八ヶ岳に登ってきました
10月9–10日,一泊二日で八ヶ岳に登ってきました。これまでに北アルプス,南アルプス,奥秩父…いろんな山の上から八ヶ岳を眺めてきましたが,実は登ったのはこれが初めてです。
今回は行者小屋にテント泊して,ここをベースに赤岳と横岳に登る,定番といえば定番のルートです。
予報では,1日目の天気が微妙,2日目が良好。夜の天気がどうなるかわかりませんが,一応星撮りの準備もしていきます。荷物が重くなるけどね。
そして季節柄,紅葉も楽しみです。
美濃戸口から行者小屋へ
八ヶ岳の西側玄関口となる美濃戸口へは,電車とバスで行きます。この日はちょっと遅めの14:25に美濃戸口到着。
まず美濃戸口から林道歩きです。1時間弱歩くと登山口(車はここまで入れます)。ここでコースは2つに分かれます。北沢コースを進むと赤岳鉱泉へ,南沢コースを進めば行者小屋へ。今回は南沢コースを進みます。
沢沿いの登山道を黙々と登ります。途中,小さな木の橋で沢を渡ること7回。南沢沿いに2時間ほど歩くと,小屋が近づいてきたのか,登山道の傾斜が緩んできました。そして視界がひらけて稜線とご対面。
おーきれい!夕暮れどきの登山道を行者小屋へ急ぎます。到着したらすぐにテント泊の受付をして,小屋から近いところにテントを張りました。なんとか明るいうちに設営できて一安心。
晩ご飯を食べていると,パラパラと雨が降り始めました。フライシートをしっかり張っているのでテントの中は快適ですが,シュラフに入っても雨は降り続きました。
「これは星は無理かな…」そう思いながら目覚ましを3時にセットして,よく寝ることにします。
雨が上がって星空が!
3時。起き出してテントから顔を出してみると…あれっ?雨が上がって星が見えています!あわてて星空撮影の準備をします。夜明けが近いのでそんなに余裕はありませんが,何枚か撮りました。
昇る冬の星座と天の川
山の方を見ると,八ヶ岳の稜線から冬の星座が昇ってきています。
オリオン座,ふたご座,こいぬ座。おおいぬ座のシリウスも顔を出して,ちょうど冬の大三角が姿を現したところ。
冬の星座には一等星や二等星がたくさんあって華やかですね。
標高2350 mのこの場所では空気が澄んでいて,淡い冬の天の川もよく見えています。紅葉と冬の星空がコラボしているのがうれしい。山では,冬がすぐそこまで来ています。
カシオペアと秋の天の川
次にカメラを北のほうに向けて,カシオペア座のあたり,秋の天の川を撮ってみましょう。この領域はけっこう好きなんです。
透明感のある天の川とカシオペア,そして少し離れて輝くアンドロメダ銀河をみると,すっごく秋を感じるのです。秋の天の川には,虫の声がよく似合う。
写っている道しるべには「美濃戸口へ」と書かれています。ここから登山口へと下っていく山道が続いているんです。
テント場とオリオン
次はカメラを縦構図にして,ローアングルからテント場の様子を入れて撮ってみました。
そろそろ出発の準備を始めている人もいて,テントに明かりが灯り始めています。奥の方に写っているとんがりテントの一つ手前の黄色いのがワタシのおうち。
冬の空は,やっぱりオリオンに目がいきますね。山の夜の雰囲気が割とよく再現できて,お気に入りの一枚となりました。
僕も準備が整い次第,ここから歩いて稜線を目指します。
ぎょしゃ座〜ペルセウス座の天の川も撮ってみます
まだ少し時間があったので,ぎょしゃ座からペルセウス座にかけての天の川を撮ってみます。ちょっと試してみたいことがありまして。
このあたりは広角レンズで何度か撮ってきたんですが,カメラをα6400にしてから赤い散光星雲が割とよく写る感じがしてたんですよね*1。それで今回は焦点距離を20 mmくらいにして,カリフォルニア星雲がどれくらい写るかトライしてみようと。
*1 デジタルカメラのセンサーには赤外線をカットするフィルターがついており,赤い散光星雲(水素原子の発光)の光がかなりカットされます。赤い星雲がどれくらい写るかはセンサーによってけっこう違いがあるようです。天体写真を専門にやる人は,このフィルターを除去する改造をやったりします。
夜明けが近かったので露光時間は短いのですが(トータル5分くらい),カリフォルニア星雲がちゃんと写ってますね(中央少し下の赤い星雲です。その左の星の塊はプレアデス星団)。あと右下の方に「ハート&ソウル星雲」もうっすら写ってるなあ。
次回はもう少し長い焦点距離で,ちゃんと長時間露出で撮ってみます。赤道儀の改造もしたことだし,本領発揮してもらおう。
稜線へ向けて出発です
さて,もうすぐ薄明が始まります。テントに戻って素早く朝ごはんを食べて必要な荷物をザックに詰め込みます。今日はテントをここに張ったまま,軽装で上に行けるので体力的には少し楽です。
まだ暗い森の中を,ヘッドランプをつけて歩き始めます。目指すは稜線へ突き上げる地蔵尾根。天気が良いのでいい景色を見ることができそうです。
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