前回の記事「【北アルプス】息子14歳と行く白馬岳 (1):準備編」の続きです。
登山バスは予定よりもやや早く,5:35くらいに猿倉登山口に着きました。僕はそれなりに眠れましたが,ずっと座っていたのでお尻が痛い。息子はまだ眠そうです。
天候が心配のタネですが,朝もやがかかっているものの穏やかな天気でひと安心。かろうじて電波が繋がっていたので,スマホで「山の天気予想」を三たび確認すると,三日間の天気が「A, A, C」となっていました。これなら行けそうです!
山肌が輝く中を白馬尻へ
さっそく靴紐をしめ,軽く体をほぐしてから歩き始めました。はじめは林道を辿って行き,途中から登山道に入って行きます。樹林帯の道はまだ薄暗いのですが,あたりにかかっていた靄がサーっと晴れていくと朝日を浴びた白馬の尾根が陽に輝いているのが見え,目が覚めるようでした。
1時間ほど歩いて白馬尻に到着。ここは大雪渓に続く沢の流れに面したところにあります。沢を目で辿っていくと遠くに頂上が見えて,「いよいよ来たな」という感じのするところです。
ここで息子が眠いというので,少し仮眠をとってもらうことにしました。時間には余裕があります。僕は白馬尻小屋でトイレをすませたり地図を眺めてルートを確認したり。息子を1時間眠らせてから「そろそろ行こうか」と声をかけて出発です。息子は仮眠して元気が出たようです!
大雪渓を登ります!
沢沿いの登山道を1時間ほど歩いたところで,いよいよ大雪渓に入ります。2人でアイゼンを装着し,ストックのキャップを外しました。今年の猛暑は長野でも例外ではないようですが,雪渓の上は冷気でひんやりしていて冷蔵庫の中にいるようです。空気が冷やされてできた靄が,雪渓の上にうっすら漂っています。
ザク,ザク…雪渓はアイゼンが効いて気持ちよく歩くことができます。息子もがんばってどんどん登っていきます。大きな段差もなく足に優しいし,涼しいし…落石にさえ気をつければ雪渓歩きは夏山登山の白眉です。
雪渓は徐々に傾斜を増し,幅も狭くなっていきます。それとともに頂上が近づいてきます。そして雪の上を2時間ほど歩いたところで大雪渓を降りて沢の左岸(上流から見て左側)に移りました。ここでアイゼンを外します。ここまで落石を食らうことがなくて一安心。ですがここから上も気をつけて歩きます。
振り返ると,大雪渓は遙か下から続いていて,「よく登ってきたなあ!」と感慨に浸ってしまいます。一方,雪渓の上に両側の尾根から落ちてきたと思われる石が転がっているのはやっぱり怖いですね。
雪渓を下りて稜線へ
雪渓を下りたあと,岩がゴロゴロした斜面を登っていくこと約1時間,避難小屋に着きました。途中の「小雪渓」は夏道が出ていたので,もう一度アイゼンをつけることはありませんでした。避難小屋前で少し休憩して,再び歩き出すと,周りはお花畑になりました。色とりどりの高山植物が咲き乱れていてきれいです。
高山植物が咲き乱れる中を登っていくと,周囲の地形がカール状になってきて,稜線が近いことがわかります。
いかにも山のふところにきたという感じがしますが,このあたりからガスがかかってきました。そして稜線が間近に近づき,白馬岳頂上宿舎が見えてきた頃,急に大粒の雨が降ってきました!
大急ぎで雨具を着て山小屋へ向かいます。稜線に至る最後の斜面はけっこう急でしたが,雨の中を山小屋へ向かう息子の速いこと速いこと!おいおいおれを置いていくなー(笑)。
テントで1日目の夜を過ごします
15時20分,稜線に上がりました。今夜の宿泊場所,白馬岳頂上宿舎に到着です。まず小屋でテント泊の受付をします。その間,息子は山小屋のカフェでケーキセット (^ ^)。受付を済ませた僕もいっしょにコーヒーを飲んでいると,雨も上がりました。
二人でテント場に移動し,テントを設営したあと周りを散策しました。山小屋の周りには様々な高山植物が花を咲かせ,目を上げれば杓子岳〜白馬鑓ヶ岳の稜線をガスが流れています。北アルプスの稜線上のテント場は本当にパラダイスですね。
あたりを一通り歩いたら,テントに戻って晩ごはん。まずフランクフルトソーセージとピーマンを焼いて,周りの景色を眺めながらガブリ(美味い!)。僕は小屋で買ったビール,息子はコーラとともにいただきます。続いてご飯を炊いて,麻婆春雨を乗せて麻婆丼にしました…が,ご飯は芯が残ってしまい,ちょっと失敗。
そのあとテントに入ってお茶を飲みながらくつろぎます。「1〜2人用」という間口130 cmのテントですが,2人で入るとちょっと狭いかな。でもできるだけ中を整頓して快適にすごすように心がけます。
そして白馬の稜線が宵闇に包まれる20:30頃,シュラフに潜り込みました。おやすみなさい。息子にとっては初めての山の夜,よく眠れるでしょうか。
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