晴らしいひと言!やる気が出ましたよー!」だって。気持ちのいいあんちゃんです (^◡^)。

斜面の途中で,ここにも赤色チャートの露岩帯。南アルプスこと赤石山脈。北部から南部まで,この巨大な山塊が海底から隆起してきたんですねえ。

高校生の頃,ヒマラヤ登山に憧れていました。8000 mの頂に立つと,「地球の呼吸」が感じられるんじゃないかと思ってたんですよね。
僕はもう今からヒマラヤに行くことはできませんが,南アルプスの地層を見ていると,長い長い地球の営みが感じられて厳粛な気持ちになります。アースよ!
白根御池で一休みして広河原へ
長話が過ぎましたね。黙々と下って,白根御池が見えてきました。

草すべりを下り終えて到着したのが,標高2200 m,白根御池小屋です。ここで水を補給して一休みしました,

白根御池小屋のほとりはテントサイトになっています。ここでテント泊するのも良さそうですねえ。朝日を浴びながら「静かな湖畔の森の影から♪」って歌いたい。

そして池に映る北岳,「逆さ北岳」もしっかりいただきましたよ (^◡^)。
白根御池小屋からは,樹林帯をひたすら下ります。ここは一度登りで歩いたことがあるんですが,「こんなに長かったっけ?」と思いながら歩きました。
やっぱりしんどいことって忘れちゃうんですよね。…じゃないと山登りはやってられないか。

鳳凰三山の稜線を高く見上げるようになった頃,野呂川にかかる吊り橋に到着です。ここを渡れば広河原はすぐ。無事下山です!

広河原に到着したら,まず甲府行きのバスのチケットを買っておきます。
そのあと広河原山荘でシャワーを浴びてサッパリしました(10分800円だったかな?)。そして山荘の食堂でプハー。生き返ったよー!

ラーメンも食べたかったけど売り切れ,残念!代わりにポテトフライをオーダーしてビールの肴にしました。「山では食べられない」と言いつつ,下山した途端に食欲が出るのはどうしたわけだろう。
そのあとロビーに置かれている山の雑誌を読んだりしてバスの時間を待ちました。
おわりに
南アルプスの中央部と北部とを繋ぐ縦走は,ガッツリ歩きごたえがありました。キツかったけどたくさん歩けたので満足です。
巨大な山々が連なるスケールの大きな山域。やっぱり南アルプスはいいですね。
2日目朝,塩見岳でガスに包まれたのは残念だったけど,それ以外はまずまず天気にも恵まれたかな。
今度塩見岳を訪ねることがあったら,蝙蝠尾根を歩いてみようかな。
3日目記録
北岳山荘 (4:35) – 中白根山 (5:05–5:45) – 北岳山荘 (6:15–7:10) – 北岳 (8:35–9:15) – 肩の小屋 (9:55–10:05) – 小太郎尾根分岐 (10:45) – 白根御池小屋 (12:20–12:40) – 広河原 (14:45)
休憩を除いた総行動時間 7時間25分
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