関東は桜の季節を真っ盛りです。けれども,新型コロナウイルスの影響でなかなかあちこちの桜を見に行けません。それでもうちの窓から見える桜はやっぱり美しく,なんだかソワソワしてきます。
そんな日々ですが,先日埼玉県の北のほうで仕事があったので,その帰りに寄居町の桜を撮影してきました。荒川上流域の土手に咲く桜,そして鉢形城跡の「氏邦桜」です。
寄居駅に降り立って,荒川を渡ります
熊谷駅から秩父鉄道に乗って,寄居駅に着きました。寄居町はかつて秩父往還の宿場街だったところです。現在は里山に囲まれたのどかな町となっています。
寄居駅に降り立つと,さっそく埼玉ポーズをして荒川方面に向かいます。荒川を渡る橋の上から下を覗くと,岩を縫って流れる川が美しく,僕の自宅周辺で見る荒川とは随分違った表情です。
荒川の土手には桜並木がきれいに咲いているのが見えます。行ってみましょう。
桜と東武線の電車を撮る
荒川を渡って河川敷に来てみると,おお,ソメイヨシノが満開です。そして向こう側に,東武線の鉄橋が架かっています。しばらく桜と川面を眺めていると,ゴトンゴトンと音を立てて,電車がやってきました。
これは絵になりますね!僕はそれほど鉄分の多いほうではありませんが,この光景はちょっとうれしい (^◡^)
気を良くして,次の電車が来るのも待ってみました。
よくね?(ワニさんオマージュ)
この電車は寄居と小川町を往復する各駅停車で,ガタンゴトンとゆっくり走るので,春ののどかな雰囲気によく合っているように感じます。
鉢形城の氏邦桜
さて,河原から移動しましょう。目指すのは鉢形城跡です。鉢形城は戦国時代に築かれたお城で,最初に築城したのは長尾景春。続いて小田原の北条氏時代に北条氏邦によって拡張されたと伝わっているようです。
このお城には樹齢150年のエドヒガン桜「氏邦桜」があります。寄居町指定の天然記念物になっているとのこと。これはぜひ見てみたいです!
というわけで,荒川河畔から5分ほど歩くと…
見事な桜が青空をバックに花を咲かせています。
町指定天然記念物
鉢形城の桜・エドヒガン
エドヒガンはバラ科の落葉高木種で,花季が早く,関東地方で彼岸の頃に咲くことから,この名前がついた。
このエドヒガンは,二本の幹が一旦伐採され,その株元から十二本の芽が成長したもので,樹高18メートル,株張りは東西23.5メートル,南北21.8メートル,全体の根周りは6.5メートルほどある。
枝は笠鉢状に広がり,見事な樹形を呈している。
なお,樹勢や聞き取り調査から,樹齢は150年ほどと推定される。
(寄居町教育委員会)
エドヒガンはソメイヨシノよりも少し開花が早いんですよね。この氏邦桜もやや花の盛りは過ぎたかな…という感じはありましたが,まだまだきれい。大きく広がった枝が風にそよいでいます。
カタクリやスミレもきれいです
鉢形城後には土塁などがよく残っていて,土塁の斜面には,寄居町の花,カタクリがたくさん咲いていました。俯いて咲くカタクリの花には風情があります。
視線を移すとタチツボスミレも可愛らしい (^◡^)
そしてカタクリやスミレから視線をあげて振り返ると,堂々と氏邦桜。いやあ,いいですねー。
夕空に氏邦桜
陽が西に傾いてきました。西日を浴びて佇む桜も存在感があって素敵です。150年という歳月を想いながら佇んでいるようにも見えてきます。
鉢形城を去る前に,もう一度氏邦桜をいろんな角度から眺めてみましょう。この木に限らず,立派な桜には人を惹きつけてやまないものがありますよね。僕も立ち去り難かったけど帰ることにします。
よく晴れていたので,夜になるまでいて星空と一緒に撮りたい気持ちもあったんですが,まあ自粛です。
再び荒川を渡って,寄居駅まで10分ほどの道のりを歩きます。駅のトイレでよく手を洗って家路に着きました。
そうそう,駅まで歩く途中,椿もきれいに咲いていました。
おわりに
この季節,日本各地で桜が次々と開花して,ソワソワします。埼玉県にも見たい桜がたくさんあります。今回,その一つであった氏邦桜を訪ねることができてうれしかったです。また荒川の桜と電車の風景もなんだかワクワクしました。
寄居町はいつも荒川上流のせせらぎが響いているような,静かな街でした。新型ウイルス騒ぎが落ち着いたら,また来てみたいですね。
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