日本には,「日本三大桜」とされている桜があるのを知っているでしょうか?
福島の「三春滝桜」,山梨の「山高神代桜」,そして岐阜の「根尾谷淡墨桜」です。これらの桜に埼玉の「石戸蒲桜」と静岡の「狩宿の下馬桜」を加えて,「日本五大桜」とすることもあるようです。
三春滝桜は何度か訪ねて,その圧倒的な美しさに魅せられてきました。「五大桜」のうち,ほかの樹も見に行きたいなあ。
三春滝桜を見に行った話はこちら
幸い埼玉ならうちから近いですね。そう思って石戸蒲桜を見に行ってきました。近くの桜もいくつか回ってきましたよ。…って,もう ひと月前の話なんですけどね(汗)
石戸蒲桜
石戸蒲桜は,北本市・東光寺の境内にあります。
この日はあいにく雨でしたが…。
お寺の門を潜って蒲桜とご対面です。
んー,「樹齢800年」からもっと巨大な樹を想像していたんですが,そうでもないかな…。そう思って説明を読むと…
天然記念物に指定された当時は四本の大きな幹に分かれ,根元の周囲は十ーメートルもあったと記録されている。現在開花する幹は老木の株分けで,いわば二代目「蒲ザクラ」である。
そうだったのか。この木自体が樹齢800年というわけではないんですね。
そして花があまりパッとしないのは,雨のせいもあるかもしれません。
幹の部分をアップで撮るとこんな感じ。ここはさすがに風格がありますね。
「蒲ザクラ」の名称は,鎌倉幕府を開いた源頼朝の弟,蒲冠者・源 範頼の伝説による。一説には,範頼が石戸に来た時についてきた杖が根づいたのがこの桜で,蒲冠者の名にちなんで「蒲ザクラ」と名付けられたという。
(東光寺の看板より)
二代目とはいえ,その歴史は鎌倉時代に遡るんですね。
「〇〇大桜」って,花の見事さ以上に,樹齢とかその木が持つ歴史とかが重視されているのかもしれないですね(そう考えると,千年の樹齢を持つとともに花つきも見事な三春滝桜はすごいな)。
この桜はエドヒガンと山桜の交配種だとか。枝には白っぽい花が付いています。「古い時代から,こうやって花を咲かせ続けてきたんだよ」と,桜が語りかけてくるようです。
老木に,春の雨が降り続きます。
もう少し,桜の貫禄を強調する撮り方をしたいんですけどね。天気が天気だから,雨で白く飛んだ空を広く入れると絵にならないんだよね…。
正直ちょっと拍子抜けしたところもありますが,雨の中で桜の歴史に思いを馳せることができました。
お地蔵さんたちに見送られながら,東光寺をあとにしましょう。
北本こども公園の桜
次に「石戸宿しだれ桜」のある放光寺に向かいますが,その途中に北本こども公園がありました。ソメイヨシノに囲まれて,遊具が雨に濡れています。
僕は「遊具と桜」の組み合わせが大好きなんです。桜が子供たちを見守っているように感じてね。さすがに今日は子供の姿はありませんが。
こども公園には,なぜかクジャクが買われているケージがありました。クジャクは元気に歩き回っていましたよ。
普段は公園に遊びに来た子供たちが,歓声をあげながら見ているのかな?
放光寺のしだれ桜
少し歩いて放光寺に着きました。このお寺の桜は「石戸宿のしだれ桜」と呼ばれているようです。
個人的に惹かれるのは,この桜が三春滝桜の子孫樹とされているからです。
まだ若木のようですが,枝を傘のように広げて,なかなか見事な先っぷりだと思います。
花色にも滝桜の面影がありますかね…って,思い入れが過ぎるかな。
とはいえ,この花の密集度は,この日見た桜の中では群を抜いていました。また晴れた日に見に来たいですね。
この日は福島の桜めぐりをする前のことだったんですが,思わぬところで福島の桜の息吹を感じてうれしかったなあ。
普門寺のしだれ桜
この桜の立つ場所は桶川市になるんでしょうか。
実はこの日,歩いて桜めぐりをしたんですけどね。放光寺からこの桜まで,すっごく歩きましたよ。のどかな道だけど雨の中だったのがね…。
たどり着いた普門寺の桜。ちょっと見頃を過ぎていましたかね。竹林を背景に立っているから,晴れていればもっときれいだったかも。
花はやや小ぶりのピンク。「しだれ桜」は福島でいっぱい見てるけど,埼玉にもけっこうあるんですねえ。
高尾阿弥陀堂のしだれ桜
普門寺を後にして,再び北本市に入ります。またまたいっぱい歩いて高尾阿弥陀堂へ。ここにもきれいな枝垂れ桜があるようです。
たどり着いた阿弥陀堂。その門越しに,雨上がりのしだれ桜を額縁構図で撮ってみます (^◡^)。
独特な形をした阿弥陀堂の山門を通して,桜が立つ一角が華やいで見えます。
花は,普門寺の桜よりもさらに小ぶりの紅色。可愛らしいです。
こちらはちょうど見頃に当たったようです。きれいでした。
おわりに
「日本五大桜」から想像していたのと同じといえばウソになりますが,歴史を秘めた桜にご対面することができて,楽しかったです。
埼玉には他にも名所がいくつかあるようなので,また回ってみたいですね。
こちらも見てね