ゴアテックスのレインウェアは,登山の強い味方です。
「水は通さないけど水蒸気は通過する」ゴアテックスの雨具は内側からの蒸れを防ぎ,悪天候下の登山を快適に&安全にしてくれます。
けれどもレインウェアを山でハードに使っていると,どうしても汚れてくるのは仕方のないところ。
そんな時にはレインウェアを洗濯しましょう。思ったより簡単にできますヨ。
ゴアテックスの洗濯が必要な理由
ゴアテックス製品は,微細な空腔を持つポリ(パーフルオロ)エチレンのメンブレンを,ナイロンなどの繊維でサンドイッチした構造を持っています。
この表面または内部が泥や皮脂で汚れると,水蒸気の通過を妨げるようになるため,洗濯は大切なのです。
ゴアの雨具を洗濯しよう
ゴアテックス製品の洗濯は,思うより普通に,簡単に行うことができます。
洗濯機に入れて,いつも通り洗うだけ。
注意点は以下に書いたあたりでしょうか。
- レインウェアのファスナーを全て締めておくこと。これは洗濯中にファスナー部分が絡み合って生地が痛むのを防ぐためです
- 洗剤はやや薄めにする。洗ったあと洗剤が残らないように,液体洗剤のほうがいいかもしれません
- 漂白剤や柔軟剤は使わない
まあ,そんなに特別なことはないですね。
それでは,レッツランドリー!
いつも通り,洗濯機に任せて洗います。洗い終わったら,レインウェアに洗剤が残っていないか確認しましょう。
もし残っているようなら,「すすぎ」をもう一度行えばOK。
脱水も普通にやります。そのあと雨具をハンガーにかけて陰干しです。この日は曇りだったのでベランダで干しました。
洗濯したら,アイロンをかけます
レインウェアがかわいたら,もう一手間。アイロンをかけるのです。
アイロンを「低温」にして,当て布をしてかけます。この時,スチーム機能は使わないことが大切です。
アイロンをかけることで雨具表面の撥水機能が復活し,水を弾くようになります。
ゴアテックス製品の洗濯は,基本的にはこれでおしまい。簡単です!
撥水性が大切な理由
ところでなぜ撥水性が大切なのでしょう?それは,「撥水性がないとレインウェアの表面に水の膜ができてしまい,透湿性が失われるから」です。
上の絵を見てもらえれば一目瞭然。撥水性が失われて雨具表面に水の膜ができると,せっかく雨具内部の水蒸気がゴアテックスメンブレンを通過しても,その膜が放出を妨げるのです。
撥水剤を使ってみよう
けれどもゴアテックスのレインウェアを長く使っていると撥水剤が落ちてしまい,アイロンがけだけでは撥水性が復活しないことがあります。
そんな時には撥水剤が市販されているので,これを使って撥水性を復活させるとよいでしょう。
撥水剤にはスプレータイプのものや漬け込みタイプのものがありますが,今回使ったのはファイントラックから出ている漬け込みタイプの撥水剤。
ゴアテックスの登山用シェルジャケットなどを販売しているファイントラック社のものだから安心です。
値段は3回分 (450 mL) で2200円だったかな?(今回はジャケットとパンツを付け込んだので,2回分,300 mLを使いました)
まず撥水剤を300 mL計り取りたいのですが,料理用の計量カップで直接計るのはさすがに気が引けますね。…というわけで,水を300 mL計り取り,これをペットボトルに入れて「ここまでで300 mL」という印をつけました。
この印まで撥水剤を取ります。見た目,カルーアミルクのようで美味しそうですな。
この製品は,「一着につき,150 mLの撥水剤を1350 mLの水に入れて使用する」ようになっています(シェルジャケットの場合。製品ごとに違うと思うので確認してね)。今回は300 mLの撥水剤を使うので,2700 mLの水に入れることになりますね。
洗面器に規定の量の水を張って,撥水剤を入れたら,レインウェアをつけ込みます。
この時,レインウェアが乾いた状態なら一度水で濡らしてから入れたほうがいいみたい(ショップの人にそう言われました)。
まあ,そう気張らずともよいかな。
レインウェアに撥水剤が行き渡るように,時々上下をひっくり返しながら1時間。
つけ込みが終わったレインウェアは,そのまま陰干しします。乾くと,撥水剤を施す前とは雨具の手触りが変わったのが感じられます。
乾いたら,さっきと同じように,低温で当て布をしてアイロンがけ。
これで撥水性が完全に復活です!どうです,雨を玉のように弾きます。気分がいいね (^◡^)。
これで次の山行もバッチリですね!
おわりに
ゴアテックスのレインウェアは,山歩きの心強い相棒です。荒天の山では,これに命を預けることになる場合もあります。
お手入れは思ったよりも簡単なので,手が空いた時にやっておきたいですね。
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