前記事まで2回にわたって「東京で出会える鳥たち」を取り上げてきました。1回目は「スズメくらいの大きさの小鳥編」,2回目は「スズメよりも大きな鳥編」。そして3回目の今記事は,「水辺の鳥編」です。
東京の河川や海辺,そして公園の池にはいろんな鳥がいます。そんな鳥たちの話です。
シギ・チドリの仲間
イソシギ
「イソ」という名前とは裏腹に,川辺や公園の池など,様々な場所で見ることができます。細長いくちばしとポテっとした体。独特のシルエットですが,水辺の風景にはこの体型がマッチして,絵になるように思います。
荒川の波打ち際でも餌を求めてでしょうか。チョコチョコ走り回っていました。
コチドリ
チドリというと,あの「癖が強い」お笑いコンビを思い出しそうになりますが(笑),実際の鳥は水辺の淡い風景がよく似合う,雰囲気のある鳥です。
おやすみ砂丘よ
おやすみ夢も見ないで風の百万本の手の中で
水色の朝を くちばしにくわえて遊ぶ
鳥たちが ここへ来ぬ間に
おやすみ砂丘よ岩谷時子「風紋」から
このコチドリはとても可愛らしい顔をしています。そしてイソシギと同じく,波打ち際をチョコチョコ走り回ります。その姿はまるで打ち寄せる波から逃げて遊んでいるようです。可愛いですよ。
カモの仲間
マガモ
鴨といえばこの青首。マガモのオスは美しい緑色の顔をしています。この色は構造色で,羽毛の微細な凹凸が光を反射した時に光の干渉によって生じるものです。構造色を持つ鳥には他にカワセミがいますね。
マガモはいつもつがいで泳いでいます。仲良きことは美しきかな。
コガモ
小型の鴨で,体の大きさは鳩よりも少し大きいくらいです。小さいせいか,水鳥にしては珍しく警戒心が強く,人を見ると遠くに泳いで行ってしまいます。
雄は一部が緑色になる特徴的な風貌。鴨もバラエティーに富んでいて面白いですね。
マガモ同様,古くから食用にされてきたようですが,小さい分食用になる部分が少ないとのことで…(苦笑)
カルガモ
多くのカモは冬になると大陸から飛来する渡り鳥ですが,このカルガモはずっと日本で暮らしています。
カルガモはよく子連れで池を泳いでいます。子ガモが一生懸命母ガモについていこうとする姿は,思わず応援したくなります。
そしてカルガモで語らないわけにいかないのが,ひな鳥たちの行進です。まだ小さい雛たちが母ガモのあとを追って,ぴょこぴょこぴょこぴょこ行進していきます。これを見たら誰もがにんまりすると思います (^◡^)
みんな一生懸命。雛たちの歩調が揃っているのも面白いです。
雛は水辺で遊んだり,時には母鳥の下に入って雨宿りをしたり。その様子はずっと眺めていたくなります。
ヨシガモ
マガモに似た緑色の顔に,茶色のモヒカン模様。驚いているときはそのモヒカンが逆立つので,「ヒャッハー!」って行っているようにも見えます(笑)。
なかなか見かけないので,出会うとうれしいですね。
オナガガモ
首と尾羽が長めの,スマートな体型をしたカモです。つぶらな瞳が可愛らしく,色合いもきれいです。
このカモに限らず,カモたちは夫婦で泳いでいることが多いですね。仲良しは良いことです (^◡^) カモたちは大抵オスの方がカラフルです。モテようとしてこうなったのでしょうか。
北日本では,白鳥の飛来地によくオナガガモが一緒にいて,一緒に泳ぎ回っているのを見かけます。
ヒドリガモ
なぜかうちの前の川にはヒドリガモがよくやってきます。オスは茶色の頭に白い帯,逆モヒカン模様が特徴です。こちらも夫婦仲睦まじく,二羽で泳いでいることが多いですね。
ホシハジロ
カモがたくさん泳いでいる池を眺めていると,赤い目をしたカモが混じっていて,たじろぐことがあります。それはホシハジロ。「どうした,真っ赤な目をして。夜なべ仕事でもしたんか?」そう声をかけたくなります(笑)
赤茶色の頭に白い体。あらためて写真で見ると特徴的なカラーリングですが,実物を見ると「目が赤い!」ばかりが印象に残り,どんな色だったか忘れてしまいます (^ ^;)
キンクロハジロ
黒い体に,こちらは金色の瞳。ダンディーな服を着たカモです。ただ,着ている服はダンディーなのですが,いつ見ても寝癖がついてるところがコミカルです。
よくオナガガモやカルガモ,次に出てくるバンなどと一緒に泳いでいます。水鳥はスズメなどに比べて,「混群」を気軽に作るようです。
シマアジ
その名前を聞くとあの白身魚を思い出しますが,同じ名前の鴨がいるのです。
シマアジはユーラシア大陸北部で繁殖し,冬になると南アジアへ渡って行きます。日本へは渡りの途中で飛来するようです。
この鴨はつがいでいるところをあまり見かけないのですが,一人で行動するのが好きなのかな?
バン,クイナの仲間
バンとオオバン
公園の池に行くと,時々バンを見かけます。黒くて小さな体に赤いくちばし。そして…でかい足!そのでかい足にはカモみたいな水かきは見当たらないのですが,それでも一生けんめい泳ぎます(足の指に,水をかくと広がる小さな水かきがついているようです)。
バンは,お尻がぴょこっと上がった格好で水に浮かびます。そして鳩が歩く時のように,首を前後にぴょこぴょこ振りながら泳ぐのです。
その動きは何ともぎこちなくてコミカルです。いやそもそも足の大きさがアンバランスで,「神様はこの鳥をやっつけで作ったやろ!」と言いたくなるというか…,見ていると思わず笑いがこみ上げてくるような,楽しい鳥なんです。
バンより一回り大きなオオバンもいます。なんだかネーミングが雑な感じもしますが(笑)オオバンはくちばしからおでこにかけて白い色。その配色から,西洋では額が禿げ上がっていることを「as bald as a coot」というんだとか (^ ^;) (coot = オオバン)
バンほどではないですが,オオバンの動きもぎこちない感じです。泳ぐ時にはやっぱり首をぴょこぴょこ振るのです。
クイナ
クイナはよく水辺を歩いています。泥の中にいる小魚でも探しているのでしょうか。この鳥も足がでかいです。そして歩く姿は,お尻がぴょこっと上がっています。こちらもコミカルな感じのする鳥だと思います。
バンやクイナは,実はツル目クイナ科の鳥。そう,鶴の遠い親戚なのです。それなのに,あの優雅な鶴とは随分違うような… (^ ^;) 創造神は鶴を作る時に頑張りすぎて,クイナやバンを作る時には適当にやっつけたような気がしないでもありません。
カイツブリ
カイツブリは,鴨よりもひとまわり小さな水鳥です。全体に茶色っぽい色ですが,繁殖期には体が赤っぽく変わるようです。オシャレですが,ちょっと目つきが悪い(笑)
カイツブリは何と言っても潜水の名人。カイツブリが「池に浮かんでいるな」と見ていると,器用に水にもぐり,30秒以上経ってから浮かんできたりします。驚いた時にも泳いで遠くに行くのでなく,水に潜ることがあるんだとか。
カワウ
真っ黒で大きな体。カワウを見ると,ゴム長靴を連想してしまいます(笑)。でもこのゴム長は空を飛ぶし,水に潜るし,なかなか器用です。
カワウの潜水はカイツブリのようにスマートではありませんが,ザバッ!と潜ったと思ったら大きな魚をくわえて上がってきたりします。そして,その魚を丸呑みしたり。なかなか迫力のあるヤツです。
ユリカモメ
最後に「東京都の鳥」でもあるユリカモメです。カモメの中では小ぶりな方。赤い脚が特徴です。海辺に行くとたくさん飛んでいますが,公園の池やうちの近く(海からは離れています)で見かけることも多いです。
海から離れたところでも食べるものはあるのかな。淡水魚もよく食べるのでしょうか。
潮騒を聞きながら,風を受けて空を舞うかもめは優雅です。次はカモメに生まれて,日がな一日空を舞うのも悪くないなあ。なんてね。
おわりに
以上,3回にわたって東京で出会える野鳥を取り上げてみました。たくさんの人が暮らす東京ですが,たくさんの野鳥がいます。記事で取り上げたのは,今までに僕が写真に撮ることができた鳥のみですが,他にもたくさんの鳥がいるので写真を撮れたらまた取り上げてみようと思います。
こんな野鳥との共存関係をずっと保っていけたらいいですね。
東京の野鳥・小型の鳥,大きめの鳥の記事はこちら↓
取り上げた写真は,ソニーのミラーレスカメラ,NEX3 または α6400 + SEL55210を使って撮りました。鳥を撮影していると解像の良い望遠レンズが欲しくなりますね.
関連記事
www.sunsunfine.comwww.sunsunfine.com