秋たけなわですね。紅葉のきれいなところに行きたい!
ということで,行ってきました。福島市の紅葉スポット,「文知摺観音 (もちずりかんのん)・普門院」です。このお寺は百人一首の歌枕の地であり,福島市の指定文化財でもあるとのことです。
お寺のホームページにも,新緑と紅葉の頃が特にきれいだと書かれています。これは楽しみです!
文知摺観音へ
朝夕はだいぶ冷え込むようになってきましたね。この日も福島駅に降り立つと,ひんやりした空気にハッとする思いでした。
文知摺観音は福島市の中心部から6 kmくらい,阿武隈川を渡った先にあります。公共交通で行くなら,福島駅東口から「宮下町・大波経由掛田駅前行き」のバスに乗って,15分くらい。「文知摺」で下車して徒歩5分です。
この季節,境内に足を踏み入れると色づいた楓の木々に包まれた空間が広がります。空気が急に凛となったように感じられます。この雰囲気の変化にはちょっと驚きました。
はじめにあるのは鐘撞堂。瓦屋根が,今が見頃の紅葉に包まれて,とてもいい雰囲気です。
鐘撞堂を過ぎて,お寺の参道を歩いてゆきます。あたりは見事な紅葉です。気持ちが静まり,ゆっくりと歩みを進めたくなります。
観音堂にて
参道を進んでいくと,観音堂があります。ここでは多くの人がお参りしています。僕もここで手を合わせました。しばらくすると,近くの保育園の子どもたちが遠足 (?) でやってきました。静かだった空間が一度にぎやかになってニンマリ (^◡^)。
文知摺観音は歌枕の地
百人一首にはこんな風に歌われています。
みちのくの しのぶもちずり 誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに
河原左大臣(源融)
陸奥のしのぶもちずりの乱れ模様のように、あなた以外の誰のために心が乱れ初めた私ではないのに
またここ文知摺観音は多くの歌人に親しまれたところで,紅葉に包まれて正岡子規の歌碑も佇んでいます。
涼しさの 昔をかたれ
しのぶ摺
確かに一首詠みたくなるような場所ですね。僕にも歌の心得があれば,ここで詠んでみるのですが (^ ^;)
普門院の多宝塔
そして境内を奥の方に進むと,端正な形をした多宝塔があります。これは多宝塔として日本で最も北にあるものだそうです。
多宝塔は静かな木陰に包まれており,背景には紅葉。絵になる風景です。
それにしても見事な紅葉です。青空をバックに,カエデの葉をアップでも一枚。
多宝塔からさらに奥に進むと,小さな池があります。紅葉と青空を映してきれいです。和風モネの池とでもいいましょうか (^◡^) 初夏には睡蓮の花が咲くのでしょうか。
文知摺観音をあとに
さてそろそろ時間です。名残惜しいですがお寺を後にしましょう。境内入り口にある鐘撞堂をもう一度振り返ります。青空に今が盛りの紅葉。ちょうどいいタイミングで来ることができてラッキーでした。
お寺を出ると,ところどころ紅葉した山を背景にススキが光っていて,これもまたきれいな光景でした。
おわりに
ひんやりとした空気としっとりとした雰囲気のお寺,そして紅葉の下の光と影。短い時間の滞在でしたが,とても素敵な空間でした。
紅葉って色彩はとても派手なのに,その中に包まれていると気持ちが静かに落ち着いてくるから不思議です。
文知摺観音の近くの阿武隈河畔には白鳥も飛来するそうなので(ツイッターのフォロワーさんに教えていただきました),今度は雪が降る頃,白鳥さんに会いにきたいと思います。
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