この夏,札幌に帰省しました。母親の手術などもあって,両親のフォローに帰ったわけですが,その際チョー久しぶりに高校時代の友人と集まって飲みました。
「高校生の頃,スウェーデン民謡を歌ったよね♪」という話をしていると,一人が「スウェーデンソングコンテストというのがあるよ。出てみない?」
最初は軽いノリで「出てみようか?とりあえず集まって歌ってみる?」なんて話してたんですけどね。
あれよあれよという感じで話が進み,本当にコンテストに出場することになりました。8人のチームで,チーム名は「音楽集団ずぼらーず」 (^◡^)*1。
その後集まって練習すること3回(僕はそのうち1回をzoomで参加),とうとう当日を迎えました。
*1 ずぼらーず名義の活動はちょいちょいやってまして,楽器と鳴らしてみたり結婚式で歌ったりしていました。
- スウェーデンソングコンテストについて
- 鳥のように楽しく – Glad såsom fågeln
- 乙女とはしばみの対話 – Och jungfrun gick åt killan
- ふたりだけの牧場に – Uti vår hage
- 来年も出たいなあと思ってる話
- おわりに
スウェーデンソングコンテストについて
このコンテストは北海道スウェーデン協会が主催。今年で4回目です。北海学園大学の学生さんスタッフが運営に当たってくれました。
「コンテスト」とは言っても,歌ありパフォーマンスあり,コスプレ (?) ありのゆるくて楽しい催しです。
北欧の「久遠の憧れの国」スウェーデン。長い冬の後にやってくる,花咲く春の草原。そんな雰囲気を感じて歌ってみたい!
各団体持ち時間10分なので,トークと合わせて3曲歌いました。僕もテノールパートを歌いましたヨ。
鳥のように楽しく – Glad såsom fågeln
1曲目はグスタフ王子が作曲した「鳥のように楽しく (原題 "Glad såsom fågeln")。
春の森に,小鳥のさえずりが聴こえてくるような曲調。まだ見ぬスウェーデンの春が目に浮かんでくるようです。
演奏は…まあ。雰囲気だけでも感じ取ってもらえればと。
歌詞の中で「夜明け告げるツグミよ」という一説があるんですが,ツグミってあんまり囀らないイメージですよね。ただ日本ではツグミは冬になると北方から渡ってくる冬鳥ですが,スウェーデンでは逆で春に帰ってくる夏鳥なんだそうです。あったかければ囀るのかな?
余談ですが,グスタフ王子は 1827–1852 ってなっています。ずいぶん若いうちにお亡くなりになったんですね。
乙女とはしばみの対話 – Och jungfrun gick åt killan
乙女が水を汲みに泉へ出かけていき,はしばみの樹と対話するという歌。
スウェーデン南部,スコーネ地方の民謡です。
この曲は僕たちの演奏ではなく,PCで出した音源に歌詞の字幕をつけてお送りします。
はしばみ(榛)はカバノキ科の落葉低木。スウェーデンに自生しているものはセイヨウハシバミで,ヘーゼルナッツの木ですね。
この動画は,人形劇キャラのプレートを含めてメンバーの「ばちこ氏」が作りました。可愛らしいでしょ?
本番ではみんなでこのプレートを持って歌ったんですが,歌いながらいろいろ演出するのは難しい!こんがらがっちゃうんだよね(笑)
ふたりだけの牧場に – Uti vår hage
3曲目は「ふたりだけの牧場に」(原題 "Uti vår hage")。ゴットランド地方の民謡で,スウェーデンでは広く歌われている曲です。
この曲は,英語版のWikipediaに,こんなふうに書かれています。
"Uti vår hage" (「私たちの草原で」) は、1880年代のある時期にフーゴー・ルットマンによってゴットランドで初めて発表されたスウェーデンの伝統的な民謡であるが,その起源は1600年代まで遡るとも考えられている。
この曲は1890年代に広く出版されるようになり、この10年間にスウェーデンで民俗伝統への関心が高まったことと関連している。この曲はスウェーデンの民衆によく知られ続け,合唱団によって頻繁に演奏され,一般的に学童に教えられる「国民的な歌の宝物」と評されている。
この曲は,他のスウェーデンの伝統的な歌に混じって,ワルプルギスの夜によく演奏される。
「国民的な歌の宝物」うっひゃぁ〜 \(^o^)/
動画の最初と最後のイラストもばちこ氏の作品です。仲間内でいうのも何だけど,この絵は大好き。スライドショーの写真は「まどか氏」と僕によるものです。
コンテストのあとの懇親会で,スウェーデンから来ているJonasさんに,「この曲は夏至祭で歌うんだ。僕も学校で習って歌ってた。今回 Uti vår hage が聴けるとは思わなかった!」って言われました (^◡^)。
来年も出たいなあと思ってる話
かくしてコンテストは無事終わったわけですが,あんまり楽しかったので「来年も出たいね」と盛り上がっています。
歌う曲の候補はいくつかあります(昔歌ったスウェーデン民謡はいっぱいあるのでね)。他の曲に加えて,「ふたりだけの牧場に – Uti vår hage」をスウェーデン語で歌いたいなあというのが今の希望。
スウェーデンのコーラスグループ Kraja による Uti vår hage ↓
そんなわけで,スウェーデン語の発音をチュートリアル動画を見ながら練習している今日この頃です。原語で歌うと日本語とは違った美しさを感じられるんですよね。
ちなみにスウェーデン語はドイツ語と同じゲルマン語に属するけど,響きはもっと柔らかく,「まるで歌っているようだ」と言われる言葉なんだとか。
うーん,ますます憧れちゃいますなあ。
おわりに
演奏はツッコミどころがいっぱいですが,チョー久しぶりに歌ったので(ン十年ぶりです)見逃してください(汗)。
コンテストは最後に参加者全員で,ABBAのダンシング・クイーンを歌って終了です。
北海道の当別町では,夏になるとスウェーデン協会による夏至祭が開催され,伝統のザリガニ料理も振る舞われるんだとか。
ザリガニを食べながら Uti vår hage を歌いたいねえ。
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↓スウェーデンの伝統工芸品ダーラナホース。会津の赤べこに通じるものを感じます