装備の軽量化を視野に入れながら,少しずつ登山装備を入れ替えています。
今回は登山用具の ”三種の神器” の一つ,レインウェアを新調したという話です。
ゴアテックスの雨具が欲しい
雨具は大事!
レインウェア(雨具)は登山用具のうち最も大切なものの一つで,登山靴,ザック(バックパック)と並んで「三種の神器」とされています。人によっては「一番大切な登山用具」という人もいます。
レインウェアは安いものから高価なものまでピンキリです。いいものだと登山靴やバックパックよりも高いですね。それでなかなか手が出にくいんですが…。
僕がこれまで使ってきたレインウェアも,割と安めのやつです。「防水透湿素材」を使っていないので,雨の日に着ると蒸れるんですよね…。だから「できれば雨具はあんまり着たくないなあ」という感覚をずっと持ってきました(そういう人,多いと思います)。
でもレインウェアは悪天候の時に体を守ってくれるものですからね,登山の安全に直接関わっています。「いいもの」に買い換えたいと思います!
水は通さず,水蒸気は逃がす
「いい雨具」。その条件は,防水透湿素材を使っていること。そんな素材の代表が「ゴアテックス」です。
ゴアテックスは延伸されたポリテトラフルオロエチレン(テフロン)で作られた膜(メンブレン)を,ナイロンなどでサンドイッチして作られた生地です。
ゴアテックスメンブレンは,拡大すると微細な網目状の構造をしています。この網目は,水滴は通さないけど,水蒸気は比較的自由に通すことができます。
公式動画によると,ゴアテックスに存在する無数の空孔サイズは,微小な水滴の 1/20,000 で,水蒸気の700倍だとか。
つまりゴアテックスで作られたレインウェアは「雨は通さないけど,湿気は逃がす」のです。すなわち蒸れにくい!というわけです。
夏の登山で従来の雨具を着ると,雨による濡れは防げても,内側からの蒸れによって,結局体が濡れてしまうということがよくありますが,ゴアテックスの雨具ならこういうことがかなり防げるというわけですね。
これまで,こんな雨具が欲しいとずっと思ってきました。
クライムライトジャケットを買いました
候補はモンベルのストームクルーザー とザ・ノースフェイスのクライムライトジャケット
数年前にゴアテックスの幾つかの特許が切れて,様々な名前の防水透湿素材が製品化されるようになりました。
そんな様々な素材を使って,最近はいろんな登山用具メーカーから透湿レインウェアが出ています。でもそれぞれの防水透湿性能を詳しく知っているわけではないので,ここは元祖ゴアテックスを用いた雨具を選ぶことにします。
ゴアを使ったレインウェアを出しているのは,ざっと見たところモンベルとThe North Face ですね(アークテリクスにもあるけど,高すぎるので除外)。
モンベルのは「ストームクルーザージャケット」。これは定番ですね。山だけでなく,街でも着ている人をよく見かけます。品質も間違いないと思います。
ノースフェイスのは,「クライムライトジャケット」です。今年モデルチェンジして,新バージョンになりました。フード周りのサイズ感を見直し,ヘルメットを装着しても余裕でフードをかぶれるようになったとのことです。
公式サイトによると,重さはストームクルーザー が254 g,クライムライトジャケットが315 g (実測はもう少し軽かったですが)。モンベルの方が少し軽いですかね。
クライムライトジャケットを選びました!理由は…
その2つで最後まで迷い,新宿の石〇スポーツで両方試着して,結局クライムライトジャケットに決めました。色は「アビエイターネイビー」です。
モンベルではなくこちらを選んだ理由は…カッコいいから (笑)!ノースフェイスのロゴがおしゃれじゃないですか。こんな僕でもちょっとだけおしゃれしてみたいという気持ちが芽生えまして (^ ^;)…お年頃か!?
まあ肌寒い時期には町でも着たいしね。
身長171 cm,体重64 kgの僕ですが,Mサイズでピッタリ。山では下にフリースなどを着込むことがあるのでLサイズを選びました。いいサイズ感です。
ポーチが付属していて,コンパクトにパッキングできるので助かります。
クライムライトジップパンツも買いました
パンツの方も新しくしようと思います。こちらは,最初はモンベルの「ストームクルーザー フルジップパンツ」を買おうと思っていたんですよ。アジの開きみたいにフルオープンになるのが,登山靴を履いたまま(場合によってはアイゼンをつけたまま)着脱できそうで便利そうだなと。
でも,ちょっと事情がありまして,こちらもノースの「クライムライトジップパンツ」を買いました。これも登山靴を脱がずに履けそうなので,その点は心配していません。
こちらもLサイズを選びました。やはりポーチ付きです。
着てみました
ソフトシェル代わりに羽織ることができそう
これらのレインウェアは,まだ山では着ていないのですが,少しだけ羽織ってその辺を歩いてみました。
従来の雨具だと,袖を通したその瞬間に「うわっ!蒸れる」と感じますが,そういう感じがなく,さらっと着ることができます。ソフトシェルを羽織る感覚で着ることができますね,これは。
「ソフトシェル感覚」…これもゴアテックスの雨具が欲しかった理由なんですよね。山でレインウェアをシェル代わりに着ることができれば,防寒具を減らすことができて,荷物を大幅に軽量化できそうだなと。
今年の夏山ではそのあたりも試してみようと思っています。
その他機能など
ジャケットの袖口はベルクロで留めるタイプ。雨が侵入しないように微調整ができます。
もちろんファスナーはシーリング処理がしてあって,水が染み込まないようになっています。
また大型のポケットが付いていて,地図などを入れて歩くのに便利そうです。よほど酷い雨でなければ,スマホを入れておくこともできるかな?
そうそう,ゴアテックスのウェアってゴワゴワするんじゃないかと気になる人がいるかもしれません(ゴアだけに)。でもジャケット,パンツともに,しなやかで動きやすいですよ。そして軽いので肩こりもせず(笑),快適です。
レインウェア自体も軽量化できました
ちなみにレインウェア自体の重さは,これまで使ってきたLOGOSの雨具が上下で640 g,対して今回買ったノースフェイスのものはジャケット296 g, パンツ210 g,合わせて506 g でした(実測)。
雨具の重さだけでも136 gの軽量化ということになりますね(これに加えて,上で書いた防寒具を減らす効果でかなり荷物が軽くなりそう)。
実際に山で着てみました
このクライムライトジャケット,8月および10月の北アルプスで使ってみました。
特に8月の槍ヶ岳は雨の中を一日歩くこともあったんですが,そんな時でもジャケットの中はドライに保たれて,とても快適でした。
非透湿素材の雨具だと,袖を通したその時から「うわっ,蒸れる!」と感じますよね。でもこのジャケットはそういうのがないので,雨がパラついてきたら躊躇なく羽織ることができます。
また謳い文句通り,ヘルメットの上からフードをかぶるのも楽でした。
10月のアルプスでは,朝方まだ肌寒い時に,シェル代わりに羽織って歩きました。その時でも蒸れることなく,防寒具としても役に立つことがわかりました。
これ,いいですよー。
おわりに
そんなわけで,レインウェアを新調した話でした。
雨具は悪天候の時に身を守ってくれるものですから,性能の良いものを選ぶことは大切です。…って,今までなかなか変えられずにきたんですが(汗)。
レインウェアの快適化と荷物の軽量化。早く山に行って,その効果を確かめたいところですが,梅雨に入るのでいつ山に行こうか思案中です。
…梅雨どきの方がレインウェアの効果をテストできるとも言えますが ←ジレンマですね。
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