
今夜(2025年9月8日未明),3年ぶりの皆既月食があります。関東では天気も良さそうですね。
月食を写真に撮ることは,思ったよりも簡単です。そこで,その際のシャッター速度や絞り,iso感度などの設定をシェアします。
はじめてトライする人には参考になるかな?
基本的な設定
月食を撮影する際の基本的な方法は以下の感じでしょうか。
- カメラは三脚に固定(特に望遠レンズを使う場合)
- 撮影モード マニュアル
- フォーカスモードもマニュアル
- ファイル形式 RAW
フォーカスは撮影に入る前に月で合わせて(遠くの街灯りに合わせてもOK),以降そのままにします。ピントリングをマスキングテープなどで固定しておくと,不用意にズレることがないのでオススメです。
2022年の月食の撮影データを共有するよ(シャッター速度,絞り,iso感度)
月食の間は月の欠け具合(輝面比)が刻々と変わっていきます。また皆既食の間の赤い月は感覚以上に暗く,長めの露光時間が必要になります。
そこで2022年の月食の際の撮影データ(シャッタースピード,絞り,iso 感度)を共有します。参考にどうぞ。
2022年の月食の記録はこちら
以下の写真は,APS-C のカメラ(α6400)に超望遠レンズ(SEL70350G)を付け,焦点距離 350 mm(フルサイズ換算 525 mm 相当)で撮っています。ホワイトバランスはオート。
なお,月が地球の影にどれくらい深く入るかは,毎回の月食で異なります。だから厳密にこの通りの写りにはなりませんが,RAWで撮っておけばあとからある程度調整が効くのでオススメです。
月が欠ける前
月が地球の影に入る前は普通の満月とほぼ同じですから,シャッタースピードや絞りは普段月を撮る時と同じでOKです。
ここでは F8,1/1600 秒,iso 200で撮っています。「満月と同じ」と言いつつ,月が影の減りにかかって,端が暗くなり始めていますね。

輝面比 8割 〜 2/3 程度
部分食の前半,月が半分以上輝いているとき。月の明るさは見た目にはあまり変わりませんが,月の中心部が影の縁にかかって,やや暗くなっています。
そこで欠けていない時よりも2段程度明るくなるように,シャッタースピードやiso感度を上げてやります。ここでは ss を 1/1600 → 1/800,iso を 200 → 400 としました(絞りはF8のまま)。


輝面比 1/2 〜 2/3 程度
月が半分以上欠けてくると,肉眼でも「暗くなってきた」と感じると思います。
そこでシャッタースピードを,さらに1〜2段遅くします。
ここでは輝面比 1/2 くらいで 1/400 秒,F8,iso 400,

輝面比 約 1/3 で 1/250 秒,F8,iso 400 としています。

輝面比が 1/4 を切ってきたら…
輝面比が 1/4 を切ってきたら,残ったところも影の縁にかかり,かなり暗くなっているのがハッキリとわかると思います。
そこでさらに1段程度シャッタースピードを遅くします。↓の例では 1/200 秒,F8,iso 400。

さてこれくらい欠けてくると,地球の影に入った部分が,肉眼でも赤く見えてきていると思います。
そこで露光時間を長くして iso感度も上げると,「赤いところ」が写ります(まだ影に入っていないところは白飛びします)。

皆既に入る前後のところは,こんな感じで「光っているところを写したカット」と「影に入ったところも写すカット」を両方撮っておくと,のちのちセレクトできていいかと思います。
皆既食
月が完全に地球に影に入り,皆既月食が始まりました。このタイミングでさらに感度を上げます。
この例で,1/10 秒,F6.3,iso 4000。欠け始める前とは全然違いますね。それだけ暗くなったんですね。

これだけシャッタースピードを遅くし,iso感度も上げると,まわりの星が写り始めるのも面白い。「月が宇宙に浮かんでいる」という感じがします。
これが月食撮影の面白さかな。
月が地球の影に最も深く入った時。ここでは撮影のパラメータはさっきと変えていませんが,1段程度明るくするのもアリかもしれません。

ただシャッタースピードをあまり遅くすると,月の日周運動による被写体ブレが起こる可能性があるので,ss 1/10 秒くらいまででとどめておいた方がいいかと思います。レンズの焦点距離にもよりますが。
皆既食が終わります
月食が最大深度を過ぎると,今度は月が地球の影の縁に近づいてゆき,徐々に明るくなっていきます。個人的には,このあたりは「月が元気を取り戻している」みたいに感じて,なんだか好きです。

月は影から出ると,再び満ちていきます。
そこで今度は,輝面比によって,欠けていく時とは逆に露光パラメータを変えていけばよろし。
上の例は皆既食が終わり,月が影から出る瞬間です。皆既食の間よりもトータルで1段程度光量を絞っています。1/15 秒,F6.3,iso 3200。
撮影した写真をまとめてみよう
撮影した写真は適当にクロップして,こんな風にまとめるとちょっとカッコいいし,記録としても価値があると思います。

タイトルもつけて,ポスター風に並べてみました。ちょっとカッコいいでしょ? (^ ^)。
天体望遠鏡とスマホで大きく撮影することもできます
天体望遠鏡とスマホを使って,月食中の月を大きく写すこともできます。

その方法はこちらの記事をご覧ください。
この撮影方法で,普段の月を写すのも面白いですよ。三日月や半月なんかもね。クレーターや光条がくっきり写ります。
月食の進行を連続撮影してみよう
先の例は望遠レンズを使って月を「一枚一枚」撮ったものでした。もう少し短めの焦点距離で,月食を「連続撮影」することもできます。
↓は,同じく2022年の皆既月食を,焦点距離73 mm(フルサイズ換算 110 mm相当)で3分おきに撮影し(露光時間などはさっき書いた通りね),あとで比較明合成したものです。

この撮影は,やはりカメラを三脚に固定して行ないます。1枚目で,月を画面のどこに入れるかとカメラの傾け方を少し考える必要がありますね(月が画面の対角線方向に動いていくようにしておくと,たくさん撮れる)。

こんな撮影だったら,望遠レンズを持っていなくても,キットレンズのテレ端(55 mmくらいのものが多いかと思います)を使って十分にできそうですね。
同じく2018年1月の月食を連続撮影したものがこちら。焦点距離209 mm(FF換算 313.5 mm)で4分おきに撮っています。皆既食に入る前は明るめに撮って,月が地球の影に入って暗くなる様子を強調しています。

まとめ
2025年9月8日未明の皆既月食(今夜遅くから明日の明け方にかけてですね)。眺めるだけでも面白いですが,写真に撮って ”科学的な記録” として残すのもとても興味深いと思います。
カメラと三脚さえあれば,想像よりも簡単に写せるのでオススメです。
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