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【南アルプス南部】聖岳-赤石岳-悪沢岳縦走 #2 1日目:聖沢登山口から聖平小屋まで

縦走1日目


前記事,「【南アルプス南部】聖岳-赤石岳-悪沢岳縦走 #1 長いイントロと長い長いアプローチ」の続きです。

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今回は縦走1日目のお話です。初日は聖沢登山口から聖平小屋まで。

縦走といっても,この日は樹林帯を歩くことに終始します。

1日目は聖沢登山口から聖平小屋まで

1日目は聖沢登山口から聖平小屋まで

南アルプスらしいワイルドな道でしたが,豊かな沢の水,美しい苔とシダの道など,懐かしさを感じるような風景にも出会いました。

聖沢登山口から入山です!

畑薙から椹島へ向かうバスは,乗るときにお願いすると,少し手前の聖岳の登山口で降ろしてくれます(帰りの畑薙行きはここで止まってくれないので注意)。

バスをここで降りたのは僕一人。他はみんな椹島へ行ったようです。

登山口に「クマ注意」と書かれていたので,クマ鈴を出してザックにつけます。聖平までの標準CTは6時間35分(山と高原地図で)。暑いけどコースが沢を何度も横切るので,水は1 Lでスタートです。

4日分の食料を詰め込んだけど,ザックの重さは12.9 kgでおさまりました(水を含めて)。さあ,がんばりましょう。

針葉樹林帯

登り始めは針葉樹林帯

登り始めはヒノキの植林の中を登ります。ふむ,奥多摩みたいな雰囲気。

ここから聖平までは,急登と沢沿いのトラバースを繰り返す感じの道になります。

登りの途中で斜面の縁を歩き,「こりゃ落ちたらタダでは済まないな」という場所もありました。でも道はしっかりしているので問題ありません。

谷底

落ちたらタダでは済まないところもあります

少し登ると照葉樹林帯になりました。

南アルプスの深い森が,夏の日差しを遮ってくれます。まだ標高が低くて暑いので,これはありがたい。

急登は続く

急登は続きます

1時間弱登ると,道は聖沢を見下ろしながら谷筋をトラバースするようになります。そして枝沢を何度か横切ります。

いずれも清冽な水で,南アルプスの山々が膨大な保水力を有していることがよくわかります。

時々沢を横切ります

トラバース道は時々沢を横切ります

桟橋や吊り橋…ワイルドな道です

トラバース道を進んでいくと,こんな桟橋が現れるようになってきました。

こんな山深いところに,よく資材を運んで整備してくれたものです。

桟橋も出現

またまた桟橋が現れました。でも,この桟橋,手すりがめちゃくちゃになってますね。落石にやられたってことですよね。ガクブル。

ここが荒ぶる山の一角であることが,こんなところからも感じられますね。

再び桟橋が現れますが…

そして渡っていくとこの通り。桟橋自体もボコボコにされています。うわあ,どんだけひんぱんに落石が起こってるんだろう。

ここは一休さんよろしく(?)橋の真ん中は通らず,両橋に足をかけてそろりそろりと進みました。

落石のせいかボコボコです

続いて現れたのは吊り橋。地図で「聖沢吊り橋」と記されているところです。南アルプスには吊り橋が多いですね。農鳥岳も北岳も,吊り橋を渡って入山したっけ。

ここは結構揺れるので,ワイヤーにつかまってゆっくり渡ります。

聖沢吊り橋

聖沢吊り橋

ところで写真で,ロングスパッツ(ゲイター)をつけているのがわかるかと思います。

これは聖岳にヒルが生息しているという話を聞いたので,念のためにつけているんです。肌を露出しないように,暑いけど長袖のシャツを着て,ヒル忌避剤(↓これ)もつけました。

「ヒル下がりのジョニー」名前にグッときます(笑)

でも結局,聖平小屋に着くまで,ヒルには一匹も出会いませんでした(ゲイターも途中で外しました)。余計な荷物を増やしちゃったな。

カウントダウンの標識

カウントダウンの標識があります

吊り橋を渡ると再び急登。「聖平小屋まで 3/7」カウントダウンの標識に励まされながら進みます。

途中から「レスキューポイント」の看板も現れるようにあります。万が一怪我をして動けなくなったら,今いる地点を「S-38」などのポイントで示すわけです。ただし携帯の電波は通じませんが。

ここで4/7

南アルプスの清冽な水と苔の道

何度目かの沢を横切るポイントを通過します。緑と清冽な水の流れが本当に清々しい。

ここで顔をザブザブ洗って,火照った体をクールダウン。

深い森から流れ来る沢が美しい

急登を経て,標高が上がってくると,苔とシダの道になりました。

初めての山域ですが,奥秩父や八ヶ岳に通じる雰囲気があって,不思議に懐かしさを感じます。

苔に懐かしさを感じる

苔に懐かしさを感じる

ただ違うのは,樹木の根元が横に伸びていることでしょうかね。これは冬季の積雪量が多いことを示しています。

苔とシダの道

標高が上がると苔とシダの道に

キノコも元気です。

これはベニテングタケですかね。毒があるけど塩漬けにして食べる地方もある(”あった”というべきかな)らしい。毒成分のイボテン酸が強い旨みを持つんだとか。試してみる気にはなれませんが(汗)。

ベニテングタケ

なおも進むと2つ目の吊り橋。ここも結構揺れるのでソロリソロリと。怪傑ソロリと呼んでちょうだい

再び吊り橋が出現

再び吊り橋が出現

この辺りも谷(聖沢)に沿ったトラバース気味の道。

こんな崩壊気味の場所もあります。お助けロープにつかまりながら,慎重に通過。谷底は深いのでね。

崩壊したトラバース道

崩壊したトラバース道も

聖岳の稜線が見えてきました

標高2000 mを過ぎたあたりに「岩頭滝見台」という道標があって,右側に少し登る踏み跡があります。

行ってみましょう。その名の通り,谷に向かって突き出した岩の頭に登ります。

岩頭滝見台から聖岳の稜線

岩頭滝見台から聖岳の稜線

ここで聖岳の稜線とはじめてご対面!まだはるか上ですが,心が躍ります。

そしてその斜面には,2筋の沢が流れ落ちています。

右側が「奥聖ノ滝沢」。この沢に,とんでもなく大きな落差を持つ滝がかかっていました。地図に「明光の滝」と記されている滝のようです。

明光の滝

明光の滝かな?

その左側にも大きな滝が半分くらい姿を見せています。こちらは「前聖ノ滝沢」。谷が深く切れ込んでいて,ゴルジュ状になっているのがここからも伺えます。

「前聖ノ滝沢」

「前聖ノ滝沢」にも滝が見えます

ここで南アルプスのスケール感を,束の間感じることができた気がします。明日歩く聖岳の姿を伺うこともできたので満足。

さて,再びトラバース道に戻って聖平小屋を目指しましょう。

聖平小屋に到着

滝見台のあと,道は水平移動に近くなり,聖沢の河岸が少し開けてきます。その後も枝沢を横切りながら進んでいくと,フルボッコにされた橋が現れます。

…この沢は増水したら,どんだけ荒ぶるんだろうか(汗)。

聖平小屋は近い

ボコボコになった橋が現れると聖平小屋は近い

ともあれ,この橋を渡って少し進むとこの看板。

「Welcome to 聖平 長い道のりおつかれさまでした」

うん,6時間弱の行動でしたが意外に疲れました。昨晩はあんまり寝てないからね。

Welcome

Welcome to 聖平!

聖平小屋に到着です。標高2260 mの樹林帯にある清潔な山小屋。今日の行動はここまで。

さっそくテント泊の受付をしてテントを設営します。右側の黄色いのがワタシのお家。

聖平小屋に到着

聖平小屋に到着!

テント場はペグがよく刺さるタイプの地面だったので,ペグを打ってアンカーを取りました。

この山小屋(テント場)は,水が豊富で過ごしやすいです。顔を洗ったりタオルを濡らして体を拭いたり。はぁ〜,さっぱり。

トイレは小屋とは別棟であるのですが,衝撃的なキレイさ。なんと水洗トイレです!これはびっくり。

聖平を散歩します

小屋の裏手には,聖平の湿原が広がっています。

時間があるのでお散歩してきましょう。…ここは携帯の電波が入るというので(山小屋の人に教えてもらいました),明日以降の天気も確認しておきたいしね。

聖平湿原

聖平湿原

湿原に木道が続きます。両側には立ち枯れた木が,最果てっぽい雰囲気を醸し出しています。

山深いところに入ってきた実感が湧いてきましたぞ。

聖平は標高2200 m

聖平は標高2200 m

天気予報は,この段階で2日目,3日目は良さそう。4日目も午前中はなんとか持つかな?といった感じです。イケそうですね!

聖平テント場

1日目夜は静かな樹林帯で休みます

のんびり散歩してテントに戻りました。夕食をしっかり食べて,食料を軽くしたいと思います。

アルファ米とタイカレーに加えて,カルパスやチーズなどでタンパク質を補給。

今日は早めにシュラフに入ります。ここまでの登りだけじゃなくて,夜通し運転した疲れも癒さないとね。

おやすみなさい zzz…

2日目はいよいよ稜線に上がります!

 

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1日目記録

聖岳登山口出発 (8:45) – 聖沢吊り橋 (10:15–10:25) – 2つ目の吊り橋 (12:50) – 岩頭滝見台 (13:30–13:35) – 聖平小屋 (14:55)

休憩を除いた総行動時間 5時間55分

 

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