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【北アルプス】双六岳,鷲羽岳,槍ヶ岳に登ってきました –– その4・西鎌尾根を登って槍ヶ岳へ,そして下山

槍・穂先


前記事「【北アルプス】双六岳,鷲羽岳,槍ヶ岳に登ってきました –– その3・双六小屋をベースに鷲羽岳を往復」の続きです。

天気が悪くて写真が少ないので,文章がダラダラと続きます。適当に読み飛ばしてください (^ ^;)

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3日目記録

05:55 双六小屋出発 – 06:30 樅沢岳 – 07:10 硫黄乗越 – 07:50 左俣乗越 – 09:15 – 千丈乗越 – 10:25 槍ヶ岳山荘

雨が降ってきた!

3日目の朝。とてもよく眠れました。目覚めもスッキリ。今日は西鎌尾根を辿って,槍ヶ岳に向かう日です。

テントから顔を出してみると,ガスがかかっています。入山前の予報では,「この日は午前中はまずまずの天気,午後から雨かも」となっていましたが…。「歩き始めるまでにガスが晴れるといいなあ」なんて思いながら,テントの撤収にかかります。

ところが,テントをたたんでいる途中で,ザーッ!と強い雨が降ってきました!

あわててレインウェアを着込みましたが,テントが雨に濡れて重たくなってしまった(泣)。

小屋の前でしばらく様子を見ていたのですが,状況は変わらず。まあ仕方がないですね。歩き始めましょう。

樅沢岳へ…即席パーティー結成

双六小屋から,まず樅沢岳に向かいます。西鎌尾根末端にある小ピーク。

尾根沿いの登山道には,雨だけでなく風も強く吹いています!

雨の中,樅沢岳へ

風雨の中を30分くらい登っていくと,3人パーティが立ち止まって何か相談しています。そして登山道を引き返し始めました。荒天なので下山することにしたようです。

その近くにソロの方がもう一人。僕が近くまで行くと「行かれますか?」と聞いてきます。さっきのパーティが引き返したので迷ってらっしゃる様子。

僕は樅沢岳まで行って,そこで天気予報を確認しようと思っていたので,その旨を伝えました(双六小屋は山に遮られて携帯の電波が入らなかったのです)。すると「ご一緒させてください」とのことで,即席パーティーの結成となりました。

6時半に樅沢岳到着。ここで電波が入ったので天気予報を確認します。「天気とくらす」では,お昼から晴れて「A」になるという予報。SCW気象予報では微妙な感じでしたが。

「これから良くなるという予報です。行けそうですね」

というわけで,ここからは2人で進みます。

西鎌尾根をゆく

樅沢岳を過ぎてしばらくは,ハイマツの中の平凡な道でしたが,しばらくすると岩稜帯が現れてきます。「それらしくなってきましたねー」なんて言いながら,連続する鎖場を通過していきました。

西鎌尾根の岩稜

西鎌尾根の岩稜

天気が悪くて視界が効かないので,高度感は感じません。晴れてたらどんな感じなんでしょ。いずれにしても西鎌尾根,難しいところは特にないかな?という印象でした。

鎖場をいくつか越えて,9時15分千丈乗越。ここから上には鎖場はほぼなくなり,山肌をジグザグに登る急登になります。

西鎌尾根

西鎌尾根・千丈乗越付近

すでに標高が3000 m 近いので息が切れますが,降り続く雨の中,なんとかがんばって登ります。稜線が近くなると信州側の岩場が見えるようになり「すごい岩ですねー」なんて話したり。

そうして10時25分,槍ヶ岳の肩にある「槍ヶ岳山荘」に到着しました。双六小屋からトータルで4時間半。なかなかいいペースでした。天気が悪くて何にも見えないので,休憩をとる間もなかったというのもあるかもね。あと写真を撮るために立ち止まることもほとんどなかったし。

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即席パーティはここで解散です。一緒に登ってきた方は小屋泊まりということで,お別れ(ちゃんと連絡先を聞いておけばよかったな。またどこかの山でお会いできますように)。

テントを設営します

当初の予定では,天気がよければこのまま槍の穂先に登って,そのままババ平まで下ってしまうつもりだったんですよ。そうすれば最終日に楽ちんですからね。

でもこの天気,いま登っても何にも見えないよなあ…。

「もしかしたら明日の朝晴れるかもしれない。そのワンチャンに賭けてみよう」…ということで,このまま槍ヶ岳山荘のテント場に幕営することにします。

岩に囲まれた指定地にテントを張りますが,強い雨風にあおられて,ちょっと大変。そして張り終わったら,テントの中が水浸しです。こりゃひどいや…。

でもここで,テッテレー♪ 今回の秘密兵器登場!ニトリの超吸水スポンジ!

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これ,びっくりするくらい吸水します。これでせっせとテントの床を拭いては絞り,拭いては絞り…。格闘することかれこれ小一時間,なんとか快適な空間を作ることができました。

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そのあと,山荘の食堂(キッチン槍)に行って牛丼を食べて,またテントに戻って3時頃から晩酌&夕ご飯。

なかなかのぐうたらぶりですな。風雨の中のテント暮らしはなかなか厳しいけど,いつもより一層秘密基地っぽいと言えないこともない(苦笑)。

グリーンカレー

晩ご飯はグリーンカレーなどなど

そんなわけで,3日目は短めの行動と雨の中のテント生活で暮れていきました。この日も7時にシュラフに入ります。

シュラフを濡らさないように気をつけなきゃ…。おやすみなさい zzz

 

4日目記録

5:40 槍ヶ岳山荘発 – 6:05 槍ヶ岳 – 6:25 頂上発 – 6:50 槍ヶ岳山荘 – 7:10 下山開始 – 7:40 殺生ヒュッテ – 8:35 グリーンバンド – 10: 00 大曲 – 11:00 槍沢ロッヂで炙りカルビ丼を食べる – 12:05 一ノ俣 – 12:45 横尾 – 15:40 上高地BT

槍の穂先に登頂します!

4日目,最終日です。この日は3時に起床。外は相変わらずガス&時々小雨です。

まずシュラフを畳んで,チキンラーメンミニを食べて,テントを撤収。

日の出が5時くらいなので,4時少し過ぎには槍ヶ岳山荘前に移動しました。ここから槍の穂先に登るのですが,天気は変わらずですね。ちょっと待機…。

でもしばらく待っても晴れてくる様子はありません。あんまり遅くなると下山にも差し支えるし…ということで,5時40分に登り始めることにしました。

クサリ,ハシゴが掛けられた岩場を,3点支持でよじ登っていきます。

槍の穂先へ

槍の穂先へ

岩が濡れているので気を使うところもありましたが,特に問題なく,最後のハシゴを登り切って槍ヶ岳頂上(3180 m)に到着!

上からハシゴのところを見下ろすとこんな感じ。

槍の頂上

槍の頂上から

頂上にはガスが流れます。頭上にほんのちょっと青空が見えることもあるんですが,穂高方面も,常念岳方面も,そして歩いてきた双六方面も見えません。こればっかりは仕方がないですね,天気には勝てん (^ ^;)

槍ヶ岳頂上

槍ヶ岳頂上にて

そして頂上にいた人に写真を撮ってもらったんですけどね。あとから見たらヘルメットを後ろ前反対に被っていたことに気づくというね(笑)。

降りましょうかね,ちょっと締まらないけど。再び岩場を下って小屋の前に戻ります。

下りの岩場

槍ヶ岳は登りと下りでコースが別々に設定されています

ところで,途中の岩場が怖かったのか,頂上に着いた途端に泣き出していた女の子がいたんだけど(大学生パーティかな?),あの子は無事に降りることができたかな?

 

下山します!

あとは下山するだけです。槍ヶ岳山荘前のベンチでおやつを食べてから,槍沢コースを下り始めます。

食料をほぼ食べ尽くして,荷物がその分軽くなったと思いきや,テントが水を含んでいてプラマイゼロという感じですかね。

槍ヶ岳山荘からの下り始めは岩ゴロゴロの道。

下山します

はじめは岩ゴロゴロの道

殺生ヒュッテを過ぎ,播隆窟(槍ヶ岳を開山した僧が修行したという岩穴)を過ぎ,どんどん下ります。

道は槍沢のカール地形の中に続いています。モレーンをハイマツが覆っているところがグリーンバンド*1。ここで雲の下に出たのか,視界が広がりました。いったん立ち止まってレインウェアを脱ぎます。

*1 「グリーンバンド」って初めて聞いた時は,エベレストのイエローバンドを連想して,緑色の岩からなる地層があるのかと思ったものだなあ。

グリーンバンドにて

雲の下に出て,視界が広がりました

下って下ってババ平まで来ました。カールの底なので,この辺りから傾斜がゆるやかになってきます。

ババ平

ババ平。槍沢ロッヂが管理するテントサイトです

ババ平からさらに30分ほど歩いたところにある槍沢ロッヂで一休み。ここで「炙りカルビ丼」を食べてお昼ご飯としました。今回はタンパク質補給に気をつけて,山小屋では肉系のものを食べました。

稜線の上は岩ゴロゴロだったのに,ここまで下ってくると水が豊かになりますね。苔むした岩を沢の水が洗います。

苔むした岩肌

スローシャッター手持ちチャレンジ!

唐突に矢沢宰の詩を思い出してみたり。

ふるさとの山にあった 苔むした岩肌をたたき
そのひびきは 命の中にも流れていた

(矢沢宰「ふるさと」から)

やがて梓川の上流に沿った道になりました。そして12時45分,横尾に到着。ここで事実上,山歩きはおしまいです。

梓川上流

梓川上流に沿って

横尾から上高地へ

横尾に着いて,家族に「無事下山したよー」のメールを送りました。ついでにツイッターにも「げっざーん!」の投稿。

おつかれさま!と言いたいところですが,ここから上高地までの林道歩きが長いんです。イヤになるくらい長い。でもなるべくのんびり歩きたいと思います。

梓川とミニケルン

梓川とミニケルン

横尾から1時間で徳沢,さらに1時間で明神。この辺りで観光客の数も増えてきます。

穂高奥宮

穂高奥宮@明神。明神岳が御神体かな?

明神からさらに1時間歩いてやっと上高地バスターミナルに到着。河童橋から穂高を望む,定番の写真を一枚。ど定番とはいえ,この風景は本当にきれいです。

梓川と穂高

河童橋から,梓川と穂高連峰

上高地のトイレで体を拭いて,お土産を素早く買って,新宿行きの高速バスに乗り込みました。これで本当のおつかれさま!

おわりに

3泊4日の山歩き,天気は微妙でしたが無事に歩ききったのでヨシ!槍の穂先からの眺めを見ることができなかったので,またいつかリベンジですね。

ところで今回は「荷物の軽量化」を心がけて,13 kg 弱のザックで出発しました。実際には「めちゃくちゃ軽い!」と感じることはなかったんですが,気が付けば,今までに比べて速いペースで歩けていました。去年なんか標準CTを大幅に超えるようなスローペースでしたからね。この路線,もう少し続けてみようと思います。

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上高地でバスに乗る前に,「信州わさび味噌」を買いました。帰ってからこれを使って焼きおにぎりを作ったら美味かった!息子にも好評でした。

味噌焼きおにぎり

信州わさび味噌で焼きおにぎり!

次はどこに行こうかな。紅葉登山を楽しめたらいいなあ。

 

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