2023年10月29日。晩ごはんの買い物を済ませてうちに向かう途中,空を見上げると満月と木星が接近しています。
どちらも明るくて見事です。
うちに着いたら,さっそくカメラの望遠レンズをつけて撮影してみました。
月と木星の接近
月と惑星は,非常にざっくりいうと黄道(天球上の太陽の通り道)付近を動いています。地球から見ると,かなり近い通り道の上を運動しているということです*1。
ほぼ同じルートの上で抜きつ抜かれつするから,いろんな惑星と月は,見かけ上接近することがしばしばあります。
今日は満月と木星が接近です。どちらも明るくて見事です。
2023年10月29日 18:24。α6400で 焦点距離は 273 mm, 絞り F6.3。
露出を月に合わせたカット(iso 400, ss 1/1250)と木星に合わせたカット(iso 3200, ss 1/400)を位置合わせして,明るいカットの月を黒く塗りつぶしてから比較明合成
露出を木星に合わせただけだと,月の表面の模様が飛んじゃうからね,
焦点距離273 mm(フルサイズ換算 409 mm)の画角に,月と木星がしっかり入っています。
これは豪華な眺めです。今までいろんな惑星と月が接近したのを見てきましたが,煌々と輝く満月と明るい惑星の接近は初めて見たかも。
皆既月食(これも満月です)と天王星の接近(蝕)の様子はこちら↓
内惑星である金星が満月と接近することはないので,満月と接近できる一番明るい惑星は木星ということになりますね。
そういう意味では,これは最もきらびやかなペアと言えるかもしれません。
*1 天球上で月がたどる道は「白道」と呼ばれています。
せっかくだから,月と木星のアップも撮っておこう
せっかくなので,月と木星をそれぞれアップで撮っておきましょう。木星はもっと長い焦点距離で撮って,ガリレオ衛星の位置も押さえておきたいしね。
満月のアップ
はじめに,満月のアップがこちら。
2023年10月29日 23:24。α6400, 焦点距離 350 mm, 絞り F6.3, ss 1/2000, iso 200, トリミング
月を撮るだけなら「半月」くらいの時の方が,クレーターの陰影がしっかり出て面白みがあるんですが。
でもまあ,こういうイベントの時ですし。それに秋の空に浮かぶ満月は,その光がよく冴えてきれいです。
満月で面白いのは,ティコやコペルニクス(クレーターの名前ね)から伸びる光条でしょうかね。光条がどうしてできるのか,不思議で仕方がありません。
木星のアップ
続いて木星もアップで撮ります。
ちなみに,月のアップと木星のアップは「月と木星を同一画面に写したカット」より数時間後の,23時過ぎに撮っています。
こうしたのは,こちらの方が ガリレオ衛星がしっかり分離して見える位置に来るからです。
2023年10月29日 23:25。α6400, 焦点距離 350 mm, 絞り F6.3, ss 1/125, iso 8000, トリミング
今日は,4つのガリレオ衛星が,全て木星の右側にいるようですね。
ガリレオ衛星に名前ラベルを入れたものがこちら。
撮影データは名前ラベルなしのものと同じです。
内側から2番目を回るエウロパが木星の一番近くに見えています。また木星から最も遠いカリストがその次に木星本体に近づいて見えていますね。
なかなか珍しい配置の時を撮れたかも…なんて思っていますが。
おわりに
ちょっとした天体ショーを,お気楽ベランダ観測した記録でした。先週24日には土星が月と接近したようなので,そちらも撮っておけばよかったな。
夜空を見上げると,時々楽しいことがありますね。
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