
前記事「【北アルプス】黒部源流域の山々を歩いてきました:day3 黒部五郎岳,北ノ俣岳を越えて薬師岳山荘へ」の続きです。
縦走最終日。この日は薬師岳を往復したのちに,一気に折立に下山します。
薬師岳は北アルプスの西の方に立つ2926 mの山で,花崗岩の白い山肌と幾つかのカールを抱えた優美な山容から,「北アルプスの女王」と呼ばれています。その大きな山体は遠くからでもよく目立ち,針ノ木岳で見た時から「いつか登りたい」とずっと思ってきました。何しろ女王さま好きですし (id:toyamayama)。

また下山したあとは折立からバスで富山に出て,重大なミッションを果たします。…富山駅の激ウマ回転寿司「すし玉」さんで,去年食べそこねたベニズワイガニをいただくのです。
ある意味,これがメインイベントだったりして(笑)。
- 薬師岳と星空
- 薬師岳の夜明け
- 薬師岳を下る
- 太郎平小屋で息を整えます
- それでは下山にかかります
- 富山に出て「天然温泉・剱の湯」に入ります
- 富山駅「きときと市場とやマルシェ」すし玉さんで回転寿司をいただく
- おわりに
- 4日目記録
薬師岳と星空
最終4日目。午前3時に起き出しました。外に出てみると,きれいに晴れ渡っています。あいにく月齢22の月が明るく輝いているのですが,星空をちょっとだけ撮影しておきましょうか。
こちら薬師岳に昇ってくる冬の星座たち。薬師岳東稜に,ちょうどオリオンが昇ってきたところです。

オリオンの左からうっすらと伸びている光の帯は,もしかして黄道光かな?
西側は富山市の街明かりが明るいですね。でも夏の大三角とわし座〜はくちょう座にかけての天の川がちゃんと写りました。

さて,夜明けまであと1時間くらい。そろそろ歩き始めましょうか。今から登ればご来光には間に合いそうですね。
薬師岳の夜明け
一夜を過ごした薬師岳山荘を後にして,ヘッドランプをつけて薬師岳頂上を目指しましょう。風化した花崗岩の山肌を踏みしめて登ります。特に問題になるところはありません。
順調に高度を稼ぎ,45分ほどで薬師岳 (2926 m) に登頂しました。立山の阿弥陀如来に対応して,薬師如来が祀られている頂上です。
山頂には何人かの人がご来光を待っています。東の空に浮かぶ雲がオレンジ色に輝き始めるので,「左のほうかな?右のほうかな?真ん中じゃない?」なんて会話が飛び交います (^◡^)。

4時59分,ご来光です。太陽は,ちょうど後立山連峰の針ノ木岳・蓮華岳の右から昇ってきたようです。
陽が昇ると,カールに光が差します。ここ薬師岳の圏谷群は,国の特別天然記念物に指定されています。

写真はそのうちの一つ,「金作谷カール」。カールの底に,モレーンが盛り上がってW字を描いているのが見えます。どうしてこんなパターンができるんだろう?不思議です。
北薬師岳の向こうに,立山と剱岳も朝を迎えているようですね。ちょっとアップにしてみましょうか。

剱岳の稜線が針山地獄のようにギザギザしているのが,遠目にもよくわかります。
こちら東側,野口五郎岳〜水晶岳。あっちからここまでずっと歩いてきました。最終日の朝,自分が歩いてきた山々を眺めることができて,感無量です。

南東には槍・穂高連峰。北アルプスのどこから見ても目を引かれる,ランドマーク的存在です。北アルプス西端の薬師岳から見てもよく目立ちます。

こちらは南側,登ってきた尾根です。まだ低い太陽の光に,山々の陰影が浮かび上がります。やっぱり山の上で迎える朝は特別なんです。

下界は雲海の下。山の上だけ雲抜けしているようですね。夏山では午後になって気温が上がると,この雲が上がってきて,稜線がガスに包まれます。

西を見ると,今いる薬師岳の影が雲に写っています。「影薬師」ですね*1。そしてその向こうには,加賀白山が見えています。花の名山と称される白山,いつか行ってみたいものです。
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*1 自分がいる山の影が雲海に映る光景は,穂高と悪沢岳でも見ました。いつ見ても神秘的だと思います
薬師岳を下る
さて,山の朝を堪能しました。帰りのバスの時間もありますからね,そろそろ下りましょうか。
帰りは登ってきた尾根をそのまま戻ります。朝の光の中,下りも気持ちいいですよ。

山頂の薬師如来さまにもさよならです。ちゃんと手を合わせてお祈りもしましたよ。何をお願いしたのかは内緒(山の上でも煩悩が抜けないワタシ)。

歩き始めて振り返ると,あっという間に山頂が遠くなっています。やっぱり下りは速いな。

黒部五郎岳と笠ヶ岳が兄弟のように並び立って見えます。両峰は結構離れているんですけどね。圧縮効果ってやつ?遠くに乗鞍岳と御嶽山も見えていますね。

両側が開けた稜線を,リラックス気分で歩きます。開放感がいいですねー。右手には大規模な雲海が広がっていて,まるで雲の上を歩いているみたい。

左手の黒部の谷も,陰影がクッキリと浮かび上がっています。この辺りは本当に山深いところですねえ。

前方には北ノ俣岳あたりの長い稜線。昨日,この稜線を歩いてここまでやって来ました。ホント長かったなあ。

昨日登った黒部五郎岳をアップで撮っておきましょう。頂上から伸びる尾根が,まるで両腕でカールを抱きかかえているように見えます。

しばらく下ると,一夜を過ごした薬師岳山荘が近づいてきました(写真でわかるかな?)。このあたりは緩やかな歩きやすい道だけど,幅広い尾根なので荒天の時は道迷いに注意ですね。

薬師岳山荘の前で靴紐を締め直して,なおも下っていきます。薬師平の湿原を過ぎたら,ゴーロ帯の急な下りが待っているので一旦ストックをしまいます。
薬師峠のテント場を通過したあと少し登り返して太郎平小屋に到着です。
太郎平小屋で息を整えます
太郎平小屋の前はけっこう賑わっていました。これから薬師岳に登る人もいるのかな?ここで最後の下りに備えてひと休み,息を整えます。水も補給しておきましょう。

太郎平小屋の立つ尾根の東側に黒部源流の谷が広がっています。この光景も見納めです。

薬師岳を振り返ると,女王様が佇んでいます。大らかな山容はそのままですが,ずいぶん遠くなりました。さっきまであそこにいたって信じられない。
そろそろ下山です。バイバイ薬師岳,バイバイ黒部源流。
それでは下山にかかります
太郎平をあとにして,折立へ向かいます。下山路は太郎平小屋の広場から西へ続いています。
初めはゆったりとした木道をたどります。行手に水平線が見えているんですが,あれは富山湾かな?海に向かって下っていくっていいですね。この感じは鳥海山以来かな。

あたりは伸びやかな草原。木道が,まるで海まで続くかのように伸びています。ここは単なる下山の通り道ではないですね。気持ちいいですよー。

草原の中を一筋に続く道。この下山路は,前半は緩やかなので気持ちも穏やかに歩けます。その分後半は傾斜がキツくなってくるんですが。

道は大変よく整備されています。これだけ歩きやすいのは,北アルプスだと小池新道や柏原新道あたりでしょうかね。ありがたいことです。

湿原の向こうに薬師岳。ずいぶん遠くなりました。まだ青空です。

歩みを進めると,手前の山の尾根を過ぎて,剱岳が姿を見せました。北アルプス北部のラスボス,どこから見ても目を惹きます。

ここでふと見上げると,ほんのわずかの間に,薬師岳が雲に飲まれてしまったようです。今朝,素晴らしい展望を楽しむことができたのはラッキーでした。まあ予報通りなんですけどね。

やっぱり夏山の好天は朝が狙い目ですね(最近は計画を立てる段階で,なるべく朝早くお目当てのピークに立てるように気をつけています)。
眼下に有峰湖が見えてきました。向こう側から富山湾,山,有峰湖,そしてまた山。下山もまた楽しめるルートですね,ここは。

その後「三角点広場」で一休みし,続いてやや急になった道を下ります(この間,写真を撮らなかったな)。そして10時50分,無事に折立登山口に到着しました!

ここ折立には「折立ヒュッテ」という休憩所(宿泊はできません)と飲み物の自販機,きれいなトイレなどがあります。
水場もあるので,顔をザブザブ洗い,体を拭きました。トレッキングポールや靴もできるだけきれいに洗いました。
ちゃんと人間に戻ることができたので,充実した気分で富山行きのバスに乗り込みましたよ。
富山に出て「天然温泉・剱の湯」に入ります
12時10分に折立を出発したバスは,有峰口などを経由しながら富山駅前へ向かいます。途中で「立山あるぺん村」というドライブインに寄ったのですが,ここではお土産を見て回っただけだったなあ。バスに戻ったら周りの人がソフトクリームを食べていたので「ぐぬぬ」ってなりました(笑)。

バスは2時間弱で富山駅前に到着です。このあとすし玉さんで激ウマ回転寿司を食べるという超重要ミッションが控えているんですが,その前にお風呂に入りたい〜。
ちょっこし富山の街に出てみましょうか。


そこでお邪魔したのが「天然温泉剱の湯 御宿野乃」。ドーミーインホテルに付属の温泉ですが日帰り入浴もできます。1200円だったかな。
駅前から路面電車に乗って「大手モール」下車,徒歩1分です。

ここね,トロリとしたとてもいいお湯で,半露天の湯船もあります。そして湯上がりにはアイスの無料サービスやマッサージチェアもあるという天国のようなところでした。マジで気絶しそうな気持ちよさ。本当に生き返りましたよ。
富山駅「きときと市場とやマルシェ」すし玉さんで回転寿司をいただく
さて今日のメインイベント (?),富山駅のすし玉さんで回転寿司をいただきます (^ω^)。これを楽しみに4日間山を歩いてきました…っていうのは言い過ぎか。
まずは白エビとブリ。去年も食べたんですけどね,ビックリするくらい美味しいんだ,これが。

そして去年注文しそびれたベニズワイガニもちゃんと食べることができました。大満足です。
これでこの山行のプログラムは全て消化しました!満ち足りた気分&ほろ酔いで新幹線に乗りみます。駅で買った白エビビーバーをボリボリ食べながらね。

うちに帰ってからすし玉さんの話をしたら,妻と息子も絶対行きたい!というので,ここにはまた来ることになりそうです。その時は立山黒部アルペンルートで,室堂のハイキング付きかな (^◡^)。
おわりに
天気に恵まれた4日間。黒部源流域の山の深さを肌で感じることができました。この山域は,華やかな表銀座や白馬周辺とは一味違った北アルプスを感じることができるような気がします。
雨に当たることが一度もなくてレインを全然着なかったので(防寒着として羽織ることはありましたが),またまた運を使い果たしちゃったかもしれませんね。それとも薬師如来さまのご加護かな。
山行動画 (11分30秒くらい)
4日目記録
2026年8月6日
薬師岳山荘 (3:55) – 薬師岳 (4:40–5:20) – 薬師岳山荘 (6:05–6:15) – 薬師平 (6:40–6:45) – 薬師峠 (7:10) – 太郎平小屋 (7:30–7:50) – 三角点広場 (9:25–9:35) – 折立 (10:50)
休憩を除いた総行動時間 5時間30分
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