前記事「息子18歳と登る鳥海山・その1––鉾立登山口から頂上御室(鳥海山大物忌神社)へ」の続きです。
登山2日目は,鳥海山の二つの山頂(新山,七高山)に立ったあと,外輪山ルートを辿って下山です。天気に恵まれて,素晴らしい1日になりました!
- 2日目記録
- 頂上小屋で朝を迎えます-晴れた!
- 最高峰・新山に登ります
- 外輪に乗って,七高山にも登ります
- 外輪山の稜線を下ります
- 御浜へ行って鳥海湖のほとりで過ごします
- 鉾立へ下山します
- 温泉に入って一路岩手へ
- おわりに
2日目記録
8月5日
山頂御室出発 (6:40) – 新山 (6:10–6:25) – 頂上御室 (6:40–7:05) – 外輪 (7:25) – 七高山 (7:35–7:40) – 行者岳 (8:15–8:25) – 文殊岳 (9:20–9:30) – 七五三掛 (10:15–10:35) – 御浜 (11:50–12:50) – 鉾立レストハウス着 (14:15)
休憩を除いた総行動時間 5時間10分
頂上小屋で朝を迎えます-晴れた!
鳥海山頂上御室で朝を迎えました!この日は4時に起床です。
山小屋は,テント泊よりもちょっとだけゆっくり寝ていられますね。
小屋前の広場で朝の時間を過ごします。厚い雲は去ったようで,青空が見えています。朝日に染まった雲が流れて,いかにも「山の朝」という感じです。
今日はいい1日になりそう!
ここ頂上小屋で朝を迎えると「影鳥海」という現象を見ることができます。これは朝日を浴びた鳥海山の影が日本海に映るというものです。
この朝は中腹から下にガスがかかっていたので海に映る鳥海山は見られなかったのですが…。うーん,どうでしょうかね,これ↓は雲に鳥海山の影が写っていると見ていいでしょうかね?
最高峰・新山に登ります
さて,今日最初のミッションは,最高峰「新山」への登頂です。鳥海山には「新山」と「七高山」の二つの頂上があるのです。
新山には,小屋に荷物を置いて空身で向かいます。所要時間は1時間弱。新山は岩場が続くので,ストックも置いていきます。
それではいきますか!
岩場を登るとぐんぐん高度が上がって行きます。振り返ると,このあとたどる外輪山の稜線が大きく見えて行きます。おらワクワクしてきたぞー!
岩場を果敢に登る息子18歳。なかなかいいペースです。「3点支持」だけ教えましたが,特に問題なく登って行きますね。
頂上が近づいてくるほどに,傾斜が増して行きます。北アルプスあたりだと鎖がかかっているところですが,ここでは岩を掴んで登っていくのみ!
そして頂上御室を出発してから25分,鳥海山最高峰の新山(2236 m)に到着しました。息子とハイタッチ!
小屋から頂上までは,約100 mの標高差がありますが,いいペースで登ってこられました。
頂上は狭く,一緒になった人たちと交代で写真を撮りあったりします。僕が手に持っているのは「鳥海山 2236 m」と書かれた木の板です (^◡^)。
背後に見えているのは秋田平野。鳥海山は独立峰なので,遠くまで見はるかすことができます。
さて,狭い頂上。あまり長居せずに下りにかかります。ここは登りと下りで一方通行になっており,下りは新山の北側を回り込むようにルートがとられrています。
途中岩のトンネルをくぐる「胎内くぐり」などもあって,なかなか楽しめました。下りもスムーズに進んで,20分ほどで頂上小屋へ帰着。
外輪に乗って,七高山にも登ります
小屋に戻ったら野菜ジュースとワッフルの簡単な朝食をとります。そして小屋の方にあいさつをしてから,再び出発です。
次に向かうのは外輪山の稜線。まずいったん谷へ下って雪渓を渡り,外輪へ登り返します。
外輪に上がると一気に視界が開けます!千蛇谷越しに,新山ドームの下に建つ頂上御室。その向こうには外輪稜線。さらに遠く日本海の水平線。うーん,いい眺め。
この場所から七高山まではすぐです。行ってみますか。
10分くらいの登りで程なく七高山(2230 m)に到着。ここからの眺めは新山以上かも。
こちら東側。幾重にも連なる山並みがきれいです。左の方のなだらかな山は栗駒山かな。あの向こうは宮城県ですね。
一方,庄内平野は雲海の下です。遠くに月山が霞んでいますね。「死の山」月山と,「生の山」ここ鳥海山。この二つの山を結ぶ線こそが人生。
さて,いったん外輪の分岐に戻って行動食をとり,ここからの行程に備えます。外輪の稜線が見事です。
外輪山の稜線を下ります
稜線はアップダウンを繰り返しながら下っていきます。ここにも花が咲き乱れていて,本当に素晴らしい。
尾根道を下っていくと,程なく頂上が見上げる位置に見えてきます。ガスが流れて高山のムード満点です。
外輪の稜線にはいくつかの小ピークがあって,行者岳,伏拝岳,文殊岳と名付けられています。行者岳直下には急峻なところがあって,ハシゴがかかっていました。
振り返ると鳥海山山頂がみるみる遠ざかって行きます。急斜面にへばりつくように建っている,頂上御室が見えるでしょうか。
行手を見れば,はるかに続く道。秋田県側の海岸線も見えていますね。
頂上部全体が視界に入るところまで下ってきました。…というか,でかい!
すごいスケール感です(この写真はパノラマ撮影で撮っています)。
息子も周りを見渡しながら,稜線を歩いて行きます。ここは本当に気持ちがいい。ちょっとした縦走路ですね!
道の両側は相変わらずお花畑。可憐な高山植物とダイナミックな頂上の組み合わせが,たまらんですなあ(^◡^)。
行者岳で少し休憩してから伏拝岳へ。行手には水平線。息子もスタスタ快調です。いいぞぉー!
そして外輪を降り始めてから2時間と少し,七五三掛に到着しました!いやあ,サイコーの稜線でした。
前日はガスの中の七五三掛でしたが,今日は頂上も見えていますね。好天に感謝して,もう一度小さな祠拝んでから先に進みましょうかね。
御浜へ行って鳥海湖のほとりで過ごします
七五三掛を過ぎると,八丁坂〜御田ケ原。この辺り,よく整備された道の両側に花がいっぱい。お散歩気分で歩けます。
チングルマはまだきれいに咲いているところもあれば,すでに咲き終わって花穂になっているとこもありました。この花はひときわ可愛い夏山のアイドルですね。何てったってアイドル〜♪(古い!)
扇子森の丘を越えて緩やかに下っていくと,今日はきれいに見えてきました,鳥海湖。青空を映し,花に包まれて美しい。ここは鳥海のパラダイスです!
鳥海湖の向こうのモコッとした盛り上がりは鍋森と呼ばれています。
振り返れば丘の向こうに鳥海の山頂部が顔を覗かせています。カッコ良すぎ!
この風景,登りでも見ることができていたら…とも思いますが,これでも十分に満足です。
少し角度を変えて,花に彩られた鳥海湖をもう一枚。空にガスが流れているので,湖面の色も刻々と変化します。おもしろーい。
そして11時50分,御浜に到着しました!ここで大休止とします。お昼ご飯を食べたり御浜小屋の前で腰掛けて周りを眺めたり。天気もいいし,気持ちいいー!
鳥海湖の周りには,万助口方面へ向かう登山道がめぐっています。少し散策してみましょうかね。
湖を回り込むと,鳥海湖越しに頂上を望める場所がありました。ここでカメラに超広角レンズをつけて一枚。鳥海山。素晴らしい山です!
休憩を終えたら下山にかかろうかと思います。息子は御浜から頂上方面を振り返って感慨に浸っているようです。「あそこから歩いてきたのかー。すごいかも!」
…うん,名残惜しいなっ!
鉾立へ下山します
御浜小屋を出発して,鉾立登山口へ下って行きます。ここから先は石畳の道。
普段なら下山というと,樹林帯をたどる ちょっと退屈な道になることが多いんですが,ここ鳥海山は違います。行手に日本海が広がる,爽快な道が続くんです。
高度を下げるにつれて海岸線と水平線がハッキリと見えてきます。海の青さが目に染みるみたい!
最後まで楽しませてくれる鳥海山なのでした。
ところで御浜から下の下山路,息子の足が速い速い!なぜかここでついていくのが精一杯の速さでかっ飛ばす息子18歳なのでした。早く下について,美味いものを食べようと思ってるな(笑)。
登山口が近づいてきました。「展望台」で振り返ると奈曽渓谷。今日はその向こうに頂上も見えています。本当にスケールの大きい眺めです。
そして14時すぎ,標高が下がって暑くなってくる頃。鉾立登山口に到着しました!本当に爽快な1日でした。
温泉に入って一路岩手へ
鉾立のレストハウスで顔を洗って,「花立牧場アイス」を食べて,アメリカンドッグなんぞを頬張ったら,帰路に着きます。
鳥海ブルーラインを下って,目指すは「道の駅象潟・ねむの丘」。ここには日本海を望める展望温泉があるんです。
ここから見る鳥海山も見事でした(写真を撮り忘れた…)。
いやあ,さっぱり生き返りました。鳥海山はもともと火山ですからね。周りには温泉もいっぱいありますよー。
そのあと横手・北上を経由して,一路岩手の義実家へ向かいました。
おわりに
4年ぶりの息子との登山。やっぱり最高でした。そしてなんと言っても鳥海山が素晴らしかったです。
今までいろんな山に登ってきましたが,「一番好きな山は?」と聞かれたら鳥海山を上げるかも。まだ登ったことがない方,ぜったいオススメです!
この山は明るくて,花も見事で,ムードがあって…。庄内で言われている「生の山」という言い方がピッタリな気がするんですよね。
息子は「次は頂上から星が見てみたいなあ」なんて言っています。また一緒に登れるといいなあ。
この記事を書いている間に,息子は19歳になりました。
こちらも見てね
今回息子が履いて登ったのはこれ↓