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DxO PureRAW と Topaz Sharpen AI を使って,星景写真を現像し直してみた【桜と天の川】

「小沢の桜と天の川」の写真を,PureRawを使って処理し直してみようと思います

以前,DxOのPureRAWを使うと,星景写真のノイズが劇的に軽減されるという話を書きました。

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この記事の中では,ノイズがひどくて気になっていた何枚かの写真をレタッチし直しています。実際,PureRAWを使うことで,これらの写真は1〜2段くらいノイズが軽減され,ずいぶん見栄えが良くなったと思います。

左 PureRAW処理前, 右 PureRAW処理後

北アルプス・涸沢の天の川:左 PureRAW処理前, 右 PureRAW処理後

でもその一方で,この写真 ↓ には手をつけていませんでした。

小沢の桜と天の川

田村市・小沢の桜と天の川

4月に,福島・田村市で撮った「小沢の桜と天の川」。結構気に入ってるんですけどね。

この写真をPureRAWで再処理していなかった理由は2つあって,

  1. iso4000で撮っていて,ノイズは「まあ,許せるかな…」というレベルだったこと
  2. 空の色をニュートラルグレーに合わせるのに結構苦労したので,また最初からやり直すのがちょっと億劫だったこと

です(苦笑)。

でもこの写真もPureRawで処理したら,もっと天の川がくっきり浮かび上がるかもしれないですね。

加えて,この写真にはもう一つ問題があるんです。それは前景の桜や菜の花が,ちょっともやっとしていることです。露出は20秒なんですが,その間に植物が風で揺れたせいかもしれません。ここはもう少し解像感を出したいところです。

Topaz Labs の Sharpen AI で,前景にシャープさを出そうと思います

そこで前景の部分は,Topaz Labs のソフト,Sharpen AI を使ってシャープにすることを試みることにします。このソフトはピントが微妙に外れている写真や,ブレている写真を修正して,シャープな画像にしてくれる優れものです。

www.topazlabs.com

実はこれ,以前から導入していて,鳥の写真の微ブレを修正するのに使ったりしていました(この辺りの話は別記事に書いてみようかなと思います)。

やってみます!

それでは実際にやってみます。

とは言っても,PureRaw, Sharpen AI ともに,使い方は非常にシンプルです。本当は書くまでもないくらい。

まず PureRaw でノイズを低減

まず PureRaw の方から。ソフトを立ち上げ,開いたウインドウに元のRawファイルをドラッグ&ドロップします。続いてウインドウ左上の「画像を処理」ボタンを押すと,処理方法や出力形式を選ぶ小ウインドウが開きます。

PureRaw画面

DxO PureRaw画面

ここでは処理方法として「PRIME」,出力形式として「DNG」を選択。そして右下のボタンを押すと処理が始まります。パラメータの設定など一切ありません。いさぎよい (^ ^)

ちなみに僕の環境(MacBook Air, Rawファイルはα6400の24 MP)だと,処理には1分くらいかかります。

こうして出来上がったDNGファイルを Lightroomで開き,16 bit tiffに書き出します。あとはこれをPhotoshopで開いて,いつも通りに画像処理。

星景写真の現像はこちら↓

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…とはいえ,空の色をニュートラルグレーにするのに,やはり少し苦労しました。

#街明かりのうち,蛍光灯で空はグリーンにかぶり,ナトリウムランプでオレンジにかぶります(ここ田村市の空は,グリーンの被りが主でした)。またこれらの影響は一様ではなく,町がある方向や低空ほど強く出ます。

ここまでの処理でこうなりました。

PureRAW処理後

PureRAWで処理後,現像したもの

PureRAWを使わなかった時に比べて,天の川がよりくっきりしましたかね。

またPureRAWの効果で,地上部もちょっとだけキリッとした感じがします(PureRAWにはノイズ低減だけでなく,解像感を高めてくれる効果があります)。でもここはさらにシャープにしたいと思います。

Topaza Sharpen AI で地上部をシャープにします

そこで,この画像をSharpen AI のアイコンにドラッグ&ドロップして開きます。

画面上部の「View」から「Comparison View」を選ぶと,効果の効き方がプレビューされます。

Sharpen AI 「Comparison View」

その結果,やはり「Motion Blur(ブレ補正)」が最も良い結果を与えそうだったので,これを選択。*1  プレビューを見ながらRemove Blur のパラメータを「20」にして「Apply」をクリック。処理された画像を得ました。

*1 他に選択肢として「Out of  Focus(ピントが合っていない画像の補正)」,「Too Soft(軟調で明瞭度に欠ける画像の補正)」があります。

菜の花の部分の before / after を等倍で比較すると,こんな感じ。

before / after

Sharpen AI(菜の花の部分) before / after

うん,シャープになりましたね。

画像を統合します

ところで Sharpen AI で処理した画像をよく見ると,地上部は確かにシャープになっているのですが,星空の部分に微妙なノイズが乗っています。そこで Sharpen AI 処理前と処理後の画像を,マスクをかけて統合し,「いいとこ取り」をします。

マスクをかけて画像を統合

マスクをかけて画像を統合

地上部と星空を分けるマスクは,天の川の強調処理の時から使っているので,それをそのまま使います。

完成です

こうして,星空の部分は PureRAW のみ,地上部は PureRAW + Sharpen AI で処理した画像が得られました。最終的に明るさなどを微調整して完成です!

小沢の桜と天の川

小沢の桜と天の川:PureRAWとSharpen AI で処理

どうでしょう…ブログサイズだと,最初のとあんまり変わらないかな?でもちょっとの差が大事なんですよ(←ホントか?笑)。プリントするときはこっちのファイルを使おうと思います。

 

まとめ

というわけで,桜と天の川の写真をDxO PureRAW と Topaz Sharpen AI を使って現像し直してみた話でした。

APS-Cのカメラで,しかも固定撮影の1枚どりですが,PureRAWなどのソフトを使えばかなりイケるな,と思っているところです。僕は山の上で星を撮るのが好きですが,ハードなコースの時は赤道儀を置いていけるかもと思っています(とは言っても,赤道儀を使って加算平均スタックをした方がやっぱりきれいかな?)。

 

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