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【北アルプス・穂高縦走】大キレットに行ってきました––3日目:奥穂高岳,前穂高岳を越えて上高地へ下山

槍・穂高にご来光


前記事「【北アルプス・穂高縦走】大キレットに行ってきました––2日目:越えるぜ大キレット!」の続きです。

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今日は最終3日目。奥穂高岳,前穂高岳を越えて上高地へ下山します。

3日目記録

2023年8月24日
穂高岳山荘テント場 (4:40) – 涸沢岳 (5:00–5:35) – テント場に帰着 (5:50) – 穂高岳山荘出発 (6:10) – 奥穂高岳 (6:55–7:05) – 紀美子平 (9:05–9:15) – 前穂高岳 (9:55–10:10) – 紀美子平 (10:40–11:00) – 雷鳥広場 (11:15) – 岳沢パノラマ (11:50–11:55) – カモシカ立場 (12:25) – 岳沢小屋 (13:30–14:00) – 天然クーラー (15:40) – 岳沢湿原 (16:20–1630) – 上高地BT (16:45)

休憩を除いた総行動時間 9時間30分

涸沢岳に登ってご来光を迎えよう

今日は奥穂高岳,前穂高岳に向かう予定ですが,その前に涸沢岳に登ってご来光を迎えたいと思います。

2時半に起床,のんびりとした動きでシュラフをたたみ,朝ごはんを食べ,テントを撤収。

荷物を収めたザックは穂高岳山荘の前に置いて,カメラだけ持って涸沢岳へ向かいます。ヘルメットは一応被っていこうかな。

頂上付近はガスが多めでしたが,5時13分,ご来光!

涸沢岳にてご来光

涸沢岳にてご来光です!

ガスが濃くて,朝日に染まる山は見られないかな?と思っていたら…キター!

アレよアレよという間に雲が抜けて,穂高の稜線が姿を表しました!

朝の槍・穂高

キター!朝の槍・穂高

右のツインピークが北穂高岳。遠くに槍ヶ岳。目の前のゴツゴツの稜線を,ずっと歩いてきました。

昨日の緊張と試練(特に北穂を過ぎてから,雨の中の岩稜帯は厳しかったな)が,全て報われるような光景。ちょっと涙が出そうになったのは内緒です。

槍ヶ岳方面をズームアップしてみましょう。

槍ヶ岳〜南岳をアップで

槍ヶ岳〜南岳をアップで

雲をまとった槍ヶ岳,なんて荘厳な姿。

槍から続くスカイラインの右側で,高くなっているところが南岳です。その斜面が切れ落ちてところが大キレットの入り口。昨日の朝,ここを下ってここまでやって来ました。

反対側,奥穂高岳は上部がガスに包まれています。朝の奥穂が見たくて涸沢岳に登って来ましたが(奥穂高岳から奥穂高岳は見えないからね),このガスがとれることはありませんでした。

奥穂高岳

朝日を浴びる奥穂高岳

こちら西側,飛騨高山市の方角かな。街を覆った雲に三角形の影が。「影穂高」ですね。すごっ。

影穂高

"影穂高"

笠ヶ岳も雲をまといながら朝日に染まります。カッコいい!

笠ヶ岳

笠ヶ岳

今回の縦走はずっといい天気とはいかなかったけど,この朝を迎えられただけで十分に満足です。

美しき世界!

奥穂高岳・日本第3位の頂へ

それではテントに戻って,奥穂,前穂に向かって出発しましょう。

今日の行程も気を抜いて歩いていいところではありません。

奥穂の登り,吊尾根,重太郎新道の下り。大キレットほどではないとはいえ,集中して歩く必要があります。

まず奥穂高岳へ向かいます。穂高岳山荘を出発してすぐのところにある,ハシゴ・クサリがかかった岩場が核心部です。

穂高岳山荘を出発

穂高岳山荘を出発,奥穂に向かいます

最初の急斜面を抜けると,あとはガラ場の,普通の登山道になります。ガスが流れる中をのんびり気分で頂上へ向かいました。

そして穂高岳山荘のテント場を出発してから45分で,奥穂高岳 (3190 m) に到着です!ここは富士山,北岳に続いて,日本で3番目に高い山です。

奥穂高岳頂上にて

奥穂高岳到着!(お社の屋根に手をかけてないよ)

あいにく頂上はガスの中。眺望は効きません。奥穂の頂上は2回目ですが,前回もガスだったなあ。

吊尾根を歩いて前穂高岳へ

奥穂高岳から「吊尾根」に入ります。

まず「南陵の頭」から続く長いクサリ場の下り。そのあとは,稜線の南側をトラバースする登山道が前穂まで続きます。

吊尾根をゆく

吊尾根をゆく

ここ吊尾根は,時々「ここは要注意だな」というところがありますが,それ以外は大キレットに比べるとリラックスして歩けました。

縦走路は相変わらずガスの中ですが,時おりサーッとガスが流れて,峰々が姿を現します。

こちら奥穂高岳から西穂高岳へ続く稜線のギザギザ。とんがってるのは天狗の頭間ノ岳かな。奥穂〜西穂の縦走は,今の僕の技量では行けないかなあ。

西穂高岳方面の岩峰群

西穂高岳方面の岩峰群

谷を埋めたガスが流れると,岳沢を見渡すことができます。前穂に登った後はあそこまで下りて行きます。

うーん,まだ先は長い。

岳沢が見えた

岳沢が見えました

吊尾根は奥穂高岳と前穂高岳,2つのピークにかけた鎖のような形(懸垂線というんだっけ)で続いています。

前穂が近づいてくると道は上りに転じ,目の前に明神岳が現れました。

おととい上高地を歩き始めた時に拝んだ御神体の山を,今度は反対側から見ているわけですね,

明神岳

明神岳

西穂高岳,明神岳。ここから見える山々はいずれも人を寄せ付けない,イカツイ姿です。

一瞬,奥穂まで見渡せるくらいガスが晴れました。一番高いところに見えている岩のとんがりはジャンダルム。憧れと恐怖の「岩の要塞」です。

奥穂,ジャンダルム方面

一瞬の晴れ間!奥穂,ジャンダルム方面が見えます

この瞬間に奥穂に立てていたら…って思いますが,まあしかたないよね。今回は節目節目でいい景色を見ることができたから,割と満足しています。

吊尾根の登山道を辿っていくと,意外にあっけなく紀美子平に到着。

ここは前穂高岳へ登る道と吊尾根を辿る道が分かれるところで,ザックをおろして休むことができます。この日も数人の人が休憩をとっていました。

紀美子平

紀美子平到着

ちなみに「紀美子平」という名前は,穂高を開拓した今田重太郎さんが,ルート開拓の際に娘の紀美子さん(当時5歳!)をここで遊ばせていたことに由来してるとのことですが…。

なんてところで遊ばせるんだよ!(笑)

…それはさておき,僕もここにザックをデポして,前穂を往復してきましょう。急傾斜の岩場を登ること40分,前穂高岳 (3090 m) に登頂です!

前穂高岳登頂

前穂高岳登頂

ここでもガスで展望はありませんでした。涸沢岳でも一緒になったとても気持ちのいいお兄さんとお話をして,写真も撮ってもらいました。

ここは晴れていればこんな景色が見えます。5年前に登った時に,前穂高岳から見た奥穂高岳。

前穂高岳から見た奥穂高岳(5年前)

前穂高岳から見た奥穂高岳(5年前)

さて再び紀美子平まで戻り,お昼ごはん(ベースブレッドとチーズ)を食べて最後の下りに備えます。

重太郎新道を下ります

それでは紀美子平から,重太郎新道を下ります。

実はこの重太郎新道の下り,かなり身構えていました。気の抜けない急傾斜が続くので,「テント泊装備を背負って下るのは気をつけないとな」ってね。

最後まで集中して行きたいと思います。

まずスラブ状の岩にかけられた長いクサリ場を下ります。そのあとも急な下り。うん,やっぱり結構やっかいだ。

岩場を越えて下り,15分ほどで「雷鳥広場」。すでに吊尾根の稜線が見上げる高さになっていてびっくり。

ライチョウ広場にて

雷鳥広間にて

ここ重太郎新道には,岳沢小屋までの間に「雷鳥広場」「岳沢パノラマ」,そして「カモシカ立場」という3つのチェックポイントがあるんです。

雷鳥広場なのにライチョウはいないなあと思ってたら,かわりにホシガラスがいました (^◡^)。ハイマツの実を食べているようです。

しばらくその様子を眺めていたんですが,お腹が一杯になったのか,程なくして飛んでいきました!

ホシガラス飛翔!

ホシガラス飛翔!

ホシガラスが去った山道を,ひとり急降下して行きます。歩きやすく整備されたところが少しの間つづいて,岳沢パノラマ」に到着。

岳沢パノラマから岳沢小屋へ…ちょっとした苦行アリ

眼下に岳沢小屋の赤い屋根が見えています。手が届きそうなところに見えるけど,知ってるんだ。まだまだ遠いってね。

岳沢パノラマ

岳沢パノラマ

ここ岳沢パノラマは,ちょっとしたテラス状の地形なので一息つくことができます。

谷を挟んだ向かい側には,西穂高方面の稜線が屏風のように展開します。

岳沢パノラマから穂高の稜線

岳沢パノラマから穂高の稜線

さて再び下り始めたのですが,ここでちょっとした問題発生。

…トイレに行きたくなりましてね(笑)。

岳沢パノラマから下にはクサリ場やハシゴがあって,要注意箇所が点在しています。

そんな中「トイレー!でも集中!トイレー!でも集中!…あぁ〜,でもトイレー!」って心の中で叫びながら下っていきます。これは苦行w

重太郎新道名物,長いハシゴ

重太郎新道名物,長いハシゴ

カモシカ立場もさっさと通過して,最後に重太郎新道名物の長い梯子を下ります。続いてすぐに,通せんぼするような岩の割れ目を抜けます。

あとは樹林帯の道。ここから先はストックを出して岳沢小屋へ急ぎます。トイレー!(汗)

岳沢小屋に到着

樹林帯を抜けると岳沢の岸に沿ったテント場。テント泊している人たちの間を抜けて,岳沢を渡り,やっと小屋に到着です!

ダッシュでトイレへ。滑り込みセーフ(笑)。

岳沢小屋に到着

岳沢小屋に到着

岳沢小屋のテラスでは,宴会をしているグループもいます。ここはとても気持ちのいいところ。僕も生ビールを一杯…という誘惑に駆られますが,踏みとどまりました。

テラス脇には「ハイジのブランコ」もあります。試しに乗ってみましたが,けっこう怖かった(笑)。

岳沢小屋「ハイジのブランコ」

岳沢小屋「ハイジのブランコ」

晴れていたら乗鞍岳の方へ浮遊する感じになるんでしょうかね。

ここ岳沢小屋までで,この山行の核心部が全て終了しました。残りの行程はリラックスしてオッケーです。

 

上高地へ下山,さるっこもおったよ

30分くらいのんびりしたあと,上高地へ向けて下山します。あとは樹林帯の中の緩やかな下りなんですけどね。

岳沢小屋で緊張を解いたら,急に荷物が重く感じられるようになりまして。脚の疲れもドッと出てきましてね。

へなちょこな歩みを上高地まで続けました。マジでヨレヨレ。

樹林帯を上高地へ向かいます

樹林帯を上高地へ向かいます

1時間下ったところで腰を下ろして休憩。振り返ると穂高の稜線。標高はまだ2000 m近くあります。

途中,穂高が見えるところも

こんな歩みでも確実に標高は下がっていると見えて,だんだん森のしっとり感が感じられるようになってきました。

さっきまでゴツゴツの岩ばかりだったのにね。

切り株

森の主?

この切り株は森の主かな?苔むして,貫禄があります。

上高地が近くなってきました。ヤレヤレあと少し…と思っていたら,登山道をサルのファミリーが悠々と歩いてくるではありませんか。

ストックをカチカチと鳴らしてみても一向に動じません。それどころかみんなでこっちに向かって歩いてきます。

さるっこもおったよ

さるっこもおったよ

これはちょっと怖かった。でも特に危害を加えられることもなかったのでホッとしました。

そしてたどり着きました,岳沢湿原。澄んだ水。みずみずしい景色が目に沁みます。

岳沢湿原に到着

岳沢湿原に到着

このあたり,湧き水があるのかなあ。こんこんと流れる水が楽園のようです。向こうに見えているのは六百山。

岳沢湿原と六百山

岳沢湿原と六百山

上高地はもうすぐそこだけど,思わず足を止めて,しばらく見入ってしまいました。

そしてやっと上高地に到着です。

上高地

いつもの景色。水位が低いかな?

いつもの景色ですが,何度見てもきれいです。今日はちょっと梓川の水量が少ないですね。

遠くに見えているのが穂高の稜線。さっきまであそこを歩いていたのが何だか信じられない気持ちです。

 

おわりに

今回はいろいろとハードな山行でした。

下山直後は「岩場はもうお腹いっぱい」という感じだったんですが,しばらくするとまた穂高に行きたくなるから不思議です。

次は逆コースを辿ってみようとか,槍ヶ岳スタートでもっと長い縦走をしてみようとか,妄想が捗ります(笑)。

上高地にて

上高地にて

天気はずっと最高とはいきませんでしたが,節目節目でいい景色を見ることができたので割と満足しています。

夜はずっとガスがかかっていたので,星空撮影ができなかったのは残念。でもこういう山行の時は,あれもこれもと欲張らず,星は最初からあきらめておくべきだったかもしれません。

そうすれば三脚やインターバルタイマーを置いていけたので,もっと荷物を軽量化できましたかね。ここが反省点といえば反省点。

ともあれ無事に下山できたので,まあヨシとします。

ハードだったせいか,下山してから4日間ほど足のむくみが取れないというオマケがつきました。岩場で指先がすり減って,パソコンが指紋認証を受け付けてくれないというオマケのオマケもついたりしました。

 

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