前記事「【北アルプス】雪渓を抱く山・針ノ木岳に登ってきました –– スバリ岳,赤沢岳を経由して種池山荘へ縦走:①扇沢から針ノ木峠へ」の続きです。
針ノ木峠の星空
針ノ木小屋のテント場でシュラフに入りましたが,なかなか眠れません。前夜も夜行バスであまり眠れなかったのになあ。
目覚ましは2時45分にかけていたのですが,それより少し前,2時半くらいにトイレに行きたくなってテントを出ました。
すると,テント場を覆っていたガスが切れて,星が見えています。まだところどころ薄雲が残っていて最高の条件ではありませんが,もうこのまま起きて星の撮影を試みることにします。
はくちょう座ーカシオペア座あたりの天の川
例によって赤道儀を担ぎ上げているのですが,テント場は北極星が見えないので,セッティングが少し面倒です。稜線に出れば北極星は見えるし,星空と合わせる風景もいいのでしょうが,薄明が始まって明るくなってくるまでそんなに時間がありません。
それで固定撮影で撮ることにしました。またまた赤道儀がただの荷物になってしまいましたが,まあ仕方ないですね。
はじめにカメラを北西に向けて,はくちょう座からカシオペア座にかけての「秋の天の川」を撮ってみます。
木々からもう少し離れて撮れば,針ノ木岳のシルエットがかっこよく入るのですが,背後は崖でこれ以上下がれないのです(汗)。
薄雲が流れていてイマイチですが,アンドロメダ銀河も写っています。わかるかな?
明け方のテント場にて
星空を撮っていると,他の人たちも起き出して,出発の準備を始めたようです。3時くらいでしょうか。まわりのテントに明かりが灯り始めました。
そんなテントを前景にして,蓮華岳から昇ってくるぎょしゃ座〜おうし座を撮影。一番手前の黄色いのが僕のおうちです (^◡^)
テントが明るいので,露出ブレンド&深度合成をしています。ぎょしゃ座あたりにも天の川が流れているので,薄雲がなければもう少し華やかに写るんですけどね (^ ^;)
右上の星のかたまりは,プレアデス星団(すばる)です。
朝焼けの山々
さて,星空を何枚か撮ったらテントに戻って,急いで出発の準備をします。素早く朝ごはんを食べて,荷物をパッキング。食料一食分荷物が軽くなっているはずだけど,夜露でテントが濡れている分,重さは変わらないかな。
夜明け前の4時15分に針ノ木峠を出発。ヘッドランプをつけて急登の登山道を歩きます。
30分ほど登っていくと,視界がひらけ,テラス状の地形のところに出ました。ここに三脚を立て,朝の山々を撮影することにします。
夜明け前。これから歩く稜線の向こうに鹿島槍ヶ岳が遠く見えています。静まり返ったような空気。
そして…。ご来光です!山々に陽が当たりはじめます!
モルゲンロート。山の稜線が赤く染まります。遠くに見えているのは白馬岳。2年前に息子と登ったのはここ。
針ノ木岳の隣のピーク,スバリ岳は岩の塊!朝日に照らされて,岩の陰影が浮かび上がります。ゴツゴツ。この山を越えるのは,今日の縦走のポイントの一つです。
太陽がだんだん高くなって,辺りが明るくなってきます。三脚を撤収し,まだ赤く染まっている針ノ木岳に向けて登っていきます!
針ノ木岳に向かいます
登山道はぐんぐん高度を上げていきます。この日の後半はかなりへばったのですが,まだ朝なので元気です (^ ^;) それに青空の下,こんな眺めの中を登っていくんだから,辛いわけがありません。
やがて標高が上がってくると,針ノ木岳とスバリ岳の鞍部に,あいつがヌッ!と顔を覗かせてきました。そう,北アルプス北部のラスボス,劔岳です!
後立山連峰を歩くと,いつも劔岳に視線を奪われます。
一方,じゃあ北アルプス南部のラスボスは?と言われたら…頂上近くまでくると見えてきました,槍・穂高連峰。
南西側には,薬師岳がその大きな山体を見せています。あっちは富山県。
朝の針ノ木岳に登頂
6時ちょうど,針ノ木岳(2821 m)に到着しました!ずっと気になっていた山に登頂するのは感慨深いものです。
頂上で,まず目に飛び込んでくるのはこの景色。劔・立山連峰です。谷筋には黒部湖。絵はがきみたいな写真だけど,これでいいのだ。
南の方を見れば,槍穂高と高瀬湖,そして裏銀座の山々。真ん中のもっこりが野口五郎岳,右の方のでっぱりが水晶岳ですね。槍と野口五郎の間に遠く見えているのは乗鞍岳でしょうか。いやあ素晴らしい。
いざ,縦走路へ!
針ノ木岳では30分くらい休憩しました。おやつを食べながら北アルプスの山々を眺めてしばしマッタリ。
さてさて…。頂上から北のほうに目を向けると,切り立った稜線が延々と続いています。手前からスバリ岳,赤沢岳,鳴沢岳,岩小屋沢岳。さらに遠くには爺ヶ岳,鹿島槍ヶ岳。
これからこの稜線に飛び込んでいくと思うと,身が引き締まります。今日はここを縦走して,爺ヶ岳手前の種池山荘まで歩くのです。
いざ,縦走路へ!…がんばりましたが,この先はアップダウンが激しく,キツイ縦走になりました。
次は泣きが入った話…続きます (^ ^;)
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