5月18日,川口市で花火大会が開催されました。テーマは「人と街を笑顔でつなぐ川口花火大会」で,川口市としては60年ぶりの開催なんだそうです。
花火の写真撮影は,以前からやってみたいと思っていましたが,花火大会はいつも人がいっぱいで大混雑。僕は気が小さいので,あの混雑の中にカメラと三脚を持って入って行く勇気がありませんでした。
でも,この川口花火大会は小規模ですし,季節的にもあまり人は出ないんじゃないかと思い,行ってみました。何よりも会場が自宅から近いですしね。
土手に寝転んで楽々花火を観覧
花火の会場近く,荒川の土手に着きました。自宅からほど近い,東京側の土手です。対岸を見ると,川口市側の土手には観覧席が設けてあり,人がいっぱい!でもこちら側は空いていて,芝生の上の好きなところに寝っ転がって花火を見上げられる状態です。これはいい!向こう側の方が打ち上げ場所から近くて,より迫力もあるのでしょうが,こちらでも十分です。
芝生の上にシートを敷いて家族で座り,焼き鳥など齧りながらカメラの設定をしました。今回は標準ズームレンズを使って,
- iso 100
- 絞り F16
- シャッター速度 Bulb
という設定で撮ってみました。
一発撮りで花火を撮ると…
ところで花火撮影の上手い人には,一枚撮り(ソフトウエア上での合成を用いない撮影)にこだわっている方も多いようです。そこで僕も一発撮りをやってみたのですが…。
うーん,イマイチでしょうか。明るい部分が白く飛んでしまっています(観覧した場所が,花火が奥行き方向に重なって見える場所だったことも原因かもしれません)。いずれにしても,今の僕には,花火を一発撮りで上手く撮影できる腕はないようです。
比較明合成します!
そこで,短い時間露光して写した写真を何枚か重ねて,Photoshopで比較明合成することにします。
比較明合成とは
比較明合成とは,複数枚の写真を重ねて,その中でもっとも明るいピクセルを表示するブレンドモードです。つまり「右側に花火が写った写真」と「左側に花火が写った写真」を重ねて比較明合成をすると,右と左に2つの花火が写った写真が出来上がることになるのです。
比較明合成をするには,フォトショップで「ファイル」メニューからスクリプト>「ファイルをレイヤーとして読み込み」を選び,出てきたダイアログで重ねる写真を選択します。すると複数の写真が重なった状態(レイヤー)で開かれるので,全てのレイヤーのブレンドモードを「比較(明)」にします。
僕は使ったことがありませんが,フリーソフトの「GIMP」等でも同様の機能があると思います。
https://docs.gimp.org/2.10/ja/gimp-concepts-layer-modes.html
この手法は,星の日周運動ぐるぐるの撮影にも使います。例えばこれ。
これは30秒露光を約30分間繰り返して得られた数十枚の写真を重ねて比較明合成をしたものです。
花火写真の比較明合成
話を戻します。比較明合成に使う写真を得るため,リモートタイマーを使って,花火が打ち上がりそうなタイミングでシャッターを開き,花火が開き切ったらシャッターを閉じるということを繰り返します。一枚あたりの露光時間は数秒程度です。一枚の写真に何発もの花火が移るわけではありませんから,一枚一枚の写真はちょっと寂しい感じですが…。
でも撮影した写真を何枚か重ねて「比較明」でブレンドし,各レイヤーの明るさを微調整すると,こうなりました。
こちらの方が,一枚撮りの時よりも花火の色などがよく出ているように思いますが,どうでしょう。ちなみにカメラは三脚に固定して動かしていないので,それぞれの花火の位置関係および花火と地上景の位置関係は正確です。そして現地で見ていた花火大会の印象は,よく再現されていると思います。
今のところはこれでいいかな。
おわりに
何となく,花火の撮影の仕方について,少しだけ感覚がつかめたかな?という感じです。でも夏本番の花火大会,それも隅田川花火大会や戸田橋花火大会などのメジャーどころにカメラ&三脚を持ち込むのは,やっぱり遠慮しておこうかなと思います(ビビリなので)。秋にまた近所で小規模な花火大会が開かれる予定なので,その時にまた撮ってみようと思っているところです。
ところで僕は化学系の仕事をやっています。そのせいで,花火を見るたびに「あの赤はリチウム化合物,緑は銅化合物,紫はカリウム化合物…」などと考えてしまいます。職業病ですね。
みなさん,炎色反応って覚えていますか?