カメラ沼,レンズ沼…。写真を撮っているといろんな沼に沈みそうになりますよね。「三脚沼」というのもあるようで…。
かくいうワタシ,2年くらい前に Leofoto のカーボン三脚・LS284-C を買って,「三脚はこれで満足だな」と思っていました。剛性があってがっちりしており,赤道儀を乗せても安心です。
重量も,このクラスの三脚としてはまあまあ軽い方なんじゃないかなと思います(1.4 kg)。
ホント「三脚はこれで決まり!沼に沈まずにすんだゾ!」って思ってたんですよ。
でも,この間北アルプスに行ったんですけどね。その時に装備の軽量化をしていったら,三脚の重さがどうにも気になったんですよね。
荷物全体の重さが,水や食料,カメラも入れて 12.9 kg。その中で三脚が1.4 kg というのはちょっとでかかった。全体の重さの1割以上だもんなあ。
これを軽くすれば,さらに軽量化ができそう。
そんなわけで軽い三脚を探した結果,AOKAというメーカーのカーボン三脚に行きついた…という話です。
小さい三脚はいろいろありますが…
「軽い三脚はないかなー」と Amazon を除いていると,小さめの三脚がいろいろ出てきます。その多くはカーボン製の小型三脚ですね。
例えばこれとか。
これはいわゆる「ミニ三脚」。小さくて軽いのはいいんですが,最大の高さが 40 cm。ちょっと高さが足りないですね。(Amazon のサイトでは最高 714 mm になっていますが,これはセンターポールを付けていっぱいに伸ばした時の高さです)
またこんなのも見つかります。
こちらはアイレベル近くまで高さが出せるようですが,重さが753 g,もう少し軽いとうれしいかな…。
AOKA というメーカーの三脚を見つけました
そうやって軽量三脚を物色している時に,AOKAというメーカーのカーボン製ミニ三脚の広告が,ツイッターに流れてきたんですよね。
Amazonで見てみると,「軽量440 g」とのこと。これは軽いですね。脚は一番太いパイプで 16 mmφ なので細いですが,このサイズならまあ何とかなるかな?
ただこの製品,高さが最大で 389 mm とのこと(センターポールを付けない場合)。ちょっと低いですかね。卓上で物撮りする場合などはいいかもしれないけど,山で使うには…ねえ。
そこでもう少し見ていると,このミニ三脚の「ロングタイプ」というのがありました。製品名が「AOKA ミニロング CMP163CL」。
こちらは高さが 715 mm まで出せて,重さも 500 g に収まっているとのこと。軽いですね。「脚が長くなるけど太さはそのまま」って,若干不安ではありますが,これにしてみようかな。
「脚は太くがっちり,でももっと軽く」ってそりゃ無理な相談だし。
ちょっと高価だったけどポチりました。
届きました
注文後,2日ほどで届きました。いつも思うけど便利ですね。配送の方,ありがとうございます。
梱包を解いてみると,やたら立派な箱に入っていたのでビックリ。
箱の中には,三脚本体に加えて,簡単なケース,スマホホルダ,センターポール,工具などが入っていました。
三脚は…小さい!「ミニ三脚」ということで,わかっていたけど実物を手に取ると「ちいさっ!」ってなります。
メイン三脚である Leofoto の LS-284C と並べてみると,こんなに違います。
重さを計ってみると,ほぼカタログ通りの 501 g でした(雲台を含めて)。LS-284C よりも900 g 軽いですね。
立ててみます
割としっかりしています
それでは脚を開いて,立ててみましょう。こんな感じ。
触った感じはかっちりしていて,工作精度は高そうです。でもLeofoto にはちょっと及ばないかな?
こうやって脚を伸ばさない状態では,細い脚ながらガッチリしていてたわみもありません。安心。
星を撮る時は(さすがに赤道儀は載せられないので固定撮影オンリーですが),こうやって脚を伸ばさない状態で使うことになるかな。
脚を伸ばしてみます
それでは脚を伸ばすとどうでしょう。
この三脚は3段の伸縮で,脚の径は,太い方から 16 mm, 13 mm, 10 mm です。高さは 715 mm。「10 mmφ」の細い脚の強度が問題ですかね。
実際,いっぱいに伸ばして指ではじいてみると,ブルブルとわずかに振動するのが感じられます。でも立ててみると,それなりの剛性があって,上から押しても結構カッチリしています。
山ではご来光の時などに,カメラを三脚に乗せて,露出を変えたブラケット撮影などをします。そんな時でも,これなら問題なく使えそうです。
ただ軽いので,風が強い時には倒れそうな不安もありますね。重りを吊るすカラビナも付属していますが。
自撮りでカメラから離れるのは,風の弱いとき限定にしておくのが無難かも。
センターポールは強度不足
付属のセンターポールをつけると,さらに高さを稼ぐことができます。最大でほぼアイレベル。
でもセンターポールをいっぱいに伸ばした状態だと,さすがに不安定だし,グラグラ揺れるので,ちょっとこれは使えないなあと感じました。
まあ実際には,軽量化のために,センターポールを山に持って行くことはないと思いますが。
ローアングルでも使えます
逆に低いポジションはどうでしょう?
この三脚は,脚の角度を三段階に開くことができます。
脚を最も開いた状態にすると,こんなふうに地面スレスレで取ることもできます。
この辺りは最近の三脚によくある機能ですかね。
雲台はアルカスイス互換
雲台は小さいながらアルカスイス互換です。
ボールは小さいけど,けっこう固定力があります。僕の使っている α6400 なら,よほど大きなレンズをつけない限り問題ないかな。もっと大きなカメラ・レンズだとちょっとわからないけど。
またパンニングが独立してできるタイプなのは便利ですね。
雲台は総じて好印象。
ザックにつけてみましょう
それでは実際に山に持って行くことを想定して,ザックにつけてみましょう。テント泊の時は,三脚をザックの横に外付けして運びます。
LS-284C だと,「サックの横にデカくて重いものをつけてる!」という感じで,実際に三脚をつけるとしっかり重くなっていたのですが…
AOKAのミニ三脚だと,小さいのでザックのサイドポケットにすっぽり入っちゃいます。「三脚を持ち運んでるぞ」感がないですね。
背負った感じも,従来とは明らかに違っていて,三脚分が軽くなっているのが体感できます。
これはなかなかいいぞ!
この間の北アルプス(テント泊で3泊4日)の装備が全部で 12.9 kg。このAOKA を使えば,三脚が0.9 kg 軽くなるので,さらに軽量化できて 12.0 kg くらいになるということですね。食料などをさらに見直せば,12 kg を切る装備で縦走ができそう。
まとめ
AOKA のミニ三脚,CMP163CL の紹介でした。とても軽くて,最小限必要な剛性を併せ持っているので,山で使うのが楽しみです。
話が戻るけど,メイン三脚 Leofoto LS-284C はがっちりしていて,その割には軽量で,申し分ない三脚だと思ってはいるんですけどね。あくまで荷物の軽量化が大事になる縦走登山用に,このAOKAミニ三脚!ということです。
普段使いでも,「もしかしたら三脚を使いたくなることがあるかも」とか「出張先に邪魔にならないように三脚を持っていきたい」とかいう時なら役に立ちそうですね。
さて,「このミニ三脚を早く山に持っていきたいなあ,どの程度縦走が快適になるかなあ」とちむどんどんしてるんですが,晴れない…。
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