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【福島の桜2024】二本松市の桜をめぐる––日向の人待ち地蔵桜,箱石の追猪の桜,茶園の桜など

日向の人待ち地蔵桜


福島県の二大都市,福島と郡山。そのちょうど中間にある二本松市は,安達太良山と菊人形で有名ですが,実は桜もすごい。銘木として知られる桜が市内に点在しています。

それらを一度に回ることはとても無理。今年もその中の何ヶ所かを訪ねてきました。

日向の人待ち地蔵桜

現在の二本松市は,従来の二本松市に旧岩代町,東和町,安達町が合併して誕生しました。

日向の人待ち地蔵桜は,旧岩代町の丘陵地帯にある,樹齢100年のソメイヨシノです。

訪ねたのは4月10日。まだ五分咲きくらいでしょうかね。

日向の人待ち地蔵桜

日向の人待ち地蔵桜

この桜の根元に祀られていたお地蔵さんは,明治期の廃仏毀釈運動によって頭部が破壊されました。ところが,その後田んぼから頭が偶然発見され,地元で修復したものだとか。

人待ち地蔵と安達太良山

人待ち地蔵と安達太良山

平成17年,旧岩代町の閉庁記念誌に,地元の中学校の校長先生が「まるで通りかかる人を待ち侘びているようだ」と記し,以来「人待ち地蔵桜」と呼ばれるようになりました。

安達太良山と吾妻連峰

安達太良山と吾妻連峰が望めます

桜とお地蔵さんの向こうには,安達太良山・吾妻連峰の眺めが広がる素晴らしいロケーション。

菜の花に囲まれて,桜の根元にお地蔵さん

旅人を待ちわびるお地蔵さん

お地蔵さんは今日も桜の根元で,旅人を待ち侘びているようです。里山ののどかな雰囲気とマッチした,ムードのある桜です。

箱石の追猪の桜

日向の人待ち地蔵桜から南東に5 kmほど行った山間部に立つ,樹齢300年のエドヒガン。

枝の広がりが大きく,周囲の景観も見事です。

追猪の桜と蔵王連峰

追猪の桜と蔵王連峰

近くの丘に登ると,追猪の桜の向こうに,蔵王連峰を望むことができます。

美しい風景。いかにも「山里の春」という感じです。

箱石の追猪の桜

箱石の追猪の桜

追猪の桜は「おいの桜」と読みます。この名前は,こんな故事に因んでいるようです。

「追猪の桜」由来

「追猪の桜」名前の由来

昔,地元民が農作物を荒らす猪狩りをし,この桜の根元に穴を掘り,追い込み捕らえて食べたことに由来して「追猪の桜」と名付けられたという。

追猪の桜,穴場だと思います

追猪の桜,穴場だと思います

この桜は「福島桜番付」にも載っていない穴場です。実際,周りの静かな環境は「自然のままに立っている桜」という印象を感じさせます。

近くのせせらぎでは,水芭蕉がたくさん咲いていました。いいところですねー。

追猪の桜近くでは水芭蕉が見頃

追猪の桜近くでは水芭蕉が見頃

この桜のすぐそばに住んでらっしゃる方にお話を伺ったのですが,「この辺は,まあ ”限界集落” だな。息子も都会のほうがいいって言って帰ってこないんだ。住めば都で,いいところなんだけどな」と。

いろいろと考えさせられる話です。

本久寺の桜

二本松市街地からほど近い本久寺。その本堂脇にあるしだれ桜です。

寛永20年(1643年),初代二本松藩主丹羽光重が入府した年に植えられたと伝えられています。樹齢約400年ということになりますね。

本久寺の桜

本久寺の桜

この桜は,この辺りの桜の中では早く開花します。

それほど大木ではないのですが,枝の広がりが大きく,豪放に伸ばした枝の造形が面白いですね。

特徴的な姿のしだれ桜

特徴的な姿のしだれ桜です

あたりには杉林が広がり,町の真ん中にあることを忘れさせるような,のどかな環境です。

お寺と桜

お寺と桜

円東寺の桜

安達地方でも最も古い縁起をもつという円東寺。その境内に咲く桜は,樹齢400年の枝垂れです。

円東寺の桜正面から

円東寺の桜正面から

お寺に向かって,桜を "正面" から見ると,整った笠のような形。

ところが「裏側」から見ると,二股に分かれた枝が面白い造形を見せます。見る方向によって,ずいぶん印象が違いますね。

円東寺の桜・反対側から

反対側から見ると,ずいぶん印象が違います

茶園の桜

二本松市の真ん中に立つ,樹齢800年の大桜です。

長い年月を生き抜いてきた力強い幹と旺盛な花付きが見事ですが,住宅地にあるので,周りのものが映り込まないように撮るのが難しい…。

茶園の桜

茶園の桜

写真↑の右下にちらっと写ってるアパートは,その名も「桜ハイツ」。ここに住んでいたら,いながらにしてお花見ができますね。

この幹の力強さ!住宅街の真ん中に,こんな桜が存在するとは…二本松市,恐るべし。

樹齢800年

樹齢800年

桜は小さな丘の斜面に立っています。その丘の上から見ると,桜越しに二本松市街地を望むことができます。

背後の丘の上から

茶園の桜・背後の丘の上から

なお,この桜の周りは車を止める場所がありません(生活道路なので路上駐車はNGです)。二本松駅周辺の駐車場に停めて(または電車で来て),徒歩で訪ねるのが良いでしょう。駅から歩いて5分くらいです。

鏡石寺の桜

二本松駅近くにある鏡石寺(きょうせきじ)。このあとの蓮華寺とともにセットで回ります。

鏡石寺の桜

鏡石寺の桜

樹齢400年,花笠が2つ(3つというべきかな?)に分かれた,枝張りの形が特徴的です。

鏡石寺の桜 近くから

鏡石寺の桜 近くから

近くで観察しましたが,どうしてこんな形になっているのかわかりませんでした?不思議な桜ですね。

蓮華寺の桜

鏡石寺のお隣にある蓮華寺。ここの桜は幹が斜めって立っている,面白い姿です。

蓮華寺の桜

蓮華寺の桜

ただ境内に日が差し込んでこない時間帯になっていたため,あまりうまく撮れませんでした。花も盛りを過ぎているかな?

機会があったらまた来てみたいと思います。

万燈桜

二本松市の北の端、福島市との境にある「道の駅安達」の敷地内に立つ大桜です。

すっと伸びた「姿勢のいい」桜。国道4号線を走っていても目立ちます。

万燈桜

万燈桜

安達太良山が間近に望める,絶好のロケーション。道の駅で美味しいものを物色するのも楽しいですね。

万燈桜と安達太良山

万燈桜と安達太良山

近くには「安達ヶ原ふるさと村」があります。安達ヶ原は鬼婆伝説が残るところ。この道の駅には「鬼婆グルメ」も売っています(笑)。

 

おわりに

二本松市は東西に広く,二本松市街地周辺と,東側の東和・岩代地区が離れているので回るのも大変です。

まだまだ訪ねてみたい桜はたくさんあります。また来年。

 

桜を訪ねた日

  • 日向の人待ち地蔵桜,箱石の追猪の桜 4月10日
  • 本久寺の桜 4月5日
  • 茶園の桜,鏡石寺の桜,蓮華寺の桜,万燈桜 4月12日

 

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