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狼の里・丹波山村で星座写真を撮ってきました

冬の星空@丹波山村


先日,山梨県・丹波山村で星空の写真を撮ってきた時の記録です。この記事の続きでもあります (^◡^)。

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丹波山村の星空,東京方向の東側はやや明るいですが,それ以外はとてもきれい。「満天の星空」と言って良さそうです。

この日丹波山を訪ねたのは,いま限定のアステリズム「冬の超特大三角」を記録しておくことに加えて,とある星雲を長時間追尾して撮りたかったからなんです。

さて,どうなりますか。

赤道儀が動かなーい!

場所は「道の駅たばやま」の駐車場の一角。三脚を立て,自作赤道儀「ふくろう号」(名前がダサい?笑) を載せて素早く極軸合わせをします。

自作赤道儀「ふくろう号」

自作赤道儀「ふくろう号」

続いてカメラを対象の星雲(どの星雲を狙っていたかはナイショにしておきます 汗)にカメラを向けて,赤道儀のスイッチオン!

…スイッチオン!…オン!…オン

あれ?赤道儀がうんともすんとも言わない。ちゃんと回ればステッピングモータのカチカチという音が聞こえるはずなんですけど。

電池を入れ替えてもダメ。どうした?

残念ですが,今日は赤道儀の機嫌が悪いみたい。ということで,追尾撮影は諦めます。

以前からちょくちょくこういうことはありましてね (これが山に赤道儀を持って行かなくなった理由の一つでもあります)。その度に「市販の赤道儀を買っちゃおうか?」とも思うんですが,それは何かに負けるような気がする…

ペルセウス座〜カシオペア座の天の川

ペルセウス座〜カシオペア座の天の川

とりあえず固定撮影で北天の天の川を撮って,しばし考えます。さて,どうしましょうかね。

星座写真を撮りましょう

今回は35 mm(FF換算52.5 mm)F1.8のレンズを持ってきています。一つ一つの星座がちょうど収まるくらいの画角でしょうか。

「星座写真」を撮ってみましょうか。赤道儀が動かないので固定撮影で連続して撮ったものを無理やりスタックするという,まあ邪道な方法です。…突っ込まないでね(汗)。

ペルセウス座

初冬の空を飾るペルセウス座。「ペルセウス座流星群」の名前で知られるほかは,注目度はそれほど高くないかもしれません。これは周りに華やかな星座が多いためかな。

ペルセウス座

ペルセウス座

でもこの星座には二重星団 h-χ やカリフォルニア星雲 (NGC1499) があって,見応えがあります。α星(ミルファク)の周りにも小さな星が集まっていますが,実はこれも散開星団,Mel20です。

ペルセウス座(星の名前入り)

ペルセウス座(星の名前入り)

ペルセウスの足元には,プレアデス星団(すばる)M45もあります。M45 の青とカリフォルニア星雲の赤は,美しい対比で初冬の空を彩っています。

個人的にはけっこう好きな星座です。

ぎょしゃ座

冬の天頂付近で誇らしげに輝く一等星カペラ。そのカペラを含む,将棋の駒のような五角形がぎょしゃ座です。

今は近くに木星がいて,写真では目立っていますが,実際に見るとカペラの輝きも負けていません。

ぎょしゃ座

ぎょしゃ座

ぎょしゃ座は冬の天の川の中にあって,星がにぎやかです。M36, M37, M38 の散開星団も写ってますね(左上の方にはふたご座のM35も)。"勾玉星雲" こと IC405 は心眼で見ると見えます(笑)。

ぎょしゃ座(星の名前入り)

ぎょしゃ座(星の名前入り)

おうし座

今おうし座には木星がいて,むちゃくちゃ明るいです。この写真でも目立ちすぎちゃってますね。まるで月が写っているようです(汗)。

おうし座

おうし座

おうしの顔に当たるのが,一等星アルデバランを含めて星がV字型に並んだヒアデス星団 (Mel25)*1,おうしの肩にあるのがプレアデス星団,M45です。

無理やりカリフォルニア星雲を入れる構図にしたら,星座の一部が見切れちゃった。今度もう少し画角の広いレンズでちゃんと追尾して撮影したいかも。

おうし座(星の名前入り)

おうし座(星の名前入り)

プレアデス星団とカリフォルニア星雲の間には複雑な分子雲が広がっています。写真でも背景に微妙な濃淡が見えますが,これは分子雲が少し写っているのかな?これも追尾撮影&長時間露光してちゃんと写してみたいですね。

*1 実際には,アルデバランはヒアデス星団よりもずっと手前にあります。星団の一部のように見えるのは,見かけ上重なっているからです。

おおいぬ座

この写真は以前の記事にも載せたんですが,気に入っているのでまた入れちゃいます(笑)。

ここ丹波山村は奥多摩山塊・七ツ石山の麓にある静かな村です。七ツ石山の頂上には小さな神社があり,御眷属の狼像が祀られています。

そう,ここは狼信仰が息づく,狼の里なんです。

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そんな丹波山の森の上に,青白く輝く天狼星シリウス。この星がギラギラと瞬くとき,森を駆ける狼の声が聞こえてくるようです。

おおいぬ座

おおいぬ座

おおいぬ座のシリウスは,全天で最も明るい恒星です。Sirius とはギリシア語で「焼き焦がす者」という意味だとか。シリウスの下には,散開星団 M41 も写っていますね。

またε星アダラ (adhara) は視等級 1.50,”2等星の中では一番明るい星” です。「一等星になりそこねた星」と言ってもいいのかな。

おおいぬ座 星の名前入り

おおいぬ座 星の名前入り

おおいぬ座の下の方には,りゅうこつ座のカノープスがいるはずですが,ここでは山の影になって見えていません。ちなみにカノープスは,シリウスに次いで2番目に明るい恒星です。

 

撤収します

赤道儀が動かず,ちょっと苦い思いを抱えながら撤収に入ります。丹波川の岸辺で,セルフポトレも一枚。

夜が明ける前に帰路につきましょう。青梅街道,新青梅街道の渋滞にハマらないようにね。

星空セルフポトレ

星空セルフポトレ

ところで実は今回,星空写真の画像処理で,今までとはちょっと違うやり方をしてみました(使うソフトも変えています)。

そのあたりは別の機会に書こうと思います。

おわりに

なんとなく「星座写真」を撮って帰ってきたわけですが,ホントはこれらもちゃんと追尾して撮り直したいですね。天体改造していないノーマルカメラですが,それでも長時間露光+多数枚スタックをするともっといろいろ写ると思うので。

今思えばふたご座も撮っておくべきであったか。来年は木星がふたご座に移動して「目立ちすぎ」になってしまうのでね。

ところで赤道儀がちゃんと動いたら,どの星雲を撮りたかったのか?…それは内緒にしておきましょう (^ ^;)。

いま赤道儀を分解して,動かない原因をあれこれチェックしているところです。

 

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↓ 新編には七ツ石神社の再建のことも取り上げられているようです