
タムロンのAPS-C用 広角ズームレンズ,11–20 mm F/2.8 Di III-A RXD (Model 060) を買いました。…って,名前が長いな。以下タムロン11–20 mm って書くね。
さっそく山に持ち出して,山岳風景と星景写真を撮ってきたので,ざっくりレビューします。
結論から言うと,使いやすくて気に入っています。
- 広角ズームは前から欲しかった
- 候補は他にも3本ありました
- 仕様・外観
- 試し撮りに行ってきました
- 山に担ぎ上げて使ってみました
- 星景写真を撮ってみます
- けっこう軽量コンパクトです
- カメラケースに入りきらなくなった…
- まとめ
広角ズームは前から欲しかった
広角ズームは以前から欲しかったんですよ。登山に行くと広大な風景を写真に納めたくなりますからね。
これまでどうしてたかというと,標準ズームと広角単焦点を持って行っていました。
カメラはSonyのα6700,標準ズームは Vario Tessar 16–70 mm F4 (SEL1670Z),広角レンズはSAMYANGの 12 mm F2 NCS CSです。フルサイズ換算で,それぞれ24–105 mm および 18 mm 相当の画角になりますね。
このうち,SAMYANGの広角単焦点を TAMRONのズームレンズに置き換えたというわけですね。
候補は他にも3本ありました
ソニー,シグマ,トキナーのレンズとも比較しました
タムロン11–20 mm F2.8 を買うにあたって,他にも検討したレンズがありました。
ソニー純正の 10–20 mm F4,シグマの10–18 mm F2.8,そしてトキナーの11–18 mm F2.8 です。これらのレンズの比較を表にすると,以下のようになります。
| SONY | TOKINA | SIGMA | TAMRON | |
| ズーム域 | 10–20 mm | 11–18 mm | 10–18 mm | 11–20 mm |
| 開放F値 | 4.0 | 2.8 | 2.8 | 2.8 |
| 重量 | 178 g | 335 g | 255 g | 335 g |
| 価格 / 円*1 | 79,800 | 48,000 | 84,000 | 65,318 |
*1 価格.com の最安値(2025年8月22日現在)
それではこれらのレンズについて,少し詳しく見てみましょう。
ソニー E PZ 10–20 mm F4 G (SELP1020G)
このレンズは,検討した4本の中でズーム域が一番広く,また 178 g という驚異的な軽さ。またGレンズということで画質も間違いなさそうです。
登山で明るい時間帯に使うなら最高だと思うんですが…。
広角レンズは星景写真にも使いたいんですよね。今まで山の風景を入れた星景写真は 12 mm F2 で撮っていましたからね。2段も暗くなるのはさすがにツラい。
というわけで泣く泣く除外です。
トキナー 11–18 mm F2.8 (atx-m 11-18mm F2.8 E)
このレンズ,F2.8通しで明るいのはいいですね。重量は,タムロンと同じ 335 g です。
ただ,ズーム域が一番狭いのが難点です。広角側 11 mm スタート,テレ側 18 mm。ここがネック…というわけで,これも除外しました。価格は最も安いんですけどね。
シグマ10–18 mm F2.8 (10-18mm F2.8 DC DN Contemporary)
最後まで迷ったのがこのレンズです。タムロンと比べるとワイド端が 1 mm 広いんですよね。フルサイズ換算で15 mm 相当スタート。これは魅力です。
そして255 gという軽さ。タムロンより 80 g 軽いのか…。ここにも惹かれます。
一方,テレ側はタムロンよりも短いですね。タムロンは20 mm (FF換算 30 mm 相当),シグマは 18 mm (27 mm 相当)。シグマのテレ側はスマホの広角レンズと同じくらいになりますかね。
ワイド側が広いシグマをとるかテレ側のオーバーラップが大きいタムロンをとるか
これね,山ではオーバーラップが大きい方が,運用が楽な気がするんですよね。稜線上では,レンズ交換はあまり頻繁にできないですからね。

タムロンのレンズはテレ端が20 mmまであります。だから16〜20 mm の領域(FF換算で24〜30 mm相当)を,標準ズームと広角ズームで共有しながら使えることになりますね。
「FF24〜30 mm相当」というのは,「超広角の入り口から標準域の入り口」くらいの感じしょうか。山ではよく使うところだと思います。
ここを標準ズームと広角ズームで共有しながら使えるのは便利そうですよね。
広角側が1 mm広いシグマをとるか,テレ側(=標準ズームとのオーバーラップ)が 2 mm 長いタムロンをとるか…。
考えた末に,運用が楽そうなタムロンの11–20 mmに決めました。このレンズの重量は 335 g。シグマより 80 g 重いけど,それくらいならなんとかなるかな。
仕様・外観
サイズや見た目––まあまあコンパクトです
というわけでポチったタムロンのレンズ。さっそく開封してみましょう。
こんな外観。ズームリングとフォーカスリングのみでスイッチの類はありません(RFマウント用には AF/MF 切り替えスイッチがついてるみたい)。
鏡筒はエンプラ製で,特に高級感があるわけではないですが,安っぽくもありません。

ワイド端は11 mmで「超広角」ですが,円形フィルターが使えます。フィルター径は67 mm。レンズプロテクターは,これまで単焦点12 mmにつけていたものをそのまま流用しました。
α6700につけてみましょう。カメラボディがコンパクトなのでそれなりに存在感があります。

手に持った感じは,標準ズームをつけた時と同じくらいの重量感ですね(標準ズーム SEL1670Z の重さは308 g です)。
これなら山に持って行くのも,そう辛くはないかな。
手ぶれ補正はありません
なお,注意点として,このレンズには手ぶれ補正がついていません。僕はボディ内手ぶれ補正付きのα6700で使うので問題ないですが。
ボディ側にブレ補正のないカメラと組み合わせて使うときは,注意が必要かもね。
そんな場合でも超広角〜広角域なので,シャッター速度をある程度速くして使えば,問題ないかと思いますが。
試し撮りに行ってきました
東京国際フォーラムにて
写りはどんなもんなんでしょ?東京国際フォーラムで試し撮りをしてみました。
まずワイド端 11 mm で撮ったのがこれ。うわー,広ーい!(小学生並の感想)

続いてテレ端 20 mm がこちら。どちらも F5.6 に絞って撮影し,シャープネスはいじっていません(色調はLightroomで少し調整しています)。

「バッキバキ」とまではいきませんが,11 mm も 20 mm もシャキッと写っていると思います。いいんじゃないでしょうか。

それではレビューっぽく,この写真の中央と隅とを等倍に拡大してみます。ワイド端 11 mm,絞りは F5.6 です。


隅っこでも,解像度の劣化はそんなにないように見えますね。
丸の内KITTEや東京駅にも行ってきました
KITTE丸の内にも行ってみました。屋内吹き抜けを,ワイド端で撮ってみます。

うわー広ーい!(再び小学生並の感想)やっぱり超広角域は,こういう撮影に便利ですね。
同じく東京駅でも一枚。これもワイド端 11 mm, F5.6 です。

再び中央付近を等倍にしたものも上げておきましょう。

よく解像するので,テレ端20 mmで足りなければクロップして間に合わせるのもアリかもね。FF換算35 mm くらいまで使えると思ってていいかも。
山に担ぎ上げて使ってみました
とはいえ,こういったレビュー的な撮影よりも,実際の山での使い勝手と写りが重要ですよね。
それで,先日剱岳・立山の登山に持って行きました(というよりも剱岳で使いたくて購入したんですが)。
自分がいる山を広く撮る
それでは作例です。前剱から剱岳本峰を,ワイド端 11 mm で撮ったのがこちら。

登山中に,自分のいる山から隣の山を撮るとき(例えば悪沢岳から赤石岳を撮るとかね)なら,標準ズームで大体イケるんですけどね。こんなふうに自分がいる山を稜線から撮る…なんていう場合は,超広角域が欲しくなりますね。

超広角が特に欲しくなるのが,↑こういう場面。登山ルート上の難所を写すような時です。こういう時に画角が狭いと,周りがどういうところか写せずに,その場所の迫力や緊迫感が出せないんですよね。
柔軟性のある使い方ができます
もちろん山の周りを広く撮りたい時も活躍します。これは14 mmで撮っています。広大な剱沢カールが表現できてうれしい (^◡^)。

写りもパキッとしています。標準ズームの SEL1670Z よりもシャープな気がします。
あ,そうそう。さっき言ってた「標準ズームとのオーバーラップ」の領域ね。18 mm (FF換算27 mm相当) で撮ったのがこれ↓。レンズ交換せずにこの辺りの焦点距離が使えるのは便利ですよ。

単焦点12 mmを持ち歩いていたときは,広角は12 mmでしか撮れないのでね(当たり前),撮ったあとすぐに標準ズームに戻してたんですよね。それが面倒で…。
このレンズだと超広角 16.5 mm 相当から 30 mm相当 まで撮れるから,撮影後もそのまま付けておくことができます。柔軟性がありますね。
付け加えると,絞り羽根は7枚。絞り込むと,14本の素敵な光条が現れます。
ワイドマクロ的な使い方も
それからこのレンズ,かなり寄れます。最短撮影距離はワイド端で 15 cm, テレ端で 24 cm です。
開放絞り F2.8 なので,背景をボカしながら「ワイドマクロ」的な撮り方ができるわけですな。

こんな感じで,背景に前剱全体を入れながら,チングルマの綿毛をアップで撮ることができました。
中央付近を等倍で。絞り開放ですが,ピント面はシャープで繊細な描写です。ボケもきれい。

星景写真を撮ってみます
さて,広角レンズですからね。星景写真はどうでしょうか。
このレンズのワイド端は 11 mm,開放F値は2.8です。今まで山で星景を撮るときには 12 mm F2.0 の単焦点を使っていたので,画角はより広くなりF値は1段暗くなったことになりますが…。
さっそく剱沢キャンプ場で撮ったものを。固定撮影の一枚撮りです。

やっぱり広く撮れるのはいいですね。単焦点よりも一段暗いのが気に掛かっていましたが,iso感度を少し高く(従来の4000→5000),露光時間を少し長く(20秒→25秒)したところ,その点は問題ないかな?と思いました。
驚いたのが,周辺減光がほとんどないことです。もちろんソフトウェアによる補正も入った結果かと思いますが。むしろ補正のしすぎなのか,周辺の方が明るい画像が出てきたので,↑の写真では,周辺を暗くするような補正を行っています。
いずれにしても周辺減光が少ないということは,画面端でも F2.8 の明るさが確保できているということですよね。次の写真のように天の川を長く入れたい場合などは,心強いと思います。

星像はシャープで十分に満足しています。
中央/周辺を等倍で拡大…はあえて行いません。固定撮影なので,拡大しても星の流れが顕在化するだけで,点像がどうかの判断をフェアに行えないですからね。
F値2.8通しのズームは便利で,20 mmで天の川中心部あたりを撮ることもできました。こういう撮影は今まで出来なかったな。

山に行くとき,星景写真用に単焦点を別に持っていく必要が出てくるかな…と懸念していたんですが,これならその必要はなさそうです。
けっこう軽量コンパクトです
山に登るので,カメラ機材が軽いことはとても重視しています。
タムロン11–20 mm F2.8 はけっこう軽くてコンパクトです。「けっこう」と微妙な書き方をしたのは,先に書いたようにシグマ10–18 mm はもっと軽くて小さいからです。
とはいえ,まあ許容範囲。支障なく山に担ぎ上げることができます。
これまでに書いてきたけど,タムロン 11–20 mmは,これまで山に担ぎ上げていた広角単焦点(SAMYANG 12 mm F2 NCS CS) の置き換えとして使います。
- SAMYANG の単焦点 12 mm…245 g
- タムロン11–20 mm…335 g
90 gだけ重くなりましたか。でもそんなに問題ないですかね。重量増の分は,今回クッカーを軽量化(チタンマグにした)することで吸収できましたし。

超広角レンズ,フルサイズ用はでっかいものが多いですからね,その点このレンズ+α6700はいいなと思っています。
カメラケースに入りきらなくなった…
こんなわけで概ね満足して使えそうですが,ちょっと困ったことが一つだけ。
TAMRON 11–20 mmをつけると,カメラが山で使ってきたカメラケース "LowePro アドベンチュラ TLZ20 II" に入りきらないんですよね(入るけどチャックが閉まらない)。
どうしようか,検討中です。カメラケースを買い替えようかなあ。やっぱりパーゴワークスですかねえ…。
と思ったらフォーカスは品切れ中か…
まとめ
APS-C用の超広角ズームは何種類か出ていますが,山で使うならタムロンの11–20 mmはかなりおすすめだと思います。シグマも良さそうだけど,どっちがよいかは好みかな。
「もっと広く」ならシグマ,「レンズ交換を少なくして運用を楽に」ならタムロンでしょうかね。
こちらも見てね
星撮り用ならこんな単焦点もいいですね



