僕は息子が生まれてから,彼が10歳になるまで登山を封印していました。そして再開したのが4年前。その後何度か山に行き,帰ってきては家族に写真を見せていたのですが,昨年くらいから息子が「今度山に連れて行って欲しい」と言うようになりました。そして最近は「歩きごたえのあるところがいい」とも。
僕にとっても息子と一緒に山を歩けるならば,こんなにうれしいことはありません。登山初心者でも安全に歩けてきれいなところ。できれば北アルプス。…白馬岳がいいですね!
そんなわけで「今年の夏は,一緒に白馬岳に登ろう」と,14歳になる息子とずっと話してきました。彼が夏休みに入り,僕の仕事も一段落つく8月上旬,天候が安定する時期をねらって入山することにします。とても楽しみです!
白馬岳について
白馬岳は北アルプスの北部,長野県と富山県にまたがった標高2932 mの山です。3000 mクラスの山としては,北アルプスで最も北に位置しています。
白馬岳山頂からさらに北に伸びる北アルプスの稜線は,途中に雪倉岳や朝日岳などのピークを連ねながら日本海に達します。その稜線が日本海に落ち込むところが親不知海岸です。
日本海に近いことから白馬岳周辺は冬の積雪量が多く,典型的な非対称山稜となっています。真夏でも豊富な残雪を有しており,東面の「大雪渓」は白馬岳に登る代表的なルートです。高山植物も豊富で「白馬」というロマンティックな名前と合わせて,魅力に満ちた山域になっています。
3年前には八方尾根に行きました
実は息子が白馬岳に接するのは今年が初めてではありません。三年前の夏,彼がまだ小学生だった頃に八方尾根に連れて行ったことがあるのです。ゴンドラとリフトを乗り継いだあと,八方池まで90分ほどのハイキング。その途中,白馬岳,杓子岳,白馬鑓ヶ岳の「白馬三山」がきれいに見えました。今回はあの稜線の上まで登ることになります。
計画を立てながら天気予報にハラハラ
8月が近づいてきました。山の天気予想サイト「てんきとくらす」とにらめっこしながら,いつ登ろうかと考えを巡らせます。天気予報を見ながら検討した結果,8月5, 6, 7日の山中2泊3日で行くことにしました。この3日間は白馬の天気予報が「A, A, A」になっていて,好天のもとで登山を楽しむことができそうです。
まず,この日程に合わせて8月4日の白馬猿倉行き夜行バスを予約しました。息子が使う登山用具はどうしようか少し考えましたが,今回はレンタル品を利用することにしました。はじめ靴だけでも買おうかと思いましたが,まだ足が大きくなる可能性があるので…。
登山装備のパッキングを済ませ,あとは食糧の買い出しを残すのみ…と思っていたら,問題が発生。出発2日前になって,3日間の白馬の天気予想がいきなり「C, C, C」に変わったのです。
何ということでしょうか!一時はキャンセルも考えましたよ。自分一人ならともかく,初めて本格的な登山をする息子には,きれいな山を見せてやりたいですからね。でもレンタル登山用具はもう届いているし…。
山の天気予想はけっこう変わるので,またいい方向に変わることを期待して,様子を見ることにします。するとその翌日には白馬岳が「A, C, C」,白馬大池が「A, A, C」になりました。むむむ…。山に入った初日は天気が良さそうなので,2日目に荒れたら下山してくることにして出発することにしました。
落石対策もします
白馬岳にはいくつかの登山ルートがあります。はじめ白馬大池にテントを張って,そこをベースに山頂往復することを考えていたのですが,地図とガイドブックを息子に見せたところ「大雪渓が気になる。行ってみたい!」と言います。そこで大雪渓を登り,白馬岳の稜線を北に辿って白馬大池に向かう縦走ルートで行くことに決めました。
大雪渓のルートは技術的には大丈夫だと思いますが,問題は落石です。雪渓の上を落ちてくる落石の直撃だけは避けなければなりません。そこでティッシュを丸めたものを息子の足元に転がし,「ラク!ほい,避けて」「ラーク!ほい避けて!」と落石を避けるアホな練習をしたりしました(笑…でも落石に対する注意は本当に大切です)。
新宿から夜行バスで白馬猿倉へ
8月4日夜,荷物を背負って登山バスが出発する新宿へ向かいます。今回はいつものテント装備に加えて2人分の食料等を背負うので,荷物が重く20 kgとなりました。これにカメラと水が加わるので,23〜24 kgを背負うことになります。こりゃ重い。天候がどうなるか流動的なところもありますが,星空が見られることを期待して赤道儀も担ぎ上げます。
新宿のバスターミナルに着いてもう一度山の天気予想を確認すると,3日間の天気が「A, B, A」に変わっています。これは期待できるかも!いずれにしても山の天気はくるくる変わるので,あとは自分たちの日頃の行いを信じるしかないですね。
23:00 バスは新宿を出発しました。猿倉には翌朝5:50の到着予定です。あまりリクライニングできないシートですが,できるだけ眠ることにします。おやすみなさい。
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