「大関」の桜が見たい!
毎年更新される福島県桜番付。その中で,ここ数年「大関」に君臨し続けている桜が4本あります。↓これです。
- 川俣町・秋山の駒桜
- 二本松市・合戦場のしだれ桜
- 本宮市・塩ノ崎の大桜
- 矢祭町・戸津辺の桜
SNSで流れてくる,これらの桜の写真はどれも本当に見事なんですよね。その下に立ってこの目で眺めてみたい…ずっとそう思ってきました。
今回は,これらのうちの2本,秋山の駒桜と戸津辺の桜を見てきた話です。
矢祭町・戸津辺の桜
戸津辺の桜は福島県の最南端,矢祭町にある大きなエドヒガンです。樹齢600年。
福島県では一番最初に開花する春告げの桜として知られており,昔からこの花の開花を農作業の目安としてきたということです。
桜の周りはぐるりと回ることができ,見る角度によって姿が変わります。快晴の空を背景に立つ姿は,とても気持ちがいい!
戸津辺の桜,文句なしの満開です!
樹齢600年の木は,幹も力強い。たくましい生命力を感じますね。
周りの人と一緒に撮ると,この桜の大きさがよくわかります。本当に大きいんですよ!
その悠然たる姿は,まさに大関にふさわしいと思いました。
また戸津辺の桜の近くには,JR水郡線が通っています。鉄の人は,この線路を通過する電車と戸津辺の桜を絡めた撮影を狙うみたい。僕にはそういう趣味はないけど,一応線路と桜。
これだけ離れたところからでも,この桜の雄大なスケールがよくわかります。
川俣町・秋山の駒桜
秋山の駒桜を訪ねたのは小雨が降る寒い日のことでした。朝早く川俣町へ向かいます。
この時間帯のせいか,それとも天気のせいか,駒桜には誰もおらず桜と一対一でのご対面となりました。
駒桜は「女神山」の斜面に立っています。樹齢500年。
山あいのこと,桜は霧雨にけぶっていました。陽光に輝く桜もいいけど,こういうのも悪くないですね。しっとりとした風情があります。
川俣町は絹の里。川俣シルクは今もブランドになっています。駒桜の周辺にも,桑畑が点在しています。そんな風景にも,ノスタルジーを感じます。
また,桜の根元には野仏が並んでいます。福島の桜には野仏と共に佇んでいるものがたくさんありますね。
生命力溢れる桜の木は,昔から信仰の対象となってきたのでしょうか。それとも咲き誇る桜の下で祈るという行為が,人々の心に癒しをもたらしてきたのでしょうか。
豪放に枝を広げた桜が多い中,駒桜はそれらとは一味違う端正な立ち姿を見せます。その姿はまるで貴婦人のよう。霧雨に濡れて立つ姿には,気品を感じます。
そんな姿ゆえか,この桜は昔から人々を魅了していたようです。陸奥国守の源義家(八幡太郎)があまりの美しさに駒を止めて見入ったという伝承が残っているとか。
この日は菜の花も雨に濡れていました。こちらから見ると,広げた枝に幹が隠れて,ちょっと恥じらっているようにも見えます。
雨に濡れた駒桜は雰囲気があって,いろんな思いにふけってしまいました。今度は青空の時にも来てみたいですね。
おわりに
さすがに「大関」の2本の桜は見事でした。残る2本,合戦場のしだれ桜と塩ノ崎の大桜は,来年ぜひ見に行きたいと思っています(実は最初,今年は合戦場と塩ノ崎に行こうと思っていたんです。でも開花状況などを見て,こちらの2本になりました)。
じゃあ,「横綱」の桜は?って?…その話は別の記事で(続きます)。
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