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【登山靴レビュー】スカルパ・リベレHDで針ノ木岳の稜線を歩いてみた感想

前記事までに書いてきた針ノ木岳縦走は,新しい登山靴,スカルパ・リベレHDのデビュー戦でした。

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テント泊装備(20 kgくらい)を背負っての三日間の縦走で,雪渓登りや岩場歩きなどもあったので,最初のテストとしてはいい舞台だったと思います。

リベレHD

スカルパ・リベレHDのデビュー山行をしてきました

そんなわけで,リベレHDのファーストインプレッションを書いてみようかな。これまで履いていた総皮革性の登山靴(かなり古い)との比較を踏まえたものになるので「今さらそこ!?」というところもありますが,登山靴探しをしている人に,少しでも参考になればいいなあ。

最初に結論を

最初に結論を書いておきましょう。

一言でいうと,歩きやすい!です。本当に歩きやすい靴です。とても気に入りました。

でも気になる点も,ほんの少しあります。

そのあたりを含めて,もう少し具体的に書いていきましょう。

軽い!

以前の皮革製登山靴は,片足で 1.36 kg もあったんですが,カタログによるとリベレは690 g!約半分の軽さになりました。実際に履いて歩いてみると,「こんなに軽くていいの?」と思ってしまうくらい軽く感じます。

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見るからに重さが違います

大げさでなく,履いているのを忘れるくらいの軽さです(安心してください,履いてますよ!)。

針ノ木雪渓や縦走路の急坂を登る時に,今までよりも格段に楽だと感じました。今までだと,足を引き上げる筋肉(腸腰筋)が最初に痛くなっていたのですが,それがなくなりました。

これはうれしい (^◡^)

平坦な道が歩きやすい

アッパーとソールに剛性がありながら,足首部分の自由度が高いので,平らな道が歩きやすい

登山の時は,急峻な岩場が多い山であっても,やっぱり土の登山道を歩く区間は長いので,これは大切なことだと思います。

平らな道が歩きやすい!

以前の靴だと平らなところでぎこちない歩き方になり,スピードも上がらなかったのですが,これなら楽に歩けます(山に入る前,町なかを歩く時にもとても楽です)。

これなら上高地から横尾の間も楽しく歩けそうです(あそこ,長いよね…)。

横尾

横尾。ここから上高地まで,長いよね…

足入れが良い,足を優しく包み込む

この靴,「足入れ」がいいんですよね。そして足を入れた時に優しく包んでくれる感触が気持ちいいんです。

これがどういう時に効いてくるかというと,テントを出入りする時。靴を履いて山小屋に行ったりトイレに行ったりする時って,ちょっと億劫ですよね*1。あの億劫さがずいぶん軽くなった気がします。これ,けっこう大きいですよ!テント生活が快適になります。

靴の足入れの良さは,テント生活を快適にしてくれます

*1  それでサンダルを持っていく人も多いようですが,荷物が重くなるのがイヤで,僕は持って行っていません。

サイズ感とフィット感

この靴を履いて針ノ木岳を三日間歩いたわけですが,足が当たって痛くなるようなことは全くありませんでした(実は以前の靴の時は,下りでつま先が痛くなることが結構ありました。今回は問題なし)。

全体に剛性のある靴なのですが,足へのフィットは「優しい」です。足全体をふわっと包む感じ(逆にいうと,もっとタイトなフィット感が好きな人には,少し物足りないかも知れません)。スカルパでは,この足を包み込むようなフィット感を「ソックフィット」と呼んでいるようですね。

このフィット感は,最初にお店で履いた時から印象が変わっていないのですが,実際に山を歩いてみると,なぜか右足だけゆるめで,少しアソビが感じられました。靴紐を締め上げても完全にはフィットせず。僕の足は,右のほうが少し小さいのかもしれません。

以前の靴よりも(左足の)フィット感が高いので,以前は気にならなかったことが感じられているんでしょうかね。この辺り,靴下を変えたりして,もう少し試してみるつもりです*2

*2  インソールを入れるのは,山から帰ったあとうちの周りを歩きながら試してみたんですが,あまりしっくり来ませんでした。

 

グリップが良く,岩場歩きの安定性が良い

針ノ木岳〜岩小屋沢岳間の縦走では,岩場を歩くところも多かったのですが,この靴はグリップが良く,安心して歩けました(まだソールが新しいというのも大きいと思いますが)。

岩場でのグリップは良好でした

またガレ場では ↓ こんな感じで,誤魔化しながら岩に足を置くことが結構ありますよね。リベレはこういう時の安定感が抜群にいいと感じました。

岩場で「ごまかし」の足さばきがやりやすい

ソールは予想よりも柔らかいかも…でも悪くない

さっきと同じ絵になりますが,岩場で ↓ こんな風に足を置いた時,

ソールがしなる

こういう時にソールがけっこうしなる

体重をかけるとソールがしなる時があって,「思ったよりも曲がるな」と感じました(とは言っても,通常のトレッキングブーツに比較するとずっと硬いソールなので,そこは注意)。

ただ岩場で靴の前半分で立ち込んだ時にソールが曲がって不安定に感じることはありませんでした。また三日間の縦走でソールの柔らかさ由来の疲労を感じることもありませんでした。平坦な道を歩きやすいのはソールが適度にしなることとも関係があるでしょうし,「いい線を突いている」のかもしれません。

また,この「ソールの適度な硬さ(柔らかさ)」には,足裏感覚を高めてくれる効果があるように思います。さっき書いた「岩場での安定感」には,この足裏感覚のよさも効いているような気がします。草付きの斜面や木の根っこが出ているところでも滑りにくいです。

足裏感覚が優れていて滑りにくい

アッパーには剛性感があり,足を守ってくれる

アッパーには剛性感があって感触良好です。決して分厚い素材ではないのですが,ガラ場でも足を守ってくれる感じはあり,安心して歩けました。

もっと足首のサポートがあってもいいかな…

稜線を歩いていて一つだけ気になったのが,足首のサポートです。もう少しサポートがあってもいいかな,と。リベレを買う時に比較対象として迷った,スポルティバのエクイリビウムだとどうだったろう?ということが頭をよぎりました。

ただ,足首が固められていないことが「平らな道の歩きやすさ」につながっているのも事実だと思うので,この辺もまたトレードオフなのかな…。

足首のサポート

足首のサポートについてはもう少し検討します

このあたり,靴紐の締め方でコントロールできるかもしれませんし,他の山も歩いてもう少し検討してみたいところではあります。

クッション性があって,下山後に楽

以前の靴は一切クッション性がなく,下山後にコンクリートの上を歩くのがとても辛かったんです。でもリベレは(最近の他の靴もそうだと思いますが)適度なクッション性があって,山を降りた後がとても楽です。

これも山の上とは別の話ですが,けっこう大きいと感じます。笑顔で帰途につくことができますからね。「おうちに帰るまでが登山です!」

 

まとめ

長々と書いてきましたが,リベレHD,とてもバランス良く作られた靴で,歩きやすいと感じました。これからこの靴でいろんな山を歩きたいと思います。

なお登山靴は個々人の足の形などによって,フィット感をはじめ印象が大きく変わってくるし,好みもあるでしょうから,その辺は各自の判断で。

そうそう,種池山荘から柏原新道を降っている時,登ってきたグループのお兄さんから「いい靴を履いてますね!」と声をかけられて,見るとその人もリベレだったということがありました。お揃い (^◡^)

あらためて見てみると,山で出会う人たちはいろんな靴を履いてますね(今回の観測範囲では,ローヴァの人がけっこう多かった印象)。リベレはとても気に入ったのですが,それとは別に,いろんな登山靴を履いて試してみたくなりました (^ ^)

 

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