前記事「【北アルプス】双六岳,鷲羽岳,槍ヶ岳に登ってきました –– その1・新穂高から双六小屋へ」の続きです。
双六小屋のテントサイトで眠りについたのですが,23:30頃に目が覚めました。19時にシュラフに入ったから,4時間半くらい眠ったでしょうか。
テントの換気口から外を覗いてみると…おっ,星が出ています。予報通り晴れてきたみたい。
ちょっと外に出て,星空撮影をしましょうかね (^◡^)。
テント場と星空
テントを出てすぐのところに三脚を立てました。シュラフに入った時には曇っていた空も,すっかり晴れています。まず自分のテントを入れて一枚。
星空:12 mm F2,露出20秒 x 2枚スタック (うち1枚はソフトフィルター使用),iso4000
地上景:F2,露出20秒 x 4枚スタック
この時間,夏の天の川は西に傾き始めました。いて座のスタークラウドは,すでに山陰に沈んでいます。
明かりの灯った黄色いテントが僕のおうち。長秒露光なので明るく写っていますが,実際にはごくわずかな明かりです。
双六岳と夏の大三角,天の川
少し時間が経って,双六岳の上に夏の天の川が傾いてきました。風のない穏やかな夜です。
星空:α6400,12 mm F2,露出20秒 x 6枚スタック (うち3枚はソフトフィルター使用),iso4000
地上景:F2,露出30秒 x 4枚スタック
双六岳にベガ,アルタイル,デネブの「夏の大三角」が浮かんでいます。東の空に下弦を過ぎた月が昇り始めて,山肌を照らしてくれました。
今日は夜明け前に,この双六岳に登って御来光を迎える予定です。
双六岳は北アルプスでは珍しく,なだらかな頂上部を持つ山。そんな山の上に浮かぶ織姫と彦星は,リラックスしているようにも見えます。
今回は軽量化のために赤道儀を持ってきていません。そこで固定撮影したものを位置合わせしてから数枚スタック(加算平均コンポジット)し,地上景と合わせて新星景方式で1枚にまとめています(地上部と星空の位置関係は正確です)。
赤道儀で追尾していないので,スタックした時に星が完全に重なりませんが,まあ許容範囲でしょうか。…というか,超広角レンズで撮る分にはこれでいいような気がしてきました(笑)。
秋の星座たち
ここ双六小屋は,双六岳と樅沢岳の鞍部にあります。南の空を見ると,2つの山に挟まれるように,秋の星座がまたたいています。双六池の向こう側,遠くに見えている山は,焼岳かな?
星空:12 mm F2,露出20秒 x 2枚スタック (うち1枚はソフトフィルター使用),iso4000
地上景:F2,露出30秒 x 4枚スタック
秋の星空は寂しい印象がありますが,やぎ座には土星がいて,花を添えています(中央やや上)。
左側の明るい星は,秋の空唯一の一等星,みなみのうお座のフォーマルハウト。その下,山ぎわぎりぎりのところに並んだ2つの2等星はつる座です。この星座は低空が見渡せる山の上でないと,なかなか見ることができませんね。
はくちょう座からカシオペア座にかけての天の川
最後に地上景を入れずに,はくちょう座からカシオペア座にかけての天の川を撮っておきます。
この辺りの天の川は夏から秋への季節の移り変わりを感じさせて,好きなんです。
α6400,12 mm F2, 露出20秒,iso 4000, 9枚スタック(うち3枚はソフトフィルター使用)
この手の写真を撮るなら,やっぱり赤道儀で追尾撮影した方が迫力が出ますかね(天の川の淡い部分の写りがいまいちです)。
とはいえ,20秒の短時間露出でも,赤い散光星雲がけっこう写ってますね。今度,望遠レンズを使って北アメリカ星雲をちゃんと撮ってみたいと思います。
画面中央,ケフェウス座のガーネットスターがひときわ赤く輝いています。
さて,テントに戻ってもう一眠り
星空撮影を終えたのが午前1時ころ。テントに戻ってもう一眠りすることにします。暖かいシュラフは気持ちいい…zzz。
明日は天気が良さそう。快適な稜線歩きが期待できそうですね。
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