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【北アルプス】雪渓を抱く山・針ノ木岳に登ってきました––スバリ岳,赤沢岳を経由して種池山荘へ縦走:③稜線を辿って種池山荘へ

前記事「【北アルプス】雪渓を抱く山・針ノ木岳に登ってきました––スバリ岳,赤沢岳を経由して種池山荘へ縦走:②朝の針ノ木岳に登頂」の続きです。

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縦走路へ踏み出します!––スバリ岳へ

針ノ木岳から北へ,険しい稜線が続いています。今日はこの稜線をたどって,爺ヶ岳のふもとにある,種池山荘まで歩きます。

縦走路

縦走路は険しい稜線

6時30分。まず針ノ木岳から下っていきます。縦走路は岩の尾根を急降下。はじめからいきなり神経を使います。

鞍部まで降りてきました。この場所は「まやくぼのコル」と呼ばれます(「コル」とは登山用語で「鞍部」の意味です)。ここから見上げる,縦走路の最初のピークはスバリ岳(2752 m)。この山は岩でできたゴツゴツのピークです。この縦走路の中ボスは,このスバリ岳だと思います。ここを超えるのが最初のポイント。

スバリ岳

まやくぼのコルからスバリ岳。左奥のピークが頂上

こんな岩場を登っていきます。途中,足場はしっかりしているので怖くはないけど,落ちたらアウトだなというところがあって緊張しました。つまづいたりしないように,集中して足を運びます。

スバリ岳の岩場

スバリ岳の岩場

ヤバい場所を抜けました。スバリ岳の頂上まであと少し。振り返ると,針ノ木岳がすっくと立っています。岩肌が朝日に輝いてかっこいい。

針ノ木岳を振り返る

針ノ木岳を振り返る

最後の急斜面を登って,7時45分スバリ岳到着。ここからは,黒部湖をとてもきれいに見下ろすことができます。向こう側は立山連峰。その向こうにうっすら見えている水平線は,もしかして富山湾?

スバリ岳から黒部湖

スバリ岳から黒部湖

それにしても,よくこんなところにダム湖を作ったもんだ。 

そして,ここからもフジッサーン! /^o^\ 向かって左は八ヶ岳,右は南アルプスでしょうか。

富士山

富士山と八ヶ岳,南アルプス

スバリ岳から赤沢岳へ

スバリ岳では30分くらい休憩しました。8時15分出発。

次のピークは赤沢岳(2678 m)です。鹿島槍方面から見るとたおやかな姿を見せるのですが,こちらから見ると西尾根のゴツゴツがすごい。

スバリ岳から赤沢岳

スバリ岳から赤沢岳

赤沢岳西尾根はロッククライミングの対象となっていて,その途中には「猫の耳」と呼ばれる奇岩があります(↓ この写真だと猫の耳がすぐにわかるかな?)。

スバリ岳と赤沢岳西尾根

スバリ岳と赤沢岳西尾根:猫の耳が見えています

まず,急峻な岩場を降下していきます。せっかく稼いだ標高を降下して,また登って…縦走はそんな繰り返しです。

振り返るとスバリ岳の岩峰がど迫力。

スバリ岳を振り返る

スバリ岳を振り返る

続いて赤沢岳の登りに入っていくのですが…ここがすっごく辛かった!岩場のアップダウンが連続して,なかなか前に進みません。この区間は本当に泣きが入ってしまいました。

岩場のアップダウン

厳しいアップダウンが続きます

初日に雪渓から稜線を見上げた時も,確かにギザギザしてたんだよなあ…。

はじめはスバリ岳から赤沢岳まで1ピッチで行こうと思っていたんですが,たまらず2回も休憩を挟んでしまいました。

赤沢岳への最後の登りは急なガレ場。頂上直下は要注意箇所ですね(「山と高原地図」にも,ここには危険マークがついています)。しんどいけど集中力を振り絞る感じで登りました。

赤沢岳へ最後の登り

赤沢岳頂上直下,最後の登り

やっと赤沢岳に到着

11時10分,やっとの思いで赤沢岳に到着しました。きっつー!標準コースタイム1時間45分のところ,正味で2時間半くらいかかってしまいました (^ ^;)

へたり込んで振り返ると,針ノ木峠からかなり歩いてきたのがわかります。

針ノ木峠を振り返る

蓮華岳(左)と針ノ木岳(右)。真ん中の凹んだところが針ノ木峠

縦走路は,ここ赤沢岳で劔・立山連峰にもっとも距離が近づきます。眼前に大きく迫った劔・立山を一枚パチリ。

赤沢岳から劔・立山連峰

赤沢岳から劔・立山連峰

さて,ここから縦走は後半戦に入ります。行く手を見れば,これからたどる鳴沢岳,岩小屋沢岳。鹿島槍とその北にある五竜岳もだいぶ大きく見えてきました。遠くに青く霞んでいるのは妙高山かな?

鳴沢岳,岩小屋沢岳,鹿島槍

鳴沢岳,岩小屋沢岳。鹿島槍も近くなりました

縦走後半に向けて大休止です。コーヒーを沸かし,パンとソーセージ,チーズの昼食をとりました。

赤沢岳で大休止

赤沢岳で大休止

鳴沢岳を越えて新越山荘へ

長めの休憩で少しMP回復。次に向かうのは鳴沢岳(2641 m)です。比較的小さなピークですが,赤沢岳からこの山を見ると頂上稜線が凸凹で,なんだか嫌な予感がします。

実際に登っていくと…案の定「あそこまで登れば頂上かな?」と思って登りついたらまだ先があり,「次こそはあそこが頂上だよな!」と思って登りつくとまたまた先がありの繰り返しで…。登山あるあるなんですが,縦走後半にきてのこれはダメージがでかいです (^ ^;)  

そんなこんなで,またまた標準CTをオーバーして,13時5分,鳴沢岳到着。

針ノ木岳,蓮華岳がだいぶ遠くなりました。昨日登った針ノ木雪渓も,ここからはよく見えました。

蓮華岳と針ノ木岳

蓮華岳と針ノ木岳。針ノ木雪渓もよく見えます

ここでも10分休憩。この山を下っていくと,新越山荘があります。強い日差しを浴びて体が火照っているので,山小屋で冷たいものを飲もう。そう思って下っていきますが,ここの下りもけっこう大変。岩場の大きな段差では重い荷物が体にこたえ,「ここ,ハシゴがかかっていたらなあ…」と思うところも何箇所かありました。それだけヘロヘロだったということかもしれません。

疲れた体にムチを打って,14時20分,なんとか新越山荘に到着。ポカリスエットを一本買って,小屋の前のベンチで一気に飲み干しました。

岩小屋沢岳を経て種池山荘へ

さて,時間が押しています。すぐに最後のピーク岩小屋沢岳の登りにかかりました。この山の登りは大きな段差もなく,歩きやすかったのは助かりました。

岩小屋沢岳

岩小屋沢岳。鳴沢岳の下り途中から

草原の尾根を登って,15時45分,岩小屋沢岳に到着。

すでに日は西に傾いていて,立山連峰も逆光に霞んでいます。

岩小屋沢岳頂上にて

岩小屋沢岳頂上にて

ここで最後の休憩です。劔・立山方面の眺めも一旦見納め。

岩小屋沢岳を緩やかに下り,あとは平坦な道を種池山荘へ急ぎます。道は稜線を回り込むように続いています。針ノ木岳方面を振り返ると,「よく歩いてきたなあ」と思いますが,もう少し歩かなければなりません。

歩いてきた稜線

歩いてきた稜線を振り返る

樹林帯混じりの道を黙々と歩いて,17時40分,やっとの事で種池山荘に到着しました。さっそく小屋でテント泊の受付です。

2日目の夜をここで過ごすのは予定通りなのですが,あわよくば…早い時間についたら,その日のうちに下山してしまおうかと目論んでいたんですよ。でも,全然そんな余裕はなくて,ぎりぎりの到着になりました(というか,本当は17時過ぎにテント場に着いたりしてはいけません)。

 

種池山荘の夜

この夜のテント場は濃いガスに覆われ,視界が効きません。ヘッドランプをつけて山小屋のトイレに行くときも「こっちで合ってるかな?」と思うくらい。星空の撮影はできなさそうですね。予報通りですが。

まあ,のんびりしましょう。小屋で買った缶チューハイを飲みながら,タイカレーを作って食べました(レトルトですけどね)。美味しかったです。

タイカレー

2日目の夕食はタイカレー

この日は疲れました。よく休みたいと思います。お休みなさい。

…続きます。

 

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