sunsun fineな日々

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【北アルプス】剱岳と立山に登ってきました #2 室堂から剱沢小屋への道と剱沢カールの星空

みくりが池と立山


前記事「【北アルプス】剱岳と立山に登ってきました #1 立山黒部アルペンルートで扇沢から室堂まで」の続きです。

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山行1日目。今日は室堂をスタートして,剱岳登山の前進基地,剱沢小屋のキャンプ場までの道のりです。

立山トレイル

まだこの登山の序の口なんですけどね。意外とキツかった (^ ^;)。

みくりが池は山上の楽園

それでは室堂を歩き始めます。いやあ,いい景色ですなあ。

涼しい風が吹き抜けるし,ここはとても気持ちのいいところ。

室堂を歩き始めます

室堂を歩き始めます

室堂ターミナルから15分ほど歩くと現れるのがみくりが池。古い噴火口跡にできた火山湖です。

青い湖面を雪溪が取り囲み,別天地のよう。

みくりが池が見えてきました

みくりが池が見えてきました

湖の向こうに見える建物は「みくりが池温泉」です。最終日,立山を縦走してきたあとはここで汗を流す予定です。…今回は登山そのものよりも,それ以外のあれやこれやが楽しみかも。ムフフ (^ ^)。

みくりが池と立山––ここは雲上の楽園です

みくりが池と立山––ここは雲上の楽園です

遊歩道は池をぐるっと回るように続いています。立山が正面に見える位置で一枚。ポスターに使われそうな構図ですなあ (^◡^)。

さらに回り込むと立山〜竜王岳が池にリフっていました。みずみずしい風景がうれしいです。明日は岩ゴツゴツの世界になるからなおさらね。

みくりが池リフレクション

みくりが池リフレクション

火山性ガスの中を突っ切るぞ

みくりが池を過ぎると,道は地獄谷の脇を通ります。ここは日によって火山性ガスの濃度が変化するので,通行が禁止される日もあるようです。

地獄谷

地獄谷

この日は問題なく通行できたんですが,それでもけっこうガスは出ていたようですね。鼻にツーン!と沁みる刺激があったので,二酸化硫黄(亜硫酸ガス)がメインのガスなのかな?

亜硫酸ガスが鼻に沁みます

亜硫酸ガスが鼻に沁みます

ここは足早に通り過ぎるに限ります。尾根状の地形をサクサク歩いていくと,しばしの下りに入りました。下っていった先に見えてきたのは雷鳥沢キャンプ場。立山では人気のテント場です。

眼下に雷鳥沢キャンプ場

眼下に雷鳥沢キャンプ場

この日もけっこうな数のテントが張られていましたが,平日なのでまだ余裕はあったかな。

ここに幕営して,立山を周回したり,奥大日岳方面に向かうのも楽しそうですね。

雷鳥沢キャンプ場を通過します

雷鳥沢キャンプ場を通過します

雷鳥沢キャンプ場を過ぎると,道は右に曲がって称名川を渡ります。

周りを見ると,なるほどここは尾根に囲まれた称名川の源頭部であることがわかります。室堂平から一段下った感じかな。

称名川を渡ります

称名川を渡ります

さていよいよ山道らしくなってきましたよ。ここから別山乗越を越える「雷鳥坂」に入っていきます。

ここがね…予想外にしんどかった!

 

雷鳥坂のキッツイ登り

立山連峰は,自分自身初めての山域です。この辺りの地形はちょっと複雑なんですけどね。

でも細かいアップダウンがあれど,「今日の目的地,剱沢カールにはそう苦労せずに着けるだろう」くらいに思ってたんですよ。

雷鳥坂の登りが始まります

雷鳥坂の登りが始まります

ところがですね,別山乗越の斜面に取り付いてみると,ここの登りが予想外にキツいんですよ。トレーニング不足と猛暑による夏バテのせいもあったかもしれないんですけどね(汗)。

今回の荷物は,うちを出た時点で12.4 kg。まあまあだけど,今年に入って日帰り山行しかしてなかったせいか,重く感じます。

右手にはハクサンイチゲと立山

右手にはハクサンイチゲと立山

それでも右手にはずっと立山が見えています。こんな眺め↑に励まされながら登っていきます。相変わらずペースは上がらないけど…。

この登りは…意外にキツいぞ!

この登りは…意外にキツいぞ!

別山乗越の標高は2750 mだから,室堂との標高差は300 m程度なんですけどね。ちゃんと ”登る覚悟” をしてなかったせいもあるかもね。

でもこのあたりで,雛を8羽も連れたライチョウと遭遇。こんなに晴れた日にライチョウに出会うのは珍しい。カメラに広角ズームをつけていたので写真は撮れなかったんですけどね。しんどい中,癒されました (^◡^)。

眺望に励まされながら

眺望に励まされながら

えっちらおっちら登ると,ようやく稜線が近付いてきました。空が近くなるこの感じ,いつもいいですね!

別山乗越が近づいてきた

別山乗越が近づいてきた

標高が上がってきたので,立山の尾根も近く感じられるようになりました。雲も眼下に見えるようになりました。

標高が上がってくるとこの眺め

標高が上がってくるとこの眺め

同時に,空気が薄くなってきたでしょうか。やっぱり「夏山前のトレーニング山行」ができなかったのがアカンですね,少し頭痛がいたい。まだ2700 mくらいなのに…。

花と残雪は立山の魅力

花と残雪は立山の魅力

こんなところでも花たちは元気です。パワーをもらいながらさらにがんばると…

到着しました,別山乗越。ここには剱御前小屋が建っています。小屋の前のベンチに腰掛けてひと休みしました。いやあ,想定外に疲れましたね。

剣御前小屋

剣御前小屋

剱沢カールへ下ります

ひと休みしたら今度は下りに入ります。行く手は剱沢カールです。山肌を大きくスプーンで抉ったような地形を下っていくと,さっそく姿を現しましたよ,剱岳

剱沢カールに下ります

剱沢カールに下ります

ここの下りも標高差200 mくらいあるんですけどね。剱岳の姿に目が釘付けになって,吸い込まれるように歩いていくので,気づいたらかなり下っていました。

剱岳が姿を現した!

剱岳が姿を現した!

ザクザク歩いていくと,足元にはすでに花穂になったチングルマ。荒々しい山肌を背景に,可憐に咲いています。

チングルマの花穂

チングルマの花穂

そんなこんなで下りはあっという間。剱沢キャンプ場が見えてきました。色とりどりのテントがカールの底に張られています。

剱沢テント場が近づいてきました

剱沢テント場が近づいてきました

テント場でくつろごう

到着したらさっそく受付です。剱沢キャンプ場は剱沢小屋の付属なんですが,小屋からやや離れたところにあり,その代わりにテント泊の管理棟があります。

剱沢のマイホーム

剱沢のマイホーム

水の豊かなテントサイトで,顔をザブザブ洗えるのがうれしい (^◡^)*1。幕営料は1泊1000円だったかな。最近の北アルプスとしては安めですね。

景色は最高。目の前に剱岳がドーンと聳えています。カールの斜面なので,地面が微妙に傾いているのが玉に瑕ですが。

テントの中から剱岳

テントの中から剱岳

早めに到着したので,のんびりする時間があります。テントは斜面の上の方に張ったので,入り口から顔を出すだけで,剱岳を眺めることができます (^◡^)。

ガスをまとう剱岳

ガスをまとう剱岳

剱岳は雲をまとってみたり,西陽を浴びてみたり。その姿を刻々と変えていきます。

小屋で買ってきたチューハイを飲みながら,しばしまったり過ごしました(買い物は剱沢小屋まで,10分くらい歩いていく必要があります)。

– – – –

*1 水場は2ヶ所あり,下の水場(テント泊管理等の近く)の水は塩素消毒が入っているそうです。ただ両方とも飲み水として使うには煮沸が推奨されています。

剱沢カールの星空

さて,ちょうど新月期。高い山の上にくると,いつも星空が楽しみです。

ここ剱沢カールは剱岳や別山の眺めが素晴らしいから,素敵な星景写真が撮れそうですね。

別山にかかる天の川。こんなところで一夜を過ごせるうれしさよ。

別山の稜線と夏の天の川

剱沢カールから見る夏の天の川

赤い目玉のさそり…。

稜線の向こうに天の川中心部が輝いています。こうして見ると,山は大きい。そして宇宙はさらに大きい!

自分がスケールの大きな世界に包まれていることを肌で感じます。

山がでかい,宇宙はもっとでかい

山がでかい,宇宙はもっとでかい

北天を見ると,剱岳の向こうにカシオペア座付近の天の川。山の上にアンドロメダ銀河が浮かぶ,神秘的な空間。

剱岳と北天の天の川

剱岳と北天の天の川

実は上の3枚は,2日目夜に撮ったものなんですけどね。2日目の記録は写真が盛りだくさんになりそうなので,こちらに入れています。

ひと眠りして,2時半に起き出しました。出発の準備をする前にちょっと星撮りです。

夏山と夏の大三角

夏山と夏の大三角

夏の天の川も西に傾きました。雪溪を抱いた剱御前に天の川がかかり,その中に夏の大三角が輝いています。広げた鷲のつばさ…。

アンドロメダ銀河も高くなりました。ペルセウス座やぎょしゃ座など,冬の星座も昇ってきましたね。

あの山に登っていきます!

あの山に登っていきます!

アンドロメダの雲は さかなのお口の形…

さて2日目,今日は目の前に聳える剱岳に登ってきます。そろそろ出発の準備をしましょうかね。

 

1日目記録

2025年7月28日
室堂ターミナル (10:20) – みくりが池 (10:45) – 別山乗越 (13:10–13:30) – 剱沢キャンプ場 (14:00)

休憩を除いた総行動時間 3時間20分

 

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