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元滝伏流水––鳥海山の地下水が湧き出す「生命の滝」を訪ねる

元滝伏流水


鳥海山に登る前に寄り道をして吹浦十六羅漢に行ったんですが,下山後にも寄り道をしました。

行ったのは元滝伏流水です。

十六羅漢の話はこちら↓

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元滝伏流水について

元滝伏流水は鳥海山の溶岩に染み込んだ地下水が数十年かけて染み出して来て,奈曽川の支流に滝となって流れ込んでいるところです。

場所は鳥海山麓の秋田県側。象潟の近くです。

鳥海ブルーラインに沿ったところにあるので,鳥海山登山とからめて行きやすい場所ですね。

元滝伏流水へ

鳥海山に登るときは鳥海ブルーラインを山形県側から上がりましたが,下山したあとは秋田県側に下ります。

かなり下ったところに元滝を示す案内があるので,標識に従って脇道に入ります。突き当たりの駐車場から10分くらい歩くと到着です。

流れに沿った道を歩いていくと,見えて来ました。

元滝が見えて来ました

元滝が見えて来ました

苔むした岩から滲み出してくる水は一年を通してほぼ10 °Cということです。暑い夏の日,流れる水の冷気で川面には靄がかかっています。

メインとなる滝はこれ。高さは数mですが幅が広く,30 m近くあります。苔むした岩から流れる滝は神秘的です。

滝の周りには靄

滝の周りには靄がかかっています!

この景観は,数万年前に噴火した鳥海山の溶岩流と,その中を伏流してきた冷たい湧き水が作り出しているもの。流れ出す水の量は,1日5万トン以上に達するんだとか。

大きな山の下に流れる,途方もない時間と途方もない水の量。

この滝の左の方は繊細な優しい流れ。

メインの滝の左半分

メインの滝の左半分をアップ

そして右半分は勢いを感じる豊かな流れになっています。

メインの滝の右半分

右半分はこんな感じ

滝の幅が広いので,こんな表情の変化があるのも面白いですね。

いろんな滝を観察しよう

川の東岸はずーっと数mの崖になっています。そしてそのすべての場所から,地下水が染み出しています。

だから川に沿って,滝がずっと続いているのです。

メインの滝の左側(下流の方)には,地下水が白糸のように滴り落ちる,繊細な佇まいの滝があります。

岩から染み出した水が滴り落ちます

岩から染み出した水が滴り落ちます

雨のような細い水の流れが,靄のかかった水面に滴り落ちていく様子が何とも神秘的です。しずくが滴った先の岩を,苔が覆っている様子も素晴らしい。

さらに下流にはこんな滝。

斜面を染み出してきた水が,岩肌を縫いながら流れ落ちてきます。

小さな流れも滝を作っています

小さな流れも滝を作っています

滝の周りは天然のミストのような空間。しっとりしているけど涼しい空気です。

いのちの水が流れます

川の本流では苔むした岩を,冷たい流れが洗っています。「いのち」を感じる光景。

苔むした岩を流れが噛む

苔むした岩を流れが噛む

そういえば,ここからそう遠くない新潟の詩人,矢沢宰もこんなふうに歌っていたっけ。

ふるさとの山にあった 苔むした岩をたたき

その響きはいのちの中にも流れていた

 

おわりに

水は生命。豊かな水をたたえる鳥海山は,まさに「生の山」だと思いました。

米どころ秋田平野,庄内平野を潤す流れ

美味しいお米が育ちます

 

鳥海山に育まれた水は奈曽川と合流し,米どころである秋田平野,庄内平野を潤します。

鳥海山の周りにはまだたくさん見所があります。奈曽の白滝や象潟の九十九島,県境の三崎公園や由利原高原など。

また機会を見つけて,見て回りたいですね。

 

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