曼珠沙華が咲き始めました
9月も下旬になり,やっと涼しくなってきました。それとともに,道端に曼珠沙華が咲いているのを見かけるようになりました。今年は今月の中旬まで暑い日が続いていたせいか,曼珠沙華の開花が遅かったようです。お彼岸には間に合いませんでしたね (^◡^)
例年この時期は埼玉・日高市の巾着田に行って群生する曼珠沙華を見るのが楽しみでした。でも今年はコロナ禍で巾着田の彼岸花祭りが中止となりました。さらに人が集まるのを避けるために,開花前の曼珠沙華を刈り込んだんだとか。花を大切に育ててきた方々にとっては断腸の思いだったに違いありません。心中お察しします。
以前は,曼珠沙華ってちょっと怖いイメージがあったんですよ。ところが巾着田の曼珠沙華を見て,そのイメージはガラリと変わりました。あまりの神々しさに圧倒されて,「まるで天上の花!」と感じるようになりました。
また去年は福島・二本松の安達ヶ原ふるさと村で曼珠沙華を見てきました。鬼婆伝説が残る地の曼珠沙華は,とても雰囲気がありました。
今年はまだ遠くに出かけてはいないのですが,この間都内で曼珠沙華の花を撮ってきました。有名な群生地ではありませんが,真っ赤な花はやはり美しく,この花がかもし出す独特な雰囲気に包まれながら歩いた時間となりました。
小雨に濡れる曼珠沙華
今回出かけたのは目黒区の某所。僕の以前の職場の近くです。この日は小雨が断続的に降っていましたが,雨に濡れた花もきれいそうです。
緑色の草むらのところどころに赤く染まった一角があります。曼珠沙華が咲いている場所は,遠くからでもすぐにわかります。
小雨を受けて,曼珠沙華の花は雨の雫をつけています。こういうのをシズル感というのでしたっけ。仄暗い中で真紅に輝いているようです。
まだつぼみもたくさんあります。全体として五分咲きくらいの感じでしょうか。曼珠沙華って気温が20度くらいになると花茎が一気に伸びてくるんでしたっけ。今年は9月に入ってもしばらく暑かったから,やっぱり開花が遅いんでしょうね。
日高の巾着田にはさすがに及びませんが,花が群生している一角もあります。仄暗い小雨の日ですが,その周辺は神々しく輝いているように感じられます。
その花びらを近くでじっくり見ると,雨粒が光っているのがきれいです(上の写真の一部拡大です)。
それにしても深い赤です。曼珠沙華の花って,直射日光を受けている時には朱色に近い赤に見え,小雨の仄暗い光の中ではうっすら青みがかった赤に見える気がします。
白花もきれいです
曼珠沙華と言えば,その真っ赤な色が印象的ですが,赤い花に混じって白花の株もあります。これも繊細な感じがしてきれいですね。
こうやって白花をじっくり見ると,花びらの中心にうっすら黄色い部分があって,曼珠沙華がユリ科の植物であることがよくわかりますね。曼珠沙華は英語で lycoris ですが,語頭の「ly」は「lily」の ly でしょうか。
寄って見ると,白い花もやはり雨の雫を宿しています。
光差す
あっちの花,こっちの花と写真を撮りながら歩いていたら,一瞬晴れ間が出て曼珠沙華を照らしました。まるでスポットライトが当たったように,花が存在感を主張しています。
こちらは「光の曼珠沙華」。周りの草むらが陽の光を受けて,明るい雰囲気です。こういうのもいいですね。背景のボケがちょっと不思議な感じになりました。
曼珠沙華を眺めながら歩くと…
はじめに「曼珠沙華は以前怖かったけど,イメージが変わった」と書きました。でもやっぱり(「こわい」とは違うけれど)とても個性的な雰囲気のある花であることには違いありません。


曼珠沙華を眺めながら歩いていると,心が落ち着いて,なんだか深い思索をしたくなるような気持ちになります。僕は煩悩で満たされた人間ですが(笑),この花はそういうあれこれから離れたところに連れて行ってくれるような気がします。他の「可愛らしい花」とは違う,唯一無二の存在と言ったらよいでしょうか。…やっぱり「天上の花」なんでしょうかね。
おわりに
ここ数年,僕は曼珠沙華の花が咲くのを見て秋を感じるようになりました。群生した曼珠沙華も神々しくてきれいですが,田んぼのあぜ道に咲く彼岸花(この場合は「彼岸花」と呼びたくなります)も秋を感じさせていいですね。
来月から福島での仕事が再開するので,そちらで田園風景の中の彼岸花を見ることができたらいいなと思っています。
ところで…曼珠沙華の花って,仮面ライダー電王のモモタロスに似てるような気がするのは僕だけでしょうか?(^ ^;)
関連記事