星空の写真を撮る際に,より暗い星や天の川の淡いところをきれいに写したい時は,カメラを星の日周運動に合わせて(一日一回転)回してやる必要があります。これが追尾撮影で,この目的で使うのが赤道儀です。
赤道儀には大型の望遠鏡をのせるゴツイものから持ち運びに便利な小型のものまで,いろいろあります。ここでは山に担ぎ上げて使えるような,ポータブル赤道儀の自作に関する記事をまとめました。
- 予算500円で作る手動ポータブル赤道儀
- モーター駆動型ポータブル赤道儀(電気回路,減速機構の作成)
- モーター駆動型ポータブル赤道儀(赤道儀筐体の工作)
- 赤道儀のバランスを改善するために,L型ブラケットとコンパスアングルプレートを導入した話
- 自作赤道儀の極軸と筐体を改造
- AOROの汎用L型ブラケットを使って,縦構図で星撮りをするときのバランスを改善した話
- 自作ポータブル赤道儀の極軸の空回りをなくそう––ウォームホイールにネジを切って極軸を固定
- ポータブル赤道儀を使って撮影した「新星景写真」の作例
- 関連:赤道儀を使わない撮影(固定撮影)による星空写真はこちら
予算500円で作る手動ポータブル赤道儀
2枚の木の板を組み合わせて作った手動赤道儀です。一分間に一回転の速さでボルトをねじ込んでいくことでカメラを回してやる「タンジェントスクリュー方式」を採用しています。
工作は簡単で,材料費も500円くらいで作れます。
モーター駆動型ポータブル赤道儀(電気回路,減速機構の作成)
撮影中,カメラのコントロールをモーター任せにしておける小型赤道儀を作りました。赤道儀の駆動にはステッピングモーターを用い,減速機構はウォームギア/ホイールで行なっています。
この記事ではステッピングモーターを動かすための電気回路の工作と,ギアを組み合わせた減速機構の作成について書いています。
モーター駆動型ポータブル赤道儀(赤道儀筐体の工作)
モーター駆動赤道儀の筐体とコントロールボックスの作成について記しています。赤道儀の筐体はアルミ板を使って組み上げており,電池と電気回路(基盤)を収めたコントロールボックスは赤道儀とLANケーブルでつないでいます。
赤道儀のバランスを改善するために,L型ブラケットとコンパスアングルプレートを導入した話
星空の写真を縦構図で撮ろうとした時に,赤道儀のバランスが崩れるのを改善したくてL型ブラケットを使ってみました。でもこれはあまり上手くいっていないので,まだ検討中です。
それから三脚に載せた赤道儀全体のバランスを改善するためにコンパスアングルプレートを導入しました。こちらはいい感じです。
自作赤道儀の極軸と筐体を改造
赤道儀のバランスと剛性を改善するために,極軸周りと筐体を改造しました。
これはかなり上手くいきました。自作ポタ赤は,これで一応完成かな。
AOROの汎用L型ブラケットを使って,縦構図で星撮りをするときのバランスを改善した話
新たにAOROというメーカーの汎用L型ブラケットを使ってみた結果,カメラを縦位置で赤道儀に乗せた際のバランスを改善することができました。
自作ポータブル赤道儀の極軸の空回りをなくそう––ウォームホイールにネジを切って極軸を固定
赤道儀「ふくろう号」,極軸とウォームホイールは長らくジャムフィットではめ込んでいるだけでしたが,使っているうちに空回りするようになってきました。
そこでウォームホイールにタップを切って,極軸をネジで固定しました。これで空回り防止!
ポータブル赤道儀を使って撮影した「新星景写真」の作例
「新星景写真」とは地上景をブラさずに,なおかつ星空を追尾撮影して,これらを一枚の写真にまとめたものです。この記事には,自作のモーター駆動ポータブル赤道儀で撮影した新星景写真の作例を載せています。
関連:赤道儀を使わない撮影(固定撮影)による星空写真はこちら
空のきれいなところなら,固定撮影でも星空を写せます(追尾撮影に比べるとややノイジーになりますが)。星空撮影を始める人は,まず固定撮影からやってみるといいと思います。
また「新星景写真」による画像処理が行いづらく,固定撮影でしか撮れないような光景もあります。
www.sunsunfine.com
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