登山ギアを少しずつ入れ替えながら,装備の軽量化を計る今日この頃です。
その一環として,夏山縦走に向けてシュラフ(スリーピングバッグ)を新調しました。選んだのはポーランド・Cumulus社の軽量ダウンシュラフ,X-Lite 300です。
軽くて暖かいシュラフが欲しい
化繊シュラフを使ってきたけど…
これまで,学生の頃に買った化繊シュラフ(ダクロンホロフィル)をずっと使ってきました。
このシュラフは重くてかさばって暖かくない(笑)!
それで,暖かくて軽いシュラフが欲しいなとずっと思っていたのです。
シュラフが暖かければ,担ぎ上げる防寒着も減らすことができるので,いっそう装備の軽量化につながります。
暖かくて軽い…となるとやっぱりダウンシュラフですね。
モンベルのシュラフが定番だけど…
ダウンシュラフといえば,定番はやはりモンベルでしょうか。ダウンハガー#3 または #2 は,使っている人も多いことと思います。
僕も最初モンベルのシュラフを買おうかなと思い,#3と#2のどちらがいいかなと考えていたんですよ。「軽いのは#3だな。春,秋の山行で暖かく使えるのは#2だけど,少し重いかな?」とかね。
そんな中見つけたのが,ポーランドCumulus社の「X-Lite 300」という製品。フィルパワー (FP) 900のダウンを用いて,より軽く,暖かいシュラフに仕上がっているようです *1, *2。
一応,候補に考えたシュラフを比べると,こんな感じ。
フィルパワー | コンフォート温度 | リミット温度 | 重量 (g) | 価格 | |
モンベル ダウンハガー800 #3 | 800 | 4 ℃ | –1 ℃ | 531 g | 33,000 円 |
モンベル ダウンハガー800 #2 | 800 | 0 ℃ | –5 ℃ | 677 g | 41,800 円 |
モンベル ダウンハガー900 #3 | 900 | 5 ℃ | 0 ℃ | 557 g | 49,500 円 |
モンベル ダウンハガー900 #2 | 900 | 0 ℃ | –5 ℃ | 702 g | 59,400 円 |
Cumulus X-Lite 300 |
900 | 2 ℃ | –4 ℃ | 465 g | 309 ユーロ |
*1 フィルパワーが大きいダウンほどより多くの空気を含み,圧縮すると小さく軽くなります
*2 モンベルダウンハガー,FP900のシュラフが同800のものより軽くないのはどうしてだろう?
こうして比較してみると,X-Lite 300は最も軽く,暖かさもモンベルの#2に近い値を持っているようです。価格は円/ユーロのレートにもよりますが,ダウンハガー#2と同じくらいでしょうか。これは良さそうですね!
X-Lite 300を個人輸入
X-Lite 300は国内でも取り扱っているところがありますが(例えばここ↓),少しでも安く入手するために,個人輸入してみました。
CUMULUS X-LITE 300 / キュムラス Xライト300moonlight-gear.com
個人輸入は Cumulus のwebサイトから行います。
まずカスタマイズオプションを選択します。オプションは以下のようなものがあります。
- シュラフのサイズ
- アウター生地の種類/色
- ファスナーを左右どちらにつけるか(デフォルトは左ファスナーのようです)
- 足元の生地を防水にするか
- ダウンの配分(上面のダウンを多めにするとか)
今回はファスナーを右にして,あとは全てデフォルトのままで注文しました。
あとは「Add to Cart」をクリックして,送り先とクレジットカード情報を記入したら注文完了。住所を英語で記入する必要があるほかは,通常のネットショッピングと変わりありません。
値段は309ユーロ,Shippingフィーが25ユーロで合計334ユーロでした。加えて,関税が4500円かかります。関税は商品が届いた際に,配送業社さんに手渡しで払います。
最近は円安が進んでいるようですが,それでも国内業者を通すよりはかなり安くなりました。
届きました!
意外に早く到着しました
海の向こうからの配送です。そして今,ポーランドはウクライナから避難する人を受け入れている最中で,混乱しているかもしれない…。まあ,一ヶ月くらいかかるかもしれないなと思っていたのですが,注文後,2週間で届きました。思ったよりも早かった!
箱から出してみると,保存用のバッグに入った状態で梱包されていました。色は「Sky Captain」という黒に近い紺色。個人的には去年までのライムグリーンのモデルが良かったのですが(テントの中が明るいほうがいいので),まあ実用には差し支えありません。
これは小さい!
バッグの中には,シュラフを山に持って行くときに使うスタッフバッグが入っています。
…すごく小さいんだけど,これに入るの?
というわけで押し込んでみました。
シュラフをスタッフバッグに入れるときには,毎回きれいに畳むとダウンが片寄ってしまうので,適当にぎゅうぎゅう押し込んでいくのが正解です。
途中で「ホントに入るのかな?」と不安になりますが…
さらに頑張ってぎゅうぎゅう…。なんとか入りました!もうパッツンパッツンです!
これは小さい!もちろん持った感じもとても軽いです。
今までの化繊シュラフと並べてみるとこれ。これでザックの容量をだいぶ節約できそうですね。
広げると大きく膨らみます!
また小さくなったと見せかけて,スタッフバッグから出すと一気に膨らんで,今までのシュラフよりも大きくなります。これがフィルパワー900ダウンの威力!空気をたくさん含んで暖かいということですね。
広げると,上半身にあたる部分はかなり幅広で,ゆったり寝ることができそうです。
足元はそれほどでもありませんが,今までのシュラフより少し広いくらい。まあ問題はないでしょう。モンベルのシュラフは中であぐらをかけるくらい足元が伸びるらしいので,その辺りを気にする人はモンベルのほうがいいかも。
また軽量化のためか,アウターの生地はかなり薄いです。耐久性が気になるところ。とりあえず,テントの中で尖ったものに引っかけないように気をつけなくちゃ。
…とここで気付いたのですが,ファスナーの位置を右側で注文したはずだけど(シュラフカバーが右ファスナーなので),これは左ファスナーだな。まあいいや。
まとめ
今までのシュラフが実測 1.1 kg あったので,これを Cumulus に変えて,600 g以上の軽量化ができました。これは大きいな。
またテント泊の時にあったかく眠れるかどうかで,翌日の行動に違いが出てきます。このシュラフで快適に眠れるといいなと,次の山行が楽しみです。
ちなみにCumulusのシュラフには,他にX-Lite 200もあります。これはよりコンパクトで軽いモデル。夏山だけを考えるなら,これもいいかと思います。
実際に山で何度か使ったら,使用感などをレポートしようと思います。
(シュラフを受け取った後,Cumulus社に「ポーランド国内が大変なときに対応してくれてありがとう」のメールを送っておきました)
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