前記事「福島の桜2023 –– 二本松市の桜を見てきました【合戦場のしだれ桜,中島の地蔵桜など】」の続きです。
今年は二本松市に加えて,郡山市,本宮市の桜もいくつか回ってきました。
こちらも素晴らしい桜ばかりで,とても癒されました。
延命尊・紅枝垂地蔵桜
紅枝垂地蔵桜は桜の横綱
郡山市で真っ先に向かったのが,「延命尊・紅枝垂地蔵桜」。この桜は三春滝桜と並んで,福島桜番付で横綱に選出されています。
またこの木は樹齢400年,三春滝桜の娘にあたる桜とされています(挿木で増やしたということかな?)。
濃いピンク色の花色が妖艶で,樹勢も旺盛ですね。
さすがに滝桜には及ばないけど,枝を四方に伸ばした姿が見事だと思います。
桜の根元には地蔵堂。かつてより赤ん坊の短命,夭折を逃れるため,祈りの対象となってきたとのことです。
桜は命。
紅枝垂地蔵桜の裏手は「花桃回廊」
紅枝垂地蔵桜の裏手は小高い山になっていて,その尾根を辿る小道が「花桃回廊」として整備されています。
急な坂道を登って山に分け入っていくと,こんな景色!
花桃のピンク,モクレンの白,レンギョウの黄色。色鮮やかで見事です。これはまるで「ミニ花見山」ではありませんか。
今年は花見山にはいかなかったけど(見ごろが早く過ぎてしまった…),もうこれで満足です。
花桃に彩られた道をぐるっと回ると,地蔵桜のところに戻ります。
上石の不動桜
不動明王のお堂を守る桜
次は同じく郡山市の「上石の不動桜」。不動明王を祀るお堂の脇に立つ桜です。この木もまた,滝桜の子孫と考えられているとのこと。
こんもりとした丘の上に小さなお堂があり,そのお堂を守るように桜が枝を広げています。なんだか日本の原風景を見るような気分になります。
階段を登り,お堂の脇に出ると仏さま。桜に囲まれて,いかにも気持ちよさそうです。実際のんびりリラックスしたポーズを決めてらっしゃいますねえ。
桜のお堂はかつての寺子屋
桜の下にあるお堂は,幕末時代に寺子屋として使われた建物だそうです。その天井には,当時の子供たちの落書きが残っているんです!ニンマリしちゃうなあ (^◡^)。
この桜は樹齢350年。だから子供たちが寺子屋に通ってた頃には,すでにけっこう大きな木に育っていたんでしょうね。そんな桜のもとで勉強してたって,なんだかいいですねえ。
雪村桜
郡山市西田町,三春に近い場所に,室町時代の画僧・雪村が晩年を過ごしたという庵があります。その名も雪村庵。
雪村桜はこの庵の前にひっそりと立つ桜です。
周りは静かな田園地帯。庵の背後の竹林が風に戦ぐ音だけが響きます。
静寂の中の桜。ここはムード満点のところです。しばらく佇んでいたくなりますね。
塩ノ崎の大桜
夕空と菜の花と大桜と
福島桜番付で大関に選出されている,塩ノ崎の大桜("大関"は他に合戦場のしだれ桜,秋山の駒桜,戸津辺の桜です)。
ここもずっと訪ねてみたいと思っていました。
桜は小高い丘の上にあり,坂道を登ってご対面です。
空に向かって大きく手を伸ばした姿が素晴らしい!まさに大桜。周りの菜の花もいい味を出しています。
おりしも夕暮れ時。猪苗代方面に沈む夕日で空が焼けました。
この桜には青空がよく似合うと思うけど,こんな「物思いに沈む大桜」も雰囲気があっていいですね!
夜の大桜
夜になると,ここでもライトアップが行われます。桜の下で,日が暮れるのを待ってみました。
ライトアップが始まると,宵闇に桜が浮かび上がります。
照らし出された大桜に圧倒されるようでした。
おわりに
今年の福島桜めぐりはこれでおしまい。今年は開花が早く,あっという間に行ってしまったなあという印象です。
でも各所の桜も,桜をめぐる道中もやっぱり美しく,福島の桜はやっぱりいいなあ!と思いました。
また来年。訪ねたい桜はまだいっぱいあります。
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