前記事「【北アルプス】雪渓を抱く山・針ノ木岳に登ってきました––スバリ岳,赤沢岳を経由して種池山荘へ縦走:②朝の針ノ木岳に登頂」の続きです。
縦走路へ踏み出します!––スバリ岳へ
針ノ木岳から北へ,険しい稜線が続いています。今日はこの稜線をたどって,爺ヶ岳のふもとにある,種池山荘まで歩きます。
6時30分。まず針ノ木岳から下っていきます。縦走路は岩の尾根を急降下。はじめからいきなり神経を使います。
鞍部まで降りてきました。この場所は「まやくぼのコル」と呼ばれます(「コル」とは登山用語で「鞍部」の意味です)。ここから見上げる,縦走路の最初のピークはスバリ岳(2752 m)。この山は岩でできたゴツゴツのピークです。この縦走路の中ボスは,このスバリ岳だと思います。ここを超えるのが最初のポイント。
こんな岩場を登っていきます。途中,足場はしっかりしているので怖くはないけど,落ちたらアウトだなというところがあって緊張しました。つまづいたりしないように,集中して足を運びます。
ヤバい場所を抜けました。スバリ岳の頂上まであと少し。振り返ると,針ノ木岳がすっくと立っています。岩肌が朝日に輝いてかっこいい。
最後の急斜面を登って,7時45分スバリ岳到着。ここからは,黒部湖をとてもきれいに見下ろすことができます。向こう側は立山連峰。その向こうにうっすら見えている水平線は,もしかして富山湾?
それにしても,よくこんなところにダム湖を作ったもんだ。
そして,ここからもフジッサーン! /^o^\ 向かって左は八ヶ岳,右は南アルプスでしょうか。
スバリ岳から赤沢岳へ
スバリ岳では30分くらい休憩しました。8時15分出発。
次のピークは赤沢岳(2678 m)です。鹿島槍方面から見るとたおやかな姿を見せるのですが,こちらから見ると西尾根のゴツゴツがすごい。
赤沢岳西尾根はロッククライミングの対象となっていて,その途中には「猫の耳」と呼ばれる奇岩があります(↓ この写真だと猫の耳がすぐにわかるかな?)。
まず,急峻な岩場を降下していきます。せっかく稼いだ標高を降下して,また登って…縦走はそんな繰り返しです。
振り返るとスバリ岳の岩峰がど迫力。
続いて赤沢岳の登りに入っていくのですが…ここがすっごく辛かった!岩場のアップダウンが連続して,なかなか前に進みません。この区間は本当に泣きが入ってしまいました。
初日に雪渓から稜線を見上げた時も,確かにギザギザしてたんだよなあ…。
はじめはスバリ岳から赤沢岳まで1ピッチで行こうと思っていたんですが,たまらず2回も休憩を挟んでしまいました。
赤沢岳への最後の登りは急なガレ場。頂上直下は要注意箇所ですね(「山と高原地図」にも,ここには危険マークがついています)。しんどいけど集中力を振り絞る感じで登りました。
やっと赤沢岳に到着
11時10分,やっとの思いで赤沢岳に到着しました。きっつー!標準コースタイム1時間45分のところ,正味で2時間半くらいかかってしまいました (^ ^;)
へたり込んで振り返ると,針ノ木峠からかなり歩いてきたのがわかります。
縦走路は,ここ赤沢岳で劔・立山連峰にもっとも距離が近づきます。眼前に大きく迫った劔・立山を一枚パチリ。
さて,ここから縦走は後半戦に入ります。行く手を見れば,これからたどる鳴沢岳,岩小屋沢岳。鹿島槍とその北にある五竜岳もだいぶ大きく見えてきました。遠くに青く霞んでいるのは妙高山かな?
縦走後半に向けて大休止です。コーヒーを沸かし,パンとソーセージ,チーズの昼食をとりました。
鳴沢岳を越えて新越山荘へ
長めの休憩で少しMP回復。次に向かうのは鳴沢岳(2641 m)です。比較的小さなピークですが,赤沢岳からこの山を見ると頂上稜線が凸凹で,なんだか嫌な予感がします。
実際に登っていくと…案の定「あそこまで登れば頂上かな?」と思って登りついたらまだ先があり,「次こそはあそこが頂上だよな!」と思って登りつくとまたまた先がありの繰り返しで…。登山あるあるなんですが,縦走後半にきてのこれはダメージがでかいです (^ ^;)
そんなこんなで,またまた標準CTをオーバーして,13時5分,鳴沢岳到着。
針ノ木岳,蓮華岳がだいぶ遠くなりました。昨日登った針ノ木雪渓も,ここからはよく見えました。
ここでも10分休憩。この山を下っていくと,新越山荘があります。強い日差しを浴びて体が火照っているので,山小屋で冷たいものを飲もう。そう思って下っていきますが,ここの下りもけっこう大変。岩場の大きな段差では重い荷物が体にこたえ,「ここ,ハシゴがかかっていたらなあ…」と思うところも何箇所かありました。それだけヘロヘロだったということかもしれません。
疲れた体にムチを打って,14時20分,なんとか新越山荘に到着。ポカリスエットを一本買って,小屋の前のベンチで一気に飲み干しました。
岩小屋沢岳を経て種池山荘へ
さて,時間が押しています。すぐに最後のピーク岩小屋沢岳の登りにかかりました。この山の登りは大きな段差もなく,歩きやすかったのは助かりました。
草原の尾根を登って,15時45分,岩小屋沢岳に到着。
すでに日は西に傾いていて,立山連峰も逆光に霞んでいます。
ここで最後の休憩です。劔・立山方面の眺めも一旦見納め。
岩小屋沢岳を緩やかに下り,あとは平坦な道を種池山荘へ急ぎます。道は稜線を回り込むように続いています。針ノ木岳方面を振り返ると,「よく歩いてきたなあ」と思いますが,もう少し歩かなければなりません。
樹林帯混じりの道を黙々と歩いて,17時40分,やっとの事で種池山荘に到着しました。さっそく小屋でテント泊の受付です。
2日目の夜をここで過ごすのは予定通りなのですが,あわよくば…早い時間についたら,その日のうちに下山してしまおうかと目論んでいたんですよ。でも,全然そんな余裕はなくて,ぎりぎりの到着になりました(というか,本当は17時過ぎにテント場に着いたりしてはいけません)。
種池山荘の夜
この夜のテント場は濃いガスに覆われ,視界が効きません。ヘッドランプをつけて山小屋のトイレに行くときも「こっちで合ってるかな?」と思うくらい。星空の撮影はできなさそうですね。予報通りですが。
まあ,のんびりしましょう。小屋で買った缶チューハイを飲みながら,タイカレーを作って食べました(レトルトですけどね)。美味しかったです。
この日は疲れました。よく休みたいと思います。お休みなさい。
…続きます。
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