福島県には見事な一本桜が各地にあります。桜めぐりは楽しい!今回は,田村市船引町にある「小沢の桜」を訪ねてみました。
小沢の桜は樹齢約100年のソメイヨシノ。それほど大きな木ではありませんが樹形がよく,なんとも言えない良い雰囲気があります。また田んぼの中にポツンと立っているその姿は,日本の原風景のようです。
そんなこともあってかこの桜は地元でとても愛されているようで,福島県の「桜番付」では毎年のように「三役」に入っています。今年も西の小結になっていますね (^ ^)
今回は小沢の桜を夜のうちに訪ねて,星空と絡めた撮影もしてみようと思います。
小沢の桜を訪ねる ––– 桜と天の川
夜半過ぎ,小沢の桜に到着です。空は澄んでいて,星がとてもきれい。そして暗闇にぼんやりと浮かび上がる桜の木。いい雰囲気です。
ちょっと寒いけど,田んぼ越しに桜を眺めながら,天の川が上がってくるのを待ちます。
そして午前2時を過ぎた頃。
東の空に,夏の天の川がかかります。星空を背景に凛と立つ小沢の桜。それを見守るように横たわる天の川。まさに「天に星,地には花」ですね。
近くのビニールハウスの灯りで桜と菜の花が浮かび上がり,ライトアップなしでもきれいに写りました。
ズームして,桜と天の川を大きく写したのがこれ ↓。これくらいアップにすると,M8干潟星雲やバンビの横顔も,その存在がよくわかります。ただ,これはiso感度をかなり上げて撮っているので,ノイズが目立ちますね(固定撮影の一枚撮りです)。
今回は仕事の合間に来ているので,赤道儀を持ってきていません。追尾撮影して加算平均スタックすれば,もっときれいに写るんですが。
持ち運びが手軽な手動の赤道儀を持っていけばよかったかなあ。次に福島で星撮りをする機会があったらそうしようかな。
桜とスタートレイル(星ぐるぐる)
前から撮ってみたかった,桜と星ぐるぐる。天の川を撮ったあと,小沢の桜の南側から北天をねらってみます。この角度からだと,小沢の桜の美しい姿がよくわかります。
30分くらい回したところで天文薄明が始まったので終了。本当は一時間くらい回したかったんですけどね。
夜明けを待ちます
朝が来ました。日が昇ってきて,桜を照らすのを待ちます。この日の日の出は5時ちょっと過ぎです。
ところが小沢の桜の東側は山の斜面になっているので,なかなか桜に日が当たりません。寒い!震えながら日が差すのを待ちました。ここ田村市は阿武隈高地にあって気温が低いのです。この日の朝も氷点下の寒さでした。
そして…
朝日を浴びる小沢の桜。美しい立ち姿です。小さな祠や道祖神とともに立つ姿はムード満点。この桜が愛されている理由がよくわかります。
遠くに見えているのは移ガ岳(うつしがたけ)。阿武隈山地の高峰です。この山にも登ってみたくなりますね。
日がさすと少し暖かくなりました。桜のまわりを少し歩いてみます。桜が朝日に輝きます!
はつ恋の桜
ところで小沢の桜は,田中麗奈さん主演の映画「はつ恋」のロケ地として使われ,劇中に「願いの桜」として登場しています(僕自身はこの映画をまだ見ていないのですが)。確かにそんな物語によく合いそうな雰囲気の桜です…というか,こんな桜の下で恋を語ることができたら素敵ですねえ (^ ^)
余談ですが田中麗奈さんのデビュー作「がんばっていきまっしょい」は,特別な縁があって2回見ました。そして2回とも同じところで泣きました。まあそんなことはどうでもいいですね (^ ^;)
近くの桜も見ていきます
帰り道,近くの桜も見ていきました。
小沢・古卵塔場のしだれ桜。道祖神に囲まれてきれいです。実はこの桜,周りに鉄塔や電線がたくさんあって,この角度からじゃないとそういうのがいっぱい入っちゃう。でも立派な桜です。
福島にはこういう見事な桜が至るところにあって,本当にすごいなあと思います。それにしても空が青〜い!。
おわりに
星空と桜,願いの桜,はつ恋の桜。田んぼの中の原風景のような桜。小沢の桜はとてもロマンティックなところでした。
また今度,赤道儀を持っていきたいです。
福島の桜の話,もう少し続きます。
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