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【ウメジロー・サクラジロー】メジロの撮り方をまとめてみる

梅や桜の木にやってくるメジロ(ウメジロー&サクラジロー)を撮るのは早春の楽しみの一つです。花と戯れるメジロは可愛らしく,そしてなんとも絵になります (^◡^)

梅にメジロ

梅にメジロ

僕は野鳥撮影の経験がそんなにある方ではありませんが,*1 ウメジロー・サクラジローはけっこう撮ってきたので,そのやり方を一度まとめておこうと思います。

一応,春先の梅や桜に集まるメジロが対象の撮り方です(他の季節だとまた違ったノウハウがあるかもしれません)

*1 たまにカワセミを撮りに行って,隣に大砲レンズを付けた人がいるとビビってちっちゃくなってます

どんな日に撮る?

高速シャッターを切るために,よく晴れた日に撮る必要があります。メジロを撮るときには上を見上げることが多いので,背景が青空の方が映えますしね。

それから風が穏やかで日差しがポカポカしている日の方が,メジロがよくやってくるように思います。

晴れの日のメジロ

よく晴れた日に撮りましょう

撮影の時間帯は?

午前中の8時から11時の間くらいと午後の2時前後あたりが撮りやすい感じがしています。

動き回るメジロを撮るには速いシャッターを切る必要があるので,ある程度日が昇って明るい時間帯の方が撮りやすいです。そんなに早起きしなくてもいいってことですね (^ ^)

反面,正午近くは太陽が真上から照る感じになるので,木の上のメジロを見上げると逆光になり,ちょっと撮りにくいです。

心構えは「メジロを待つ」ことです

メジロを撮るときには「自分から撮りに」行ってはいけません。鳥だけど。

梅の木の下であまり動かないようにして,メジロがいい場所に来てくれるのを待つのです。

自分から近づこうとすると,メジロたちはびっくりして飛んで行っちゃったり枝の向こう側に回り込んだりしますからね。じっと待っていると,メジロも気を許してくるのか,だんだん撮りやすい場所に来てくれたりします

待つのが肝要…これは他の野鳥を撮るときにも共通していると思っています。そんなに野鳥撮影の経験があるわけではありませんが。

撮影機材は?

僕はAPS-Cのミラーレスカメラ(α6400)に望遠ズームSEL55210をつけて撮っています。フルサイズ換算82.5 mm–315 mm相当。ほぼテレ端で撮る感じになりますかね。このレンズはソニーのAPS-Cカメラのダブルズームキットに入ってるやつですが,これでもがんばれば結構いけます。たまに力不足を感じることもありますが,そこそこ解像します(実は安いレンズを使ってるのが恥ずかしいので,この記事を公開するのはちょっと躊躇いました 笑)。

メジロアップ

メジロ写真をアップで。よく解像しています

とはいえ正直なところ,レンズはもうちょっと焦点距離の長いのが欲しいところです。SEL70350G(テレ端でフルサイズ換算525 mm)とかいいですね。解像度も高いようだし(このあと書きますが,テレ端開放の画質は重要です)。

ところでメジロは梅や桜の花の間を忙しく飛び回るので,どうしても手持ちで撮ることになります。だからフルサイズのカメラに大砲をつけて振り回すのは,体力的にちょっと大変かな,と思います(筋トレしましょう)。

また僕自身は,撮影のときに α6400の高速連写機能に助けられています。でも以前は,毎秒3コマくらいしか連写できずAFも遅いNEX-3で撮っていたこともあるので,ボディは最近のカメラならだいたい何でもイケると思います。

カメラの設定は?

最近は,メジロを撮るときには2通りの設定を使っています。

設定その1・花の蜜を吸うメジロを撮る設定

 

花の蜜を吸うメジロを撮る設定
  • 撮影モード 絞り優先(F8くらい)
  • iso感度 基本的にAuto
  • フォーカスモード AF-C(たまにAF-Sを使うときもあります)
  • フォーカスエリア トラッキング・フレキシブルスポットS
  • ドライブモード 連写Hi または Hi+
  • RAW + Jpeg

梅や桜の枝にとまって花の蜜を吸うメジロを撮るときの設定。Aモード(絞り優先)で,絞りはF8程度にしています。いま使っているSEL55210はテレ端の開放F値が6.3ですが,テレ端開放だとかなり甘い描写になるので少し絞っているのです。210 mmだとF8でもけっこうボケるので,メジロの背景にうまくボケが入っていい感じです。

iso感度は基本的にオートにしていますが,この時にシャッター速度が 1/250〜1/800 程度になることを確認しています。晴れの日の明るい時間帯だとこれくらいのシャッター速度で,iso感度も100〜320程度に収まると思います。

フォーカスは「フレキシブルスポットS」でメジロにピンポイントでピントを合わせます。狭い範囲でピントを合わせないと梅の枝や花にピントを持って行かれますからね。

そして階調がきれいに出るように,RAWで撮ります。メジロがいい位置に来たらバッファがいっぱいになるまで連写です!

設定その2・飛翔するメジロを狙う設定

 

飛翔するメジロを狙う設定
  • 撮影モード マニュアル(iso感度をオートにする)
  • シャッター速度 1/2000 秒前後,絞り F7.1〜F8
  • フォーカスモード AF-C
  • フォーカスエリア トラッキング・フレキシブルスポットS
  • ドライブモード 連写 Hi+
  • Jpeg

もう一つは飛翔するメジロを狙う設定です。さっきの設定といちばん違うところは,Jpegで撮影するようにして,連写を長く続けることです(Jpegにするとファイルサイズが小さくなるので,バッファが詰まるまでに長い時間連写を続けることができるのです)。α6400の場合,Jpeg スーパーファイン/連写Hi+ で100枚程度(10秒くらい)連写を続けることができます。この間にメジロが飛んでくれたらオッケーというわけです。

メジロの様子を観察して,飛ぶタイミングを予想して…って言いますが,予想はあまり当たらないですね (^ ^;)

もし連写の間にメジロが飛ばなかったら…?その場合は結果として「蜜を吸うメジロ」の写真が撮れることになります。Jpegなのでレタッチ耐性は低いし,後で書くようにiso感度が上がるので少しだけ画質が落ちますが,これはまあ仕方がないですね。

とはいえ,100枚近い連写の間シャッターボタンから指を離さないって,けっこう勇気がいりますよ (^ ^;) 一度うちでリハーサルしてみましょう。

さて,飛ぶメジロの動きはすごく速いので,撮影モードはマニュアルにしてssを 1/2000 秒前後にします。また絞りを F7.1〜F8にしています(開放でも解像度のいいレンズなら,シャッター速度優先モードにしてもいいでしょう。iso感度がオートにできないカメラの場合もシャッター速度優先モードを使うことになりますかね)。

飛ぶメジロ

ss 1/1250 秒。もう少し速くするべきだったな

この設定だと,シャッターを速くするので iso感度が上がります。明るい昼間で iso 1000 くらいまで上がるでしょうか。これよりも上がると(α6400の場合)画質的にちょっと厳しいかな?という感じ。それで iso感度上限を1600に設定しています。

まあ,明るさが足りずにiso感度が上がりすぎる場合は,素直に蜜を吸うメジロを撮ることに専念しましょうかね。

フォーカスはリアルタイムトラッキングを使っていますが,飛ぶメジロの動きはとても速いので,追尾が外れることも多いです…が,まあそこは気合いで(笑)。

 

写真を選びます

こうして連写をすると,大量の写真がたまっていきます。一回の撮影で,64 GBのメモリーカードがいっぱいになることもしばしばです。

うちに帰ったら,まずこの中から「使えるカット」を選ぶ作業が待っています。メジロが可愛らしく写ってる写真を選ぶのです。

ピンボケの写真やメジロが飛び去って木の枝だけが写ってる写真,メジロの後頭部だけが写ってる写真…そういうのを片っ端から消去していきます。これがひと仕事!実はメジロの撮影は,写真を選ぶのが…というかいらない写真を消していくのがいちばん大変なんですよ!(^ ^;)

128 GBのSDカード買おうかな。だいぶ安くなってきてるし。

現像

現像はLightroomでもLuminarでもカメラメーカーの現像ソフトでも,はたまた最初からPhotoshopでもいいと思います。メジロの身体は抹茶色で,白梅や桜の花に比べると,やや暗く写ることが多いです。メジロが逆光になっていたり,花の影に入っていることもあります。そこで,多くの場合シャドーを持ち上げて,メジロを明るくしてやります

撮ってだし
調整後
左:調整前,右:調整後 シャドー +100

こうするとメジロの羽毛の描写にメリハリがなくなることがあるので,明瞭度を少し上げることもあります。また梅や桜の花の陰影がフラットになって立体感が損なわれることがあります。その場合はシャドーを持ち上げる際にマスクをかけたり,後からフォトショの「色域選択」で花を選択して,トーンカーブでコントラストを取り戻したりします。

あと,場合によってはメジロにシャープを控えめにかけることもあります(やりすぎ注意)。

必要ならトリミングをします

また,必要に応じてトリミングもします。鳥だけに。

一例として河津桜にメジロ。元の写真は 6000 x 4000 ピクセルの横構図で撮っています。

トリミング

赤枠にトリミングします

これを 3000 x 4000 ピクセルの縦構図(オレンジ色の枠)にトリミングしました。得られた写真はトータル1200万画素。これを4つ切りに引き伸ばしてプリントしても,300 dpi 以上を確保できるので十分です。

河津桜にメジロ

3000 x 4000 px の縦構図にトリミング

こんな感じで一応完成。

ちなみにカメラを最初から縦構図に構えてメジロの動きを追うのは,かなり疲れると思います(笑)。

野鳥撮影でもトリミングなしにこだわる人もいるようですが,すばしっこいメジロの動きを追いながら構図を追い込んで撮るというのはかなり難しいなーと思っています。

これはノートリミング

ノートリミングで行くこともあります

まとめ

ということで,一応まとめるとこんな感じです。

POINTS
  • 明るい時間帯にできるだけ速いシャッタースピードで撮る
  • メジロにピンポイントでピントを合わせる
  • 連写する!
  • 大量の写真からセレクトを頑張る
  • 現像ではシャドーを持ち上げる。必要ならトリミング

僕の感覚だと,メジロはおっとりしていて割と撮りやすい方かなあ。よく見かける小鳥の中では,撮りやすさは メジロ > スズメ > シジュウカラ という感じ。シジュウカラは高い木の上にいることが多く,警戒心も強くて難しい感じがします。(カワセミは別格に難しいです…)

シジュウカラ

シジュウカラはちょっと難しいです…

梅の季節も終わりに近づいて,これから「桜にメジロ」になりますね。

東京では緊急事態宣言が続いているのであまり遠出ができず,近場(都内)でできる野鳥撮影は楽しみを与えてくれる貴重な機会となっています。

またカメラを持って,鳥のいる公園にお散歩に行こうと思います。

 

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