以前「スウェーデンソングコンテスト」に出て,スウェーデン民謡を歌った話を書きました。
この時は日本語の訳詩で歌ったんですが,「来年はスウェーデン語で歌いたいね」と仲間で話しています。
それで今,スウェーデン語(特にその発音)を手探りで勉強しているところです。
新しい言葉を勉強するのは面白い!特にスウェーデン語は「まるで歌っているようだ」と評される,柔らかい響きを持つ言葉なのでなおさらです。
さてさてスウェーデン語を上手に発音するには,身体の中からスウェーデンに染まらないとね!特に胃袋から整えないとね!
…というわけで,スウェーデン料理を食べてきました(笑)。
六本木「Lila Dalarna」でランチ
スウェーデン料理を食べに行ったのは,六本木にある「Lila Dalarna (リラ・ダーラナ)」というお店。ギロッポンでランチ,ナウいだろぉ?
店名にもなっている「ダーラナ地方」はスウェーデンの真ん中あたり,首都ストックホルムの北に位置しています。ここは森と湖に彩られ,スウェーデンの古い伝統が色濃く残っているところ。「スウェーデンの人々の心が帰る場所」と言われています。
スウェーデンで最も盛大に祝われるのが「夏至祭」。長く厳しい冬を過ごす北欧の人たちにとって,花咲く夏は特別な季節なのでしょう。
ダーラナでは夏至祭が毎年盛大に行われ,「本当の夏至祭が見たければ,ダーラナに行くことだ」と言われているんだとか。
いま練習している「Uti vår hage」はよく夏至祭で歌われる曲だそうで,うん,この店はランチを食べる場所としてバッチリですね。
リラ・ダーラナはこぢんまりした居心地のよいお店
リラ・ダーラナは2階にあります。階段を登っていくと…おっ,Siljan と書かれたポスターが。
「Siljan(シリヤン,シルヤ湖)」はダーラナ地方にある湖です。3億年以上前に隕石が衝突してできたんだとか。いくつもの小島が浮かぶ,美しいところみたい。
スウェーデン民謡「Vindarna Sucka Uti Skogarna (邦題 静かに風が吹く,ダーラナの森を)」にこんな一節があります。
静かに風が吹く ダーラナの森を抜けて
早瀬は落ち 川にあふれ
うねりうねりシリヤンへ
もうさっそく頭の中で歌が鳴り始めます♪
お店に入ると,こぢんまりした居心地のいい空間。ランチコースがあるので,これをオーダーします。
応対してくれたのは,とても感じの良いお兄さん(料理の説明もしてくれました)。ほ,惚れてまうやないか!
ランチを食べます
まず前菜から
はじめに前菜です。
ニシンの酢漬け3種類,サーモン,カニと野菜の和え物,肉のパテと,クネッケブロート・チーズ添え。
ニシンのマリネが美味しかった!スウェーデンでニシンといえばシュールストレミングが有名ですが(世界一臭い料理なんでしたっけ?),さすがにそれは出ません。でもやっぱりニシンをよく食べるんですね。北海道と共通点を感じるなあ。サーモンを食べるところもね。
クネッケブロート knäcke bröd は英語で crisp bread,サクサクした食感のパンです。
「ö」の発音にはちょっと苦戦しているので(アヒル口で舌を前の方に出して,オとエの中間音を出す感じ),「knäcke bröd」「bröd」「ö」「ö〜」と練習しながら食べます(笑)。
サラダはマカロニ入り
続いてサラダですよー。いろんな野菜にマカロニが添えてあります。そのため結構ボリュームがあってですね,最初これがメインなのかと思いましたよ。
フレッシュでいいですなあ。ミニトマトもジューシー。
チキンオバジンはボリュームたっぷり
さて,これがメインディッシュ。「チキンオバジン」です。叔母人…じゃなかったオバジンて何かわからなかったけど,何となくチキンが食べたい気分だったので,メニュー表から選びました(ランチの料理は他にも何種類かありました)。
茄子とライスをチキンに詰めて,ホワイトソースとチーズをかけて焼いたものと言えばいいでしょうかね。
スウェーデンでもライスを食べるんですね。意外です。ちょっとリゾットにも似てるかな。チキンはこんがり,茄子がいいアクセントになっています。
美味しいだけじゃなくて,すごいボリューム!お腹がはち切れそうになりました(笑)。
食後の fika
食後は choklad (chocolate) と bär (berry) のケーキで fika。
fika って何かというと,スウェーデンのコーヒータイムのこと。「カフィ」をひっくり返してできた言葉なんだそうです。楽しいですねえ (^◡^)。
ちなみにchoklad の "ch" はスウェーデン語で「sjの音」と呼ばれ,口の奥の方でフーッと息を出す,難しい発音です。choklad はあえてカタカナで書くと,「フクロード」みたいな感じ。
bär の「ä」は口をやや横に開きながら,口の前の方で「エが混じったア」を出す感じですかね。
スウェーデン語の母音字は9つあって,そのうち「i, e, ä, ö, y」は口の前の方で出す「front vowel」,「a, u, o, å」は口の後ろの方で出す「back vowel」です。またそれぞれに長母音と短母音があるので,母音は全部で18種類ということになりますかね。
ケーキのお皿には blå bär (blue berry) も乗っていました。blå bär は,いま練習している「Uti vår hage」に出てくるんですよね。
Uti vår hage där växa blå bär
Kom hjartans fröjd!ブルーベリーが実る,私たちの草原よ
心の喜びよ来たれ!
花とベリーで彩られたスウェーデンの草原。長い冬の後にやってくる短い夏は美しいでしょうねえ。そんな光景を思い浮かべながら,パクリ!
fika を楽しみながら,お店の中を眺めます
さてコーヒーを飲みながら,のんびり気分でお店の中を眺めてみましょう。
テーブルにはダーラナホース。スウェーデンの伝統的な民芸品で,福を呼ぶ存在なんだとか。何となく,会津地方の「赤べこ」に通じるものを感じます (^◡^)。
壁にはポストカードや絵皿が飾られていて,素朴ながらおしゃれです。ギロッポン(←言ってみたいだけ)の喧騒とは無縁ですな。
小さなカウンターもあります。夜はここで一杯やれるのかな?
ちなみにコンテストの時にお話ししたスウェーデン人のJonasさんによると,スウェーデンではみんなビールが大好きでよく飲むんだとか。
ビールはスウェーデン語で「öl」。「ö」の発音をマスターしないと注文できないですね。「口の前の方で出す,オとエの中間音」…スウェーデン語のチュートリアル動画によると,「ビール (öl) を飲みすぎてオェ〜ってなった時の声がパーフェクトな ö の発音」なんだって (^ ^;)。
↑ この人の動画,面白い!
いやあ,美味しかったしお腹がいっぱいになりました。満足感高し!
今度はディナータイムに,öl を飲みながら食べてみたいなあ。
おわりに
日本ではあまり馴染みのないスウェーデン料理。
初めての料理を食べるのは楽しくて美味しかったし,またちょっとスウェーデンの文化に近づけたような気がしました。
これでスウェーデン語の発音が一歩上達できる…かな?できるよね。
いいお店だったのでまた行きたいなあ。
こちらも見てね
シュールストレミングもネットで買えるんですね(汗)