なかなか天気が安定しなかった今年の夏。8月下旬に北アルプスを歩いてきたけど,けっこう雨に降られて辛かったな…。
それで天気のいい日にもう一度北アルプスに行きたいと思っていました。
天気予報と睨めっこしていたら,先週末は天候が安定しそうな雰囲気だったんですよね。これはいくしかない!
ふたたび槍に行こうかな
はじめに考えていたのは,白馬の不帰キレット。ただもう10月に入るので,白馬の方は降雪があったり,岩に氷がついていたりという心配もあります。
凍りついたキレットはちょっと怖いな…。
やっぱり槍ヶ岳にリベンジしてこよう。1ヶ月前に登った時は,雨で何にも見えなかったからね。
この時は双六小屋から入って,西鎌尾根経由で槍ヶ岳に登ったんですけどね。今回はルートを変えて,南岳新道で南岳に登り,中岳,大喰岳と縦走して槍ヶ岳にアプローチすることにします。2泊3日の行程。
装備は,軽量三脚を買ったのでひと月前よりもさらに軽量化できて,12.0 kg となりました。ここまでくると,背負った時に「あっ,軽い!」と感じますね。
9月29日木曜日。仕事を終えたら一旦うちに帰って,山登りのいでたちに着替えて新宿へ。夜行登山バス「毎日あるぺん号」に乗って新穂高へ向かいました。
1日目記録
新穂高発 (6:30) – 道を間違えて再び新穂高 (6:55) – 穂高平小屋 (7:50–8:00) - 白出沢出合 (8:40) – 滝谷 (10:10–10:30) – 槍平小屋 (11:20–11:50) – 南岳新道 2500 m地点 (14:00) – 南岳小屋(16:30, テント)
新穂高から槍平小屋へ
ひと月前とは違って,今日の新穂高はスカッと快晴!西穂高の稜線が朝日を浴びています。いやあ,こんな空を見たかったんだよ!
新穂高登山センターで登山届を提出して,歩き始め…たのですが,ちゃんと確認せずに左俣林道に入ってしまいました。しばらく歩いてから「あれ?これは双六方面に行く道だ」と気づいて引き返しです。
改めて正しい右俣コースに入りましたが,25分くらい損しちゃったな。これは痛い。ちゃんと確認しないとダメですね (^ ^;)。
まず目指すのは槍平小屋。道は穂高の西麓に続いています。1時間45分くらい歩いて白出沢,さらに30分歩いて滝谷。穂高から流れる沢を横切りながら進みます。
滝谷の上部は「鳥も通わぬ滝谷」と言われ,谷川岳,劔岳とともに「日本三大岩場」とされたところ。見上げると確かに壮絶です。
新穂高から3時間ちょっと歩いたところで槍平小屋。ここで大休止,お昼ご飯を食べます。
南岳新道を登る
さて,槍平小屋からまっすぐ進むと槍ヶ岳方面,右に折れると南岳へ向かう「南岳新道」に入ります。今回はここを右へ。
槍平小屋の標高は約 1980 m,南岳小屋は3000 m。標高差 1000 m を一気に登ることになりますね。
南岳新道に入るとすぐに南沢を渡ります。ここで上の方を見上げると…「え,ホントにこれを登るのぉ?」(汗)。
ビビっていると,上からマッチョなお兄さんが降りてきたので「上の方はどんな感じですか?」と聞いてみたら,「無茶苦茶しんどかった!」という答え。えぇ…。
登山道は南沢を渡り,左岸(上流から見て左側)の尾根に取りつきます。するといきなりクサリ,ハシゴが連続する急登になりました。これはなかなか手強い!
ところどころ高度感を感じる場所もあって,前穂の重太郎新道みたいだと思いました。
時々木の間越しに向かい側の尾根が見えます。木々も少し色づいています。
南岳新道に入って2時間くらい登ったところで標高2500 m。視界が開けて,夏に歩いた双六岳方面が見えてきました。
強烈な登りはまだまだ続きます。
標高が上がってきて呼吸もしんどくなってくる中で,両手両脚を使って登るのは本当にキツい。右側に北穂高岳が見えてきて少し元気が出ますが,ペースもだんだん落ちちゃいます (^ ^;)。
それでも何とか標高2700 mまで来ました。尾根に木道がかかり,南岳カールが眼前にドーンとその姿を表します。でかい!
この木道の少し先には,カール内へ降りて行くハシゴがかかっています。またカールの中には,稜線へ向かって登っていく道も見えました。
それにしてもこのカール,すごくでかいんですが(↑ は3枚の写真をパノラマ合成しています)。カールに入ってからの登りも相当ボリュームがありますね,こりゃ。
南岳小屋に到着
ハシゴを下ってカールに降り立ち,岩につけられたペンキ印を辿って南岳小屋に向かいます。モレーンの登りは,ここまでの鎖の連続よりは歩きやすかったかな。
16時30分,南岳小屋に到着。しんどい登りでした!
テントを設営したら「獅子ケ鼻」に行って大キレットと穂高連峰を眺めます。夕暮れの中,穂高にはガスがかかったり北穂が姿を見せたり。
さてさて。南岳にテントを張った目的の一つ,大キレットの観察です。長谷川ピークは見えませんが,飛騨泣きがすごい傾斜です。というか,垂直に近い岩壁に見えます。大キレット越えをするには,あれを登らなければならないのか…。
来年あたり行けたら…と思っているのですが,はてさて。
シュラフに入って明日に備えます
晩ご飯はアルファ米の五目ご飯と酸棘湯スープ。アルファ米が戻るまでの間,カルパスとチーズを齧ってタンパク質の補給(兼・チューハイのおつまみ 笑)。
そのあと星の写真を撮ったのですが,それはまた別の記事で。
この夜はかなり冷え込みました。リミット–4°C のシュラフでしたが,夜中に一度寒くて目が覚めたくらい。山では,下界よりも一足早く季節が進みます。
明日も天気が良さそう。ご来光に染まる穂高連峰を見るのが楽しみです。
おやすみなさい zzz…。
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