前記事「【北アルプス】南岳〜槍ヶ岳の稜線を縦走してきました #1 新穂高から南岳新道を登って南岳へ」の続きです。
2日目記録
南岳小屋出発 (6:37) – 南岳 (6:44–7:00) – 中岳 (8:20–8:40) – 大喰岳 (9:20) – 飛騨乗越 (9:45–9:50) – 槍ヶ岳山荘 (10:05–10:10) – 槍ヶ岳 (10:30–10:50) – 槍ヶ岳山荘(10:10 大休止)– (11:55) – 殺生ヒュッテ (12:20) – グリーンバンド (13:20) – 大曲 (14:35) – ババ平 (15:00) – 槍沢ロッジ (15:30 トイレ休憩) – 槍沢ロッジ発(15:50) – 一の俣 (16:25) – 横尾 (17:15)
南岳の夜明け
入山2日目,10月1日の朝。3時30分に起きます。
まずテントの外に出て星撮り。登ってくる冬の星座を一枚だけ撮りました(星の写真は別記事で)。
そしてテントに戻り,ゆっくりと朝の準備をします。シュラフを畳んで,朝ごはんを食べて,コーヒーを飲んで,テントとカメラ以外をパッキング。
今日の日の出は5時45分。その時刻に合わせて,カメラを持ってテントを出ました,
テント場から歩いて1分の「常念平」というところに行って三脚を立てます。
冷え込む中,カメラを東に向けて待つことしばし…常念岳にご来光です!今日も素晴らしい天気になりそう!
南側を見れば,モルゲンロートに染まる穂高連峰。大キレット越しのゴツゴツがすごい迫力。この光景が見たくて南岳に泊まったんですよ!
そして振り返って北を見れば,槍も赤く染まっています。素晴らしい朝!今日は稜線を辿ってあの頂に向かいます。
さて,山の朝を堪能しました。一度テントに戻って,パッキングを完了したら出発です。
あ,その前にテント場から笠ヶ岳を一枚。山肌に大キレットの影が映っているのが面白ーい。
南岳から槍ヶ岳への稜線を歩く
南岳に登頂
まず最初のピーク,南岳 (3033 m) へ。テント場から5分,すぐに着きます。
ここでも穂高連峰が’見事。それにしても要塞のような岩峰ですね,左のピークが北穂高岳,中央が奥穂高岳,その右のとんがりがジャンダルム,画面左の怪獣の背中のようなギザギザが前穂高岳です。
また南岳に立つと,槍ヶ岳方面をスッキリと見渡すことができます。今日は常に槍を見ながらの稜線歩きになります。
中岳,大喰岳を越えていきます
この稜線,遠くから見ると平らなのかなーと思ってたんですが,実際に歩くと予想以上にアップダウンがあって,変化に富んでいます。特に中岳付近は岩場が続き,意外にハードでした。
南岳から1時間班くらい歩いて中岳 (3084 m) に到着。
ここで来し方を振り返ると,縦走路の向こうに穂高。いい眺めです。
中岳から鎖場を下り,登り返すと大喰岳 (3101 m) です。この山は標高3100 mを越え,日本で10番目に高い山なのですが,槍ヶ岳のすぐ隣にあるために,槍の「付属品」みたいな扱いを受ける,不遇なやつです。
槍が近づいてきました
大喰岳を下ると飛騨乗越。槍の穂先が一層大きく見えてきます。槍ヶ岳山荘はもうすぐ近く。ワクワクします!
10時5分,槍ヶ岳山荘に到着。楽しい稜線でした。ここでヘルメットを装着して,呼吸を整えます。
槍の穂先に登ります
さて,それではいよいよ槍の穂先に登ります。鎖,ハシゴをたどりながら3点支持で岩場を登ります。25分ほどで槍ヶ岳到着!
ガスで何も見えなかったひと月前とは違い,快晴の山頂です。大勝利!
今日は 360° の眺望が思うがまま。西側には,夏に歩いた裏銀座方面。双六,三俣蓮華,鷲羽のあたりがまるっと見えていて,北アルプスの奥深さが感じられます。
北東側,大天井岳方面。こちらに向かって伸びているのが東鎌尾根。この尾根を辿って槍ヶ岳を目指すのが表銀座縦走路です。
眺めを堪能したら下ります。狭い頂上ですし,あまり居座るのも気が引けますからね。下りも梯子や鎖を辿って,約20分で再び槍ヶ岳山荘へ。
山荘前のテラスから穂先を望遠で撮ってみると,岩に取りついている登山者が蟻のように見えました。
この時点で11時すぎ。下山に備えて,槍ヶ岳山荘でお昼ご飯を食べることにします。山荘内の「キッチン槍」でビーフカレーを食べて,食後のコーヒーまで飲んでしまいました。なんて優雅なひととき (^◡^)。
下山します
槍さまに後ろ髪を引かれながら
それでは下山にかかります。槍沢コースを下って,今日は横尾まで行く予定。長丁場ですが。
槍沢のカール地形の中を下っていきます。振り返るとその度に槍が目に入り,後ろ髪を引かれます。
うーん,この姿,カッコいい!まさに「日本のマッターホルン」で文句ないですねえ。
遠ざかってゆく槍ヶ岳があんまり名残惜しかったので,蟠隆窟付近で三脚を立てて自撮りしちゃいました。
槍の穂先の右側のスカイラインは東鎌尾根,右上の山小屋は殺生ヒュッテです。
そうそう,今回AOKAの軽量三脚がかなり役に立ちましたよ。
槍沢の紅葉は色づきはじめ
グリーンバンドまで下ってくると,それまでの岩だらけの道から,ハイ松と灌木を縫う道に変わります。ここ槍沢カールの草紅葉は,まだ「色づきはじめ」くらいかな?という印象。
このあたりはひと月前にも歩いているので,勝手知ったる道。どんどん下ります。そういえば写真を撮るために立ち止まった以外は,休憩らしい休憩をとっていませんが,まあいいや。
15時ちょうどにババ平テントサイト。時間的にはここらで行動停止して,テントを張るのが「ちょうどいい」のですが,今日は通過してまだ下っちゃいます。
そしてさらに下ること30分,槍沢ロッヂでトイレ休憩としました。小屋の前のベンチに腰を下ろしてひと休み。
ここから下は斜度のない道ですが,足が疲れているので最後まで慎重に。槍沢ロッヂからさらに歩くこと1時間半,今日の泊まり地である横尾に着きました。横尾山荘でテント泊の受付をして,横尾大橋の脇にテントを張ります。
長く,そして充実した1日でした。
横尾の夜
2日目の夜。要注意箇所はもうないので,気分的にはとてもリラックスできます。
夕食はアルファ米のピラフとチキンバー,フリーズドライのフカヒレスープ,そしてチーズ。小屋で買ったチューハイと一緒にいただきます (^ ^)。食糧もほぼ食べ尽くし,荷物がさらに軽くなりました。
夕食のあとはまた星撮りをして眠りにつきました。
明日は上高地までの林道歩きを残すのみです。おやすみなさい,zzz…。
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