はじめに
僕は宮城県で十数年過ごしました。その間,東北地方の様々なところを訪ねました。また東北各県に友人もたくさんできました。
北海道の実家に帰省するときには,青森で途中下車して町歩きをすることもよくありました。その後東京に住むようになって,気がついたら義実家が岩手になっていました。数年前には交流事業で青森の子がうちにホームステイに来てくれたり,うちの息子が青森にホームステイに行ったり(僕もいっしょに観光に行ったり)しました。そして今年から仕事で福島に通うようになりました。
そんなわけで東北にはとてもお世話になってきましたし,今も特別な思いがあります。
2011年3月11日に起きた東日本大震災は,僕と家族にとっても大きな衝撃を残しました。現在の義実家は岩手の内陸部ですが,妻はもともと三陸沿岸部の育ちです。だから沿岸部には親族や知り合いがたくさんいて,しばらく連絡が取れずにはらはらした時期を過ごしたものです。
また僕自身が宮城県民時代に多くの時間を過ごした名取市,岩沼市の沿岸部は津波で大きな被害を受け,多くの犠牲者が出るとともに集落は集団移転となりました。
震災のあと,被災地に多額の寄付をする著名人の方々を見て,自分の力の小ささを感じたりしましたが,それでも自分にできることをやろうと考えました。まず自分にできることは,ささやかだけど寄付をすることと,被災地のものを買うこと。本当に本当にささやかですが。
以来,スーパーに東北産の農海産物があれば積極的に買うようになりました。また東北のアンテナショップに行って買い物をするようになりました。そしていつの間にかアンテナショップ巡りは,被災地の応援というよりも楽しみの一つになりました。
アンテナショップは楽しいです!都内にいながらにして,いろんな地方の特産品を見たり買ったりすることができます。目移りしながら買い物をして,うちに帰って美味しいものを食べるととても嬉しい気持ちになります。以下,東京都内にある東北六県のアンテナショップと,そこで買ってきたものをご紹介してみたいと思います。
福島県:日本橋ふくしま館 MIDETTE
福島県のアンテナショップ「日本橋ふくしま館 MIDETTE」はこちら。日本橋にあって,いつ訪ねてもお客さんで賑わっています。
最寄駅は新日本橋ですが,東京駅で総武線快速に乗り換えるのがひと手間なので神田駅から歩いていくのが楽だと思います。徒歩5分くらいです。
MIDETTEでは福島のお菓子や農海産物はもちろん,会津の工芸品なども購入することができます。美味しいものがいっぱいですが,個人的なオススメはメヒカリかまぼこ!魚の味がしっかり残っていてとても美味しいです。
新しい品種のお米「天のつぶ」や「ままどおる」,「エキソンパイ」などのお菓子もいいですね。
旬の時期には桃が最高なのはもちろんですし,それ以外の季節でも桃ジュースは美味しいです。
またお店の奥には観光ガイドコーナーや小さなカフェがあります。「地酒飲み比べセット」は500円。喜多方ラーメンや酪王カフェオレソフトクリームもあります。営業時間は10:30–20:00(飲食コーナーは19:30まで)です。
宮城県:宮城ふるさとプラザ
東北六県のアンテナショップの中で,唯一池袋にあるのが宮城ふるさとプラザです。新宿や渋谷など,東京都西部に職場がある人は行きやすい場所でしょうか。
お店は二階建てで,一階は宮城の食材売り場,二階は「伊達の牛たん」(!)などの飲食コーナーとなっています。入り口近くには「ずんだソフトクリーム」があって,訪れるたびに惹かれます (^ ^)。
僕がここに行くたびに必ず買っているのがホヤ。ホヤは三陸の特産品。人によってやや好みが分かれますが,好きな人は本当にハマると思います。宮城ふるさとプラザでは生ホヤと蒸しホヤを冷凍で販売しています(殻付きの生のものを売っている時もあります)。
松島湾産の牡蠣の加工品や気仙沼フカヒレスープ,白松がモナカなどのお菓子も美味しいですね。そしてもちろん宮城の絶品,牛タンや笹かまぼこのセットもあります。
岩手県:いわて銀河プラザ
岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」は東銀座,歌舞伎座の向かい側にあります。最寄駅は東京メトロ日比谷線または都営浅草線の「東銀座」です。銀座とあって,あたりは明るく華やかな雰囲気です。
入り口の周りには宮沢賢治の童話をモチーフにした彫金がたくさん飾られていて,素敵な雰囲気です。
いわて銀河プラザのオススメは,やはり海産物でしょうか。美味しいウニやホヤを買うことができるので,東京にいながらにして三陸の海の幸を味わうことができます。
麺類好きなら,「盛岡三大麺」であるわんこそば,じゃじゃ麺,盛岡冷麺も外せません。
また最近「Cava?」でお馴染みのサバ缶がテレビで取り上げられたりしていますね。もちろん小岩井農場の牛乳を使ったお菓子も美味しいです。
青森県:あおもり北彩館
青森県のアンテナショップ「あおもり北彩館」は他のお店とは少し離れた飯田橋にあります。中央線飯田橋駅から神田川を渡って徒歩3分です。
青森といえばりんご,りんごといえば青森。というわけで,店内にはりんごのお菓子がいっぱいです。りんごチップスも美味しいですが,オススメはりんごが1個丸ごと入ったアップルパイ,「気になるリンゴ」。食べてみると…これはりんごだ!(^ ^) りんごの存在感がすごいんです。
また青森の海産物の代表格はイカとホタテですね。あおもり北彩館には焼きホタテを真空パックにしたものもあります。プリップリで最高です。「恐山ビール」という,飲んだら見えてはいけないものが見えてきそうな飲み物もあります (^ ^;)
デザートももちろんりんごのお菓子です。りんごムースプリンなどはいかがでしょうか。
もう一つ,青森特産の農産物の一つがにんにくです。りんごとニンニクの風味が効いた「源たれ」は焼肉や野菜炒めなど,いろんな料理に合います。ぜひ試してみてほしい一品です。
秋田県:秋田ふるさと館
秋田のアンテナショップ「秋田ふるさと館」は有楽町の交通会館の中にあります。JR有楽町駅から徒歩1分。ちなみにこの建物には他にもいろいろな県のアンテナショップが入っていて,あっちにもこっちにも行きたくなってしまうところです。
中に入ったらなまはげに襲われるんじゃないかとドキドキですが大丈夫です(なまはげコワイ)。
秋田とくれば外せないのがきりたんぽ。舞茸とセリやミツバをたっぷり入れると美味しいですね。
いぶりがっこも他の地方にはない食べ物なのでおすすめです。比内地鶏ももちろん売っています。
晩酌をした時には,締めとして稲庭うどんはいかがでしょう。冷たくして柚子など乗せると,さっぱりして美味しいですよ (^◡^)
山形県:おいしい山形プラザ
最後に,山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」の紹介です。おいしい山形プラザは銀座にあります。最寄駅は東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」ですが,有楽町駅からも近いので秋田ふるさとプラザ→おいしい山形プラザ→いわて銀河プラザとはしごするのも楽しいですね。
山形にも美味しいものは数々ありますが,やっぱり代表的なのは「芋煮」でしょうか。秋になると店頭には芋煮セットが並びます。ちなみに山形風芋煮は牛肉&しょうゆ味,仙台風芋煮は豚肉&味噌味です。
余談ですが,昔朝日連峰に登ったあと山形の友人の家にお邪魔したら,そのとき出していただいたのが芋煮で,これがすごく上品な味わいだったのに驚嘆したことがあります。そしてその時,山形の人たちの芋煮にかける思いと,この料理が地元で洗練されていったことに敬意を表したくなりました。
地元の素朴な味覚,漬物や柿も美味しいですし,鳥海高原ヨーグルトを飲むと庄内平野の名峰,鳥海山の風景が目に浮かんできます(鳥海山には宮城県民時代に3度登りましたが,ぜひまた行きたいと思っています)。
おわりに
アンテナショップ巡りは本当に楽しいです。どのお店に入っても「おっ,これも美味しそう,これも美味そう!」と目移りしてしまいます。交通網が発達して日本は狭くなりましたが,各地方にはその土地の美味しいものがたくさんあるんだなと再確認させられます。
アンテナショップを通して首都圏の人たちが東北に親しみを持ち,それが復興につながっていけばいいなといつも思っています(実際,アンテナショップはどこも賑わっています)。
今回は東北六県のアンテナショップを紹介しましたが,都内には他の県のアンテナショップもたくさんあって,やはり訪れるととても楽しくなります。いずれそちらも紹介できればと思います。
いつか日本47県のアンテナショップをコンプリートしたいですね (^ ^)
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