前記事「【不帰の嶮】北アルプス・白馬岳〜唐松岳縦走 2日目:不帰キレットを越えて唐松岳へ」の続きです。
2日目夜。夕方に晴れたので星空を期待したのですが,テント場は再びガスに包まれました。そういうことならばと,さっきまで干していたシュラフに潜り込みます。
前日は雨の中でよく眠れなかったせいですかね。シュラフはまだ湿っていましたが爆睡できました (^◡^)。
こうして迎えた3日目朝です。

- 八方尾根へ下山
- 植生が目まぐるしく変わります
- 八方池にて
- 八方池より下は遊歩道––観光客も増えてきます
- 白馬八方に到着,まず温泉です!
- お昼ご飯を求めて彷徨する…締めはソースカツ丼!
- おわりに
- 3日目記録
八方尾根へ下山
この日は,天気が良ければ五竜岳に足を伸ばして,遠見尾根を下るつもりでした。
でもガッスガスですねえ…。
これは素直に八方尾根を下って,白馬八方でゆっくり温泉に浸かったほうが幸せになれそうです。
せめて「五竜岳の姿が雲間から見えないかな?」としばらく待機していましたが…ガスが上がる気配が感じられません。
…下山するとしましょう。6時半に八方尾根への道を歩きはじめました。

この八方尾根の道,下半分は遊歩道っぽく整備されていますが,唐松岳の直下はしっかりと山道です。
不帰の嶮を越えてもう危険地帯はないとはいえ,お家に帰るまでが登山です。リラックスした気分ながらも,ちゃんと足元を見て歩きましょう。

岩ゴロの道をすぎ,小さな湿原を超えていくと…

道の両側に背の低い灌木が出てきました。
天気は相変わらずガスガスですね。もっと早々に下山を始めてもよかったかな。

そして程なくして樹林帯に入りました。標高は2400 mくらいでしょうか?
「意外と樹林帯に入るのが早いな」なんて思いながら進みます。

斜面が急なところでは,木々が雪の重さに負けて,横に伸びています。さすが豪雪地帯の山ですなあ。

おおむね歩きやすい道が続きます。そんな中を下っていくと,あれ?また木々がなくなってきました。不思議だ。

視界がきいて,唐松岳の広大な斜面に息を呑みます。晴れていなくても,こんな景色が時おり見えるとうれしいものですね。

植生が目まぐるしく変わります
ちょっと下るとまた樹林帯。森の主のようなダケカンバが,空に向かって腕を伸ばしています。こんな木にはなんだかカッコ良さを覚えます。
風雪に耐えて,腕を大きく広げてる姿にね。

紅葉にはまだちょっと早いかな。今年は紅葉も遅れているみたいですね。
木々の緑がまだ瑞々しくて,目に染みるみたい。

谷を見下ろすと,ガスで埋まっています。その向こうは不帰の山肌でしょうかね。
唐松岳登山は北アルプスでは初心者向けとされていますが(不帰キレットに行かなければね),こうしてみると周囲の山は深いですね。

赤く色づいてきた実もあります。小さい秋見つけた。

ダケカンバの白い樹肌は,北アルプス北部らしくてうれしいです(南アルプスにもダケカンバの森があったけど)。そんな森に見守られながら下ります。

そうして進んでいくとまたまた樹林が切れて開放的な光景が広がりました。むむむ?ここの尾根の植生はどうなっているんだろう?不思議です。

そんな不思議な尾根を1時間半くらい下ったでしょうか。チェックポイントである八方池が見えてきました。

八方池にて
八方池は,ここ八方尾根の夏の目玉となる景勝地(冬の八方はもちろんスキーだよ)。
条件が良ければ,池に映る白馬三山が格好の被写体となります。今日はガスで白馬の稜線は見えていないけどね。

それでも山の上にある湖は美しく,池の周りを巡りながら長い休憩をとりました。

このあたりは夏の早い時期なら高山植物が咲き乱れるのですが,さすがに9月中旬ともなると花は少ないですね。でもマツムシソウの青が涼しげできれいです。

時おり陽が射すと,不帰の山肌に虹がかかります。山の上で見る虹は,近くて大きい!

リフト終点からここ八方池までは遊歩道が整備されていて,手軽なハイキングコースになっています。いろんな案内看板も出ていますね。
なになに?「植物群落の逆転現象」だって?

八方尾根では黒菱平から八方池にかけてハイマツや高山性の植物群落が見られ,これより標高が高い上部にもダケカンバの林が現れます。さらに標高が上がると,再び本来の高山性植物が分布しています。
黒菱平から八方池にかけては高山植物も多く,高山植生が亜高山植生よりも低いところに逆転して生育しています。
(中略)
この逆転現象は八方尾根が超塩基性岩(蛇紋岩)からなり,この地質的特徴に起因していると考えられています。
おお,歩きながら「不思議な植生だなあ」と思っていましたが,地質のせいだったのか!

ここまで上がってきたハイカー向けに,八方池付近から見える山々も表示されていますよ。北の天狗原からはじまって白馬三山,天狗の頭,不帰の嶮,そして唐松岳。ちょうど僕が歩いてきた山々だな!

ずいぶんのんびりしたけど,再び下山にかかりますか。ここにはまた来るような気がします。白馬は大好きだからね。八方池,またな! (^◡^)
八方池より下は遊歩道––観光客も増えてきます
八方池から下りはじめるとすぐに出会うのが「八方ケルン」。下界は雲海の下ですね。

ここから下は観光の人も来る領域で,歩きやすい道になります。こんな木道がずっと続きます。
どんどん飛ばして行きたくなりますが,濡れた木道は滑りやすくて,時々「おっとっと!」ってなるので(なりました)あまり調子に乗ってはいけません(汗)。

石畳の場所もあります。
リフトの営業時間になり,この辺りから観光にきた家族連れとひんぱんにすれ違うようになりました。

そして程なくリフト乗り場。唐松岳山荘から3時間弱の道のりでした。これで登山は実質終了です。

リフト乗り場の周りにはノコンギクがいっぱい咲いていました。秋の花の季節です。

それではリフトに乗って下界に下りましょう。まず「グラートクワッドリフト」に乗ります。片道500円。リフトを降りてから料金を払うシステムでした。

クラートクワッドを降りると黒菱平。この辺はガスの中です。標高1680 mですか。

次に「アルペンクワッドリフト」に乗ります。雲の下に出てきたようで,白馬の町が眼下に見えてきました。
リフトに座ってるだけで,どんどん町が近付いてきます。これは楽ちん楽ちん。

アルペンクワッドを降りると「兎平」です。この辺はスキーで何度か来ましたね(リフトもいいけどスキーで降りたいかも 笑)。

そして最後にゴンドラリフト「アダム」に乗り換えです。いやあ,下山で楽ができるのはいいですなあ。わーいゴンドラ。さん太ゴンドラだーい好き!

白馬八方に到着,まず温泉です!
というわけで,あっという間に白馬八方に着きました。白馬岳から不帰キレットを越えてきたハードな縦走でしたが,最後はあっけない幕切れですね。

さてさて。まだ午前中。余裕があります。
まず温泉温泉!冬はスキー客で賑わう白馬の街を抜けて,向かったのは日帰り温泉「八方の湯」
縦走の途中で雨に打たれたりしたので,暖かいお湯は最高!生き返るようでした。靴の中も濡れて足が臭くなっていたので,念入りに洗いましたヨ。
お昼ご飯を求めて彷徨する…締めはソースカツ丼!
温泉を出たら次は昼めしです。五竜岳に向かうために,この日の昼用の食料もザックにあったんですが,やっぱりどこかでガッツリ食べたいよねえ。
ところが…。この日は連休明けの火曜日。食べ物屋さんがどこも軒並み閉まっていて,ご飯にありつけません。
これは困った。空いてる店はないか〜?と空腹ゾンビの如く徘徊します。

昼ごはんを求めて歩いてスキーリゾートエリアから下っていき,ジャンプ台が見えるところまで来ました。
でも出会う飲食店はやっぱり閉店中。

そうやって歩いているうちに,とうとうJR白馬駅前まで来てしまいました。ここでやっと開いているお店を発見!駅前の「ふじや」というお店です。
ここで食べたのはソースカツ丼!5年前に栂池で息子と一緒に食べたのが忘れられずにね,自分の中では「白馬といえばソースカツ丼」になってる(笑)。

ガッツリいただきます。大変美味しゅうございました!これで登山を締めくくることができました。
さて,JRの駅まで来てしまいました。南小谷発の特急あずさが白馬にも止まるので,電車で帰ることにします。まだ時間があったので,駅待合室でソフトクリームを食べたり,お土産に信州わさびふりかけを買ったりして過ごしました。
待合室に掲示されていた,白馬岳の雪形の説明を「なるほどー」と見ているうちに電車の時間。

あとは一路新宿へ。2日目とは打って変わってライトな3日目でありましたな。
おわりに
大好きな山域である白馬にあって,「いつか行かなきゃな」という課題であった不帰の嶮。こうして無事に山行を終えることができました。
天候は…1日目が雨だったし,3日目もガスで五竜岳に行けなかったけど,2日目の核心部で気持ちよく歩けたのでヨシ!とします。
不帰キレットは確かに痺れたけど,定評どおり大キレットよりは難しくなかったかな。体力的にはけっこうキツイけどね。
五竜岳には,いつか八峰キレット経由で登りたいと思います。
3日目記録
2024年9月17日
唐松岳頂上山荘 (6:30) – 丸山ケルン (7:05–7:10) – 八方池 (8:25–8:55) – クラートクワッドリフト乗り場 (9:45)
休憩を除いた総行動時間 2時間40分
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